「ドラゴンクエスト4」は、1990年2月11日(日・祝)に発売された。

 

シリーズ唯一のオムニバス形式のストーリー構成になっており、シリーズ初のAI機能と馬車システムが導入された、記念すべき『天空シリーズ』第一弾。

 

今日は、そんな「ドラゴンクエスト4」の32周年である。

今回は、DQ4について少し懐かしんでみる。

 

特記なき限り、オリジナルであるFC版を前提にしているが、リメイク版についても扱う。

 

 

●タイトルロゴ

 

圧倒的にファミコン版がカッコイイ!

リメイク版は丸っこくなってしまった。

 

・FC版

 

 

・PS版

 

 

・DS版

 

 

●ファミコンの限界に挑戦した作品

 

ROM容量は4メガビットと、当時は膨大な容量であった。この中に学習型AI機能やら何やら色んなものを詰め込んだのかと思うと凄いなと思う。

 

ファミコンソフトなのに、価格は8500円(税抜)もした。売上本数は約300万本で、ファミコンソフト第四位である。

 

 

●オムニバス形式のストーリー

 

現在のところ、ドラクエシリーズにおいて最初で最後のオムニバス形式で、全五章構成となっている。

 

第一章は、ドラクエ初心者に配慮したチュートリアル感が強くなっている。ここで「非AIキャラ」についても覚えることになる。要領と運次第で30~60分でクリアできる。破邪の剣の無双感がハンパないw

 

第二章は、DQ4で最初のパーティプレイ。低レベルのうちは個々のステータスは低め。バランス良く上手く組み立てていく重要性を覚える。

 

第三章は、とにかくゴールドとアイテム。他の章とは違い、モンスターがいろんなアイテムを落としていく。これらを要領良く売り捌いて金策。ゴールドを貯めていけばクリアできる条件を満たす。また、ここでも破邪の剣が無双する。章の終わりは道具欄を全て破邪の剣で埋め尽くすw

 

第四章は、姉妹のパーティプレイ。個々のステータスが低く、序盤はそこそこ苦労する。最初の金策が踊り子の服を剥ぎ取って売り捌く事で、取扱説明書も推奨しているほどwww

 

第五章で、ようやく勇者が登場する。一~四章のキャラが次々と導かれていくストーリー展開に。仲間に命令する事はできず、学習型AI機能(後述)によって行動する。

 

 

●学習型AI機能

 

第五章では、仲間に命令する事はできず(「命令させろ」がない)、AI機能で学習しながら行動して戦闘を進めていく。

 

・把握していない項目は、「モンスターの耐性」のみ。

・把握している項目は、最大HP・行動パターンなど。

・0~3の4段階で学習し、ターン終了時に一定の確率で学習レベルが上がる。

  0→1…255/256

  1→2…128/256

  2→3…64/256

・判定は、グループ毎に行われる。

・先制攻撃を受けたり、逃げに失敗した時も判定の対象になる。

・アストロン中も判定の対象になる。

・逃げてしまったモンスターも判定の対象になる。

・途中で呼ばれたモンスターは判定の対象にならない。

・冒険の書単位で、モンスター毎に学習段階を記録していくので、馬車内を含めた各キャラで共有できる。

・全滅してもリセットしてはいけない理由がココにある。

 

・格下モンスター相手には、ひたすらモンスターを倒して戦闘を早く終わらせる事を優先する。

・現在HPが低いモンスター相手には、「命を大事に」にしても、モンスターを倒す事を優先する。

・格上モンスターや同格モンスター相手には、回復しながら戦う。

・マホカンタ状態のモンスターに呪文を使うかどうかは、相手に与えるダメージの総量と、自分が受けるダメージを総合的に勘案して判断する。

 

・条件を満たさないと、スカラ、スクルト、バイキルト、フバーハをなかなか使ってくれないw

・同一グループ内に眠りやマヒがいる場合、そいつらは後回しにして、状態異常のないモンスターから倒す。

・薬草と満月草以外の消耗品、正義のそろばん、風神の盾、銀のタロットは使わない。(「いろいろやろうぜ」を除く)

 

耐性を完全把握しないと無駄行動が増え、ザラキ大好き野郎がメタル系やボス系にやたらとザラキを使うww

 

 

AIによる行動パターンは、思いのほか細かく設定されており、ファミコンの性能でよくここまで作りこんだものと感心させられる。

 

なお、SFC版DQ5も学習型である。ターン毎に必ず学習レベルが上がる。また、ボス戦では初めから学習済みの状態になっている。

 

チュンソフトの開発は学習型。以降の開発(ハートビート、アルテピアッツァ、レベルファイブなど)は、思考ルーチンによるポンコツオートバトルといったところか。

 

 

●多彩な行動をするモンスター

 

DQ4では多種多彩でユニークな行動をするモンスターが多くいる。

 

・道具を使う(きりかぶおばけ、カロン等)

・HPが半分以下になると状態変化する事がある(大目玉、アンクルホーン、ビッグスロース)

・出現時に寝ていたり混乱していたりする(あばれうしどり、吸血こうもりなど)

・寝ている時に寝返りを打つ(あばれうしどり)

・4匹集まると炎を巻き起こす(マンルースター)

・無駄行動をする(さまようたましい等)

・合体する(合体スライム)

・分身する(ベロベロマン)

・攻撃すると分裂する事がある(メラゴースト、スモールグール)

・防御仲間呼び(ひとくいサーベル)

 

 

●破邪の剣

 

DQ4において、最も無双するであろう武器が破邪の剣である。

 

第一章では、湖の塔の宝箱にある。それまで、銅の剣やせいぜい鎖鎌だったライアンの攻撃力が飛躍して上がり、ほとんどの敵をワンパンできるようになる。

 

第三章では、武器屋のバイト中に破邪の剣を売ってくれる人が現れる。それを別の客に売るとその日の歩合給が上がる。

しかし、誰にも売らずに自分で買う事もでき、しかも数が減らないので何本でも買う事ができる。章の終わりにトルネコの持ち物を破邪の剣で埋め尽くして第五章に持ち越す事もできる。

 

 

第五章でトルネコを仲間にした後、トルネコの分を除いた7本を売れば、2625ゴールド×7本=18375ゴールドになり、勇者用のドラゴンキラーの軍資金にできる。

トルネコを仲間にした=船を入手した後にリバーサイドやロザリーヒルに行けば買える。中ボス戦もすごく楽になり、無双できる。

 

 

●鉄の金庫

 

第三章用の道具。レイクナバ北の洞くつにある。入手するのにコツがいるが、入手できれば全滅してもゴールドが半減しない。

 

これを取らずに第三章をクリアする事で、第五章になってから入手する事もできるが、壊れている状態であり効果を発揮しない。

 

リメイク版では、第三章の鉄の金庫と第五章の鉄の金庫は別アイテム扱いである。DS版の場合はアイコンも異なっている。

 

 

●レアなモンスター

 

第五章で一切出現しないモンスターがいる。なぜか、第四章で出現するモンスターばかりである。一部は第二章でも出現する。

 

なお、リメイク版では、イムル周辺の古井戸の底で出現する。

……と思いきや、石人形と使い魔はそこでも出現しない。モンスター図鑑をコンプリートする際には注意が必要だ。

 

 

・スライムベス(No.005)

 

・ミノーン(No.014)

 

・とんがりあたま(No.015)

 

・石人形(No.022)

 

・使い魔(No.027)

 

・ヘルビートル(No.035)

 

・しびれだんびら(No.047)

 

・合体スライム(No.004)

 

・キングスライム(No.048)

 

 

●838861

 

カジノコインを激安で大量購入できる。これは、購入金額が16777216ゴールド以上になるとオーバーフローを起こすため。

 

第三章のカジノコインの単価は1枚200ゴールド。

838861枚の場合、838861×200=167772200ゴールドとなるはずが、オーバーフローを起こし、

167772200-16777216×10=40となり、838861枚を40ゴールドで買える事になる。

 

また、第三章であれば、922747枚を24ゴールドで買う事もできる。

 

 

第五章のカジノコインの単価は1枚20ゴールド。

838861枚の場合、838861×20=16777220ゴールドとなるはずが、オーバーフローを起こし、

16777220-16777216×1=4となり、838861枚を4ゴールドで買える事になる。

 

なお、第二章はカジノコインの単価が1枚10ゴールドと安いため、オーバーフローを起こす事ができない。

 

 

●8逃げ

 

ボスなどの逃げる事のできない戦闘中で「にげる」を8回行うと、パルプンテ「力がみなぎる」の効果が掛かり、それ以降の攻撃が全て会心の一撃になる(バイキルトが掛かっているキャラを除く)。

これは、複数の異なるデータが、同一アドレスで管理されているために起こった。

 

00001000

 

2進数で見た時、

 

1~2桁目…「にげる」を行った回数カウンター。

  00(1回目)…50%

  01(2回目)…50%

  10(3回目)…75%

  11(4回目)…100%

 

ここが11(2進数)になった後に「にげる」を行うと、通常戦闘時では100%成功するが、ボス戦は絶対に逃げられないため、回数カウンターがオーバーフローを起こす。

 

3桁目…時の砂のフラグ

4桁目…パルプンテ「力がみなぎる」の効果フラグ(1…全て会心の一撃に!)

5桁目…戦闘終了時のメッセージ(0…いなくなった、1…やっつけた)

6桁目…不明

7桁目…敵の種類数フラグ(0…モンスター名、1…まもののむれ)

8桁目…パルプンテ「不思議な霧」の効果フラグ

 

つまり、128回「にげる」を行うと、以降は「不思議な霧」が発生して呪文が使えなくなる。

 

なお、この裏技は、初期出荷分のROMでしかできないらしいが、2次出荷のソフトをお目に掛かった事がないw

 

 

●メタル系にも聖水ダメージ

 

戦闘中に聖水を使うと、10~15のダメージを与えられる。

これはメタルスライム系にも通用する。これで経験値稼ぎがラクになる。

 

なお、この裏技も、初期出荷分のROMでしかできないらしいが、2次出荷のソフトをお目に掛かった事がないw

 

 

●幻の海モンスター

 

海で出現するモンスターの中に、プログラムの不具合・ミスにより、意図せず出現しなくなってしまったモンスターが9種類存在する。なお、リメイク版では修正されている。

 

 

・ピラニアン(No.065)

 

※ハバリア・モンバーバラ近海に出現する。

※FC版では「海鳴りのほこら」を出た瞬間にエンカウントした時に出現する事がある。

 

 

・じごくのざりがに(No.068)

 

※ハバリア・モンバーバラ近海に出現する。

※FC版では「海鳴りのほこら」を出た瞬間にエンカウントした時に出現する事がある。

※リメイク版では、赤系の色になっている。(DQ7のレッドスコーピオンと同じグラフィック)

 

 

・シャークマンタ(No.083)

 

※ハバリア・モンバーバラ近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※FC版では「海鳴りのほこら」を出た瞬間にエンカウントした時に出現する事がある。

※エンドール・サントハイム近海に出現する。

 

 

・たこまじん(No.084)

 

※ハバリア・モンバーバラ近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※FC版では「海鳴りのほこら」を出た瞬間にエンカウントした時に出現する事がある。

※エンドール・サントハイム近海に出現する。

 

 

・マッドルーパー(No.075)

 

※エンドール・サントハイム近海に出現する。

※リメイク版では、ピンク色になっている。

 

 

・マリンリバイアサン(No.087)

 

※エンドール・サントハイム近海に出現する。

※メダル王の城・リバーサイド近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※リメイク版では、「マリンワーム」になっている。

 

 

・シーライオン(No.105)

 

※エンドール・サントハイム近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※リメイク版では、紫色になっている。

 

 

・しびれあんこう(No.114)

 

※エンドール・サントハイム近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※メダル王の城・リバーサイド近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

※リメイク版では、緑色になっている。

 

 

・フライングデス(No.127)

 

※メダル王の城・リバーサイド近海に出現する。(他モンスターとは群れない)

 

 

なお、R@Mイメージのオフセット00061C8Bにある05(2進数の101)を07(2進数の111)に書き換えると不具合が修正されて、普通にエンカウントできるようになるらしい。

・The Cutting Room Floor

Dragon Warrior IV (NES)

 

修正したものを、Switch等で遊べるようにしてほしいものです!

 

 

 

●アニメ「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」との絡み

 

DQ4がアニメ「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」(第一部本放送:1989年12月2日~1990年9月22日)の放送期間中に発売された関係で、そのCMではDQ4関連のものも多かった。

 

 

 

アニメ作中にもちょい役やエキストラ役で出演していた。

 

・トルネコ(第21話)

 

 

・ミネア(第22話)

 

・マーニャ(第22話)

 

 

・アリーナ(第42話(再放送・DVD41話))

 

・クリフト(第42話(再放送・DVD41話))

 

 

なお、第35話(再放送・DVD34話)に登場した双子の巫女(ハンナとカンナ)は、公式ガイドブックにて光のドレスを着たアリーナがモデルとなっている。

 

 

 

 

(以上)

 

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