クリスマスにケーキを口にしなくなって数年経つ。
甘い物が苦手になったのはワインに溺れたせいかもしれない。
飲まなければやっていられないと言うけれど
私の場合
ワインを飲む事で心の緊張の糸がほぐれてリラックスできる。
フランスの人は昼の休憩がシエスタと言って2~3時間もあり
ワインを片手に食事の時間をゆっくり楽しむみたい。
3ヵ月だけ職場で業務フランス語の教育を受けた事がある。
身につかなかったけれど
せっかくだからと思いフランスへ旅したことがある。
遠い昔に見た映画の影響で南フランスを訪れる事が夢だった。
目的地はカマルグという湿地帯で
野生の白馬やフラミンゴが群れを成し生息している。
そんな場所に身を置いても浮いてしまう自分だけど
大人になったら映画で見たその場所へ必ず行こうと決めていた。
なのにいつも抜けている。
間違えたツアーを選んでしまいカマルグの手前までしか
行くことが出来ず
未だにその夢は実現しない。
自分の人生なんてそんなものだと半ば諦めながら
妥協の中で生きている。
順調だと思っていてもヘマをして
いつも結果はオーライではない。
何度も突き落とされて
それ以上落ちる事もないくらい
どん底まで行っているのかな。
もう落ちる事はないと気付いたら
後は這い上がるしか道はないけど
そんな余力も尽きかけている様な気分。
昨夜の晩もクリスマスらしき料理は作れなかった。
前日に作ったチゲ鍋の残りと
スーパーで購入した2個入りのチキン。
ケーキを3つ購入して2つをTの母に届けて
残りひとつはTが食べた。(写真↓)
彼が選んだピスタチオのケーキを味見させてもらったら
甘酸っぱくて後味がスッキリとしてとても美味だった。
スポンジは入ってなくてピスタチオのクリームの中に生クリーム
その奥に知らない果実が入っている。
空洞になった小さな種の様なものがサクサクと
食感にアクセントを与えてくれて
見事な完成品だった。
こんなケーキを口にした事が無くて
もうひと口だけ大きく頬張ってみたら
優しい甘みが再び口中に広がってスーッと一瞬にして消えていく。
もう虜になりそうな美味しさに目をそらせてワインを口にする。
やっぱり甘い物よりワインが口に合うみたい。
チキンも温め直して食べやすい様に細かくカットした。
チゲ鍋に使った残りのキムチと一緒につまみながらの
質素な食事だけど
晩酌のアテなら充分だった。
ビタミンBが欠乏していて足の痺れはずっと続いている。
だから無塩のナッツも良くつまむ。
これだけでも満足な晩餐だと思う。
ハッピーには見切り品のバナナを細かくカットして
3㎝だけあげた。
彼女と暮らし始めの頃は私の方に駆け寄ってきたのに
最近はTにベッタリになっている。
私の事は噛むのにTには本気で噛まない。
彼は動物を手名付けるのが上手みたい。
粗相をすると私は彼女を叱るけどTが彼女を叱る事はない。
声を発せない彼の手の動きでハッピーの躾が成り立って行く。
これも凄いなと思う。
小さな体で空気を読む姿に賢さを感じる。
たとえ犬でも
一家族として私たちは見ているから
彼女をないがしろにしない様に気を付けている。
本人の気持ちを考えて常に目を向けているけど
ヤンチャな性格とは裏腹に
ウルウルとした優しい瞳が切なくて
あまり強く𠮟る事も出来ない飼い主失格の自分。
わたしは心配性だからTの様にデンと構えられない臆病な性格。
クリスマスイヴを迎える前に
スジだらけの安いロース肉を手に入れたので
辛うじて動画を作ることが出来ました。
もっと大人の料理が作りたいのに
ハッピーをイメージしてキャラプレートになりました。
ステーキなんてめったに焼く事もないものだから
失敗です。
お時間が許される時に見ていただけたら嬉しいです。↓