飲んで食べて生きる | Tへ

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ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

お総菜売り場は宝の山だけど

なるべくそこで買うことをやめた。

自分で作れるし自炊すれば沢山の量が作れる。

この街は終着駅の田舎なだけに

農家の方も多くて新鮮な直送の野菜も

安く提供されている。

対して傷んでいない野菜すら

驚くほど財布に優しい値段で売られているし

関東にいた頃には

手には入らなかった野菜さえ

安価な値段で並んでいるから本当に助かる。

アルコールさえ口にしなければ

1ヵ月のエンゲル係数は相当低いかもしれない。

最近

階下でハッピーと過ごす時間が増えたせいか

その間に私は料理を楽しむようになってきた。

勿論Tの健康のためでもある。

お総菜を買えば美味しいし楽だけど

実際は自分で作った方が安心で

量もたっぷりできるから

体調が良ければ作りたい。

身体の余力は起きてから僅か数時間だから

その間に料理して常備する。

今朝は

筍と生椎茸と高野豆腐に人参を炊いた。

67円で売られていたアスパラも塩ゆでにした。

サークルから出したハッピーが楽しそうにはしゃいでいる。

遊んであげる余力は無いけど1人で楽しそうにしているから助かる。

料理だけは薄味に美味しく作りたい。

部屋を片付け始めてから

Tの古い薬を所々に見つけた。

中には薬をまとめた輪ゴムが固まって

容器にくっついてしまっていたり。

それらを全て分けて廃棄していく。

そして今Tに必要な薬の管理を始めた。

彼は同じ物をいくつもいくつも買ってしまったり

それを全く忘れて再び買いたがるから

しつこいくらいに伝える。


「家にあるョ~」


買ったことを忘れてしまうのか不安症なのか解らないけど

薬の管理を本人は出来ていないと思う。

だから毎回

同じ事を伝えながら

何の薬か言いながら彼に渡す。


「これは胃の粘膜を保護する薬。

 これは尿酸の生成を抑える薬。

 これはビタミンBを補う薬・・・etc」


毎日伝えていたら薬を見るだけで覚えてしまったけど

名前は難しい。

名前も口に出して言えば覚えられるかな。

スーパーで彼の車椅子を押しながら店内を巡っていたら

彼の父とすれ違った。

マスクをしていたから定かではなくても

Tの父だった。

顔が解れば挨拶を交わすけれど

車椅子に乗った姿を

彼は実父に見られることは好まないと思う。

Tの父は動けなくなった彼の母をずっと支えて

料理も独学で覚えて作っている。


「足手まといになっちゃあいけねぇ」


そんな風に言う人だから

デイサービスに奥さんを頼みながらも

その間に毎日毎日

家の中をピッカピカに磨く。

料理もきちんとやって

動けない奥さんのために食事を作り洗濯もして

庭には沢山の花を植えて奥さんが座る居間から

目に入って楽しめるようにしたり

Tの母が居心地良く過ごせるように完璧にやっている。

私にはそこまでは無理だった。

彼の父は凄すぎる。

私は掃除すら隅々まで及ばないし疲れてしまう。

Tと買物をして

ふと玄関先の小さな花壇を見たら

ボウボウに生えていた雑草がなくなっていた。

きっとTの父が見に来てくれて

除去してくれたのだと思う。

ずっと気がかりだっただけに本当に助かる。

日曜日の夕方は、まだ日も暮れずに明るいけれど

Tがお腹が空いたと言う。

筍と一緒に煮た煮物と

キンキンに冷やしたアスパラに

昨日の残りの牡蠣フライやフィジッリの玉子サラダに

買ってきたネギトロ巻を少し乗せて持っていった。

今日もゆっくりゆっくりと完食してくれた。

その後

数時間も経っていないのに

また

お腹が空いたという。

昼にお浸しが食べたいと言っていたので

前もってまた作っておいた

小松菜と油揚げのお浸しに

煮物の残りやネギトロ巻の残り等を運んだ。

僅か少し残っていた大根もおろして

玉子焼きに添えた。

逆流はするけれど食欲が出てきたのか

それとも

食欲はあっても嚥下障害で我慢していたのかは解らない。

とにかく食べてくれるならと必死になる。

薬の管理を私がしたら

きちんと飲んで薬の影響で食欲が出てきたのかな。

それも不明だけど

Tが食べたいという意欲があるときに

出来るだけ作った食事を提供したい。

今日の午後

彼が飲みながら食べられた食事です。

フィジッリのサラダには玉子とマヨネーズが入っているので

タルタルソースはやめて牡蠣フライには軽く

マヨネーズをかけました(写真↓)