通院に付添い寂しい知らせ | Tへ

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ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

午後から病院へ付き添う日だった。

今日も朝からハッピーに起されて

何かと世話を焼いていたら

ゴミ出しが間に合わずに断念した。

寝不足なまま動くのが苦痛だった。

寒さを気にするゆとりもなく動かなくてはならない。

何も知らないTは寝室で熟睡している。

どうでもいいやと思うようにしている。

間に合わなければ次があるし

若しくは直接持っていけば良い事だった。

辛うじて家の中がゴミ屋敷にならないようにくい止める。

掃除できる範囲は一部だけど

特にキッチンだけは洗い物をためたくないし

配水管の流れをせき止めたくない。

ほかもきちんと出来たらと思うけど

どうもやりずらい。

ちょっと監視の目があるから。

語れないけれど

そのせいで家の中での行動を制限してしまう。

私とTとハッピーで自由に過ごして良いはずなのに

事情があって周囲を気にしながら過ごしているから

少し居心地は良くない。

ハッピーも気にして吠えるから困る。

今日の夜からリビングの東の窓の雨戸を閉めることにした。

昼も開けないつもりでいる。

部屋が暗くなるけれど仕方がない。

ハッピーが外部の人の動きを気にするから

シャットアウトすることにした。

午後になりTを起して病院へ向った。

久し振りに主治医に会ったら

彼を見て話しかけながら笑っている。

やっぱり

Tの動画配信を知っているのかもしれない。

気管孔を診察した際に

大量の痰が固まっている様子に気付いていただき

取り除いてくれた。

下咽頭ガンに罹患してから担当してくれた先生だけど

帰り際に他へ異動されると言われて驚いた。

とても良い先生だったのに

Tが下咽頭ガンに罹患して応急手術をした晩に

病院へ駆けつけて初めてお話した方だった。

その後も本番の手術を受け入院している最中も

ずっと親身になって接してくれた。

面会禁止で着替えを持って行き帰るだけの時にも

私を見かけて声をかけていただき

立ち話をしてTの状況を詳しく説明していただけた。

接するほどに、とても良い先生だと感じていたから

異動されると聞いて残念な気持に囚われる。

元々の主治医はバックにいて

かなり厳しい先生だけど相当頼りにしてきた方である。

でも

今の主治医の先生とは多くの関わりを持ってきただけに

私は深い思い入れがある。


「先生が変わっちゃうのが残念だね。」


会計を待ちながらTに呟いたら彼も

あの先生は良い人だったと言う。

だったって生きているのに変な表現だと

突っ込んでみたけど

あまり調子が良くないのか

緩やかにスルーされた。

気管孔に水が入るリスクを避けて

Tはお風呂に入る回数も減っている。

彼の車椅子を押しながら目に入る彼の頭髪が

乱れている様子に哀しくなる。

買物をしてようやく帰宅したら

ハッピーが寂しそうに留守番をしていた。

ご褒美に買ってきたバナナを3分の1だけ

細かく刻んであげたら

吠えることなく大人しくしていた。

お腹が空いているのか解らないまま

私は食事したけれど

Tは固形物を口にしたくない様子で

水分ばかり摂っている。

帰りに買いたいと言われてピザを買ったけど

食べる事なく寝床へ行ってしまった。

きょうは何も食べていないみたい。

大丈夫かな。

明日、ピザを焼くか

お弁当を作ろうと思う。

食べられるかわからないけれど

今の季節は乾燥していて

永久気管孔だけで呼吸している彼には

呼吸の経路に痰が固まってカピカピになると苦しいし

食事どころではなくなるのかもしれない。

少しでも良いから

明日は食べられると良いのだけど

あまり期待せずに

お弁当は自己満足で作られたらOKとしよう。

一緒にピザが食べたかったけれど

食べられる日まで我慢なのかな。

何も口にしない彼の横で

私1人お菓子やごはんを摘まんでいるから

申し訳ない気持になったりもする。