沈む | Tへ

Tへ

ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

夜明け前になると

私の掛け布団の合間で眠っているハッピーが

ゴソゴソと起きだしてきてブルブルと身震いする。

その後にトイレに行き朝の遊びが始る。

連日、睡眠不足な私は朦朧としたまま

布団の中で彼女のそんな気配を耳に、うずくまっている。

部屋に散らばったオモチャを咥えて走り回ったり

カーテンの隙間に入っていったり

部屋の隅から隅まで巡回してはしゃぎはじめる。

その内エスカレートしてきて

ソファーに登って横になっている私をめがけてジャンプしたり

走ってきて助走をつけてジャンプしてくる。

ずっと無視していると咥えたオモチャを

私の耳元に持ってきて

噛んでパフパフと音をさせて起そうとする。

それでも無視していたら

布団の上に乗って必死で掘り始めたり

布団の隙間から入ってきて手や足を囓る。

気を惹きたくて一緒に遊びたいのは解るけど

毎朝この攻撃に疲れている。

トイレは躾にそってちゃんとしてくれるけど

私が、あまりにも無視していると

自分の便を咥えてこっちに持って来るから困る。

私が嫌がると解って面白がっているのかな。

見つけたら便は早急に片付けるようにしてるけど

寝ていて気付かないと最悪な状態になる。

今朝も悪戯されたから片付けてトイレを掃除して

服を着せて食事を与えた。

すばしっこいから

何処にでもついてくるし掃除中もじゃれてくるから

スムーズにはいかない。

小さな犬だけど

一緒に暮すのはエネルギーがいる。

動くと呼吸が苦しくなるTには何も頼めない。

部屋を綺麗にするよりも

辛うじてくい止める程度の掃除しか無理だった。

整った暮らしなんて程遠い毎日にガッカリしながら過ごしている。

小さな部屋に1人で過ごしていた頃が

いかに心穏やかでいられたかと感じる。

2人でいる安心よりも

1人の孤独が楽だったとしみじみと思う。

私自身の性格がそうなのかもしれないけど

人と暮して合わせていくことが億劫に感じている。

相手に合わせることは自分を抑えることだから

小さなストレスが生まれる。

学習して大人になろうと思っても心は嘘をつけないし

不満がたまれば嫌になってしまうのは当然だと思う。

もっと

寄り添う気持が持てたのは

もう少し遠い昔のピュアな自分だったのか不明だけど

共に生きるのは我慢することではないと気付いている。

相手を思いやる気持は大切でも

一方的に何もかもすることに疲れている。

黙って聞いてくれれば良いけど

Tは無理だと思う。

お互いに自我が強すぎる。

もっと丁寧に生きて欲しいのに

病気を重ねるごとにガサツで適当になって行く。

いやなら離れれば良いのにと思う。

何故一緒に居るのかと

もう1人の自分が問いかける。

それは

こんな状況になってでも

Tとの暮らしを

立て直していきたい思いがあるからだと思う。

私1人では無理かもしれない。

散らかりまくって掃除が行き届かず

片付けても

Tとハッピーが破壊していく。

もう

お手上げ状態で疲れている。

片付かない日常と

ナーバスな毎日にウンザリしている。

頭の中で綺麗な部屋を空想しても

身体が追いつかない。

潮時を感じながら

辛うじて過ごす毎日に心が沈むばかりだった。