「ドラゴンクエスト4」は、1990年2月11日(日・祝)に発売された『天空シリーズ』第一弾。
シリーズ唯一のオムニバス形式のストーリー構成になっており、シリーズ初のAI(人工知能)機能と馬車システムが導入された。
2025年2月11日は、「ドラゴンクエスト3」の35周年の日である。
今日は、DQ4について少し懐かしんでみる。
特記なき限り、オリジナルであるFC版を前提にしているが、リメイク版について触れている場合もある。
・初回執筆:2022年2月11日(32周年時)
・最終更新:2025年2月11日(35周年)
※随時更新する可能性あり。
●タイトルロゴ
圧倒的にファミコン版がカッコイイ!
リメイク版は丸っこくなってしまった。
・FC版
・PS版
・DS版
●ファミコンの限界に挑戦した作品
ROM容量は4メガビットと、当時は膨大な容量であった。この中に学習型AI機能やら何やら色んなものを詰め込んだのかと思うと凄いなと思う。
ファミコンソフトなのに、価格は8500円(税抜)もした。売上本数は約300万本で、ファミコンソフト第四位である。
●オムニバス形式のストーリー
現在のところ、ドラクエシリーズにおいて最初で最後のオムニバス形式で、全五章構成となっている。
第一章は、ドラクエ初心者に配慮したチュートリアル感が強くなっている。
ここで「NPC戦闘員(非AIキャラ)」についても覚えることになる。
要領と運次第で30~60分でクリアできる。
破邪の剣の無双感がハンパないw
第二章は、DQ4で最初のパーティプレイ。低レベルのうちは個々のステータスは低め。
バランス良く上手く組み立てていく重要性を覚える。
第三章は、とにかくゴールドとアイテム。
他の章とは違い、モンスターがいろんなアイテムを落としていく。
これらを要領良く売り捌いて金策。
ゴールドを貯めていけばクリアできる条件を満たす。
また、ここでも破邪の剣が無双する。
章の終わりは道具欄を全て破邪の剣で埋め尽くせば、第五章の金策にもなる。
第四章は、姉妹のパーティプレイ。
個々のステータスが低く、序盤はそこそこ苦労する。
最初の金策が、マーニャから踊り子の服を剥ぎ取って300Gで売り捌き、それよりも守備力の高い皮のドレスを250Gで買う事であり、これは取扱説明書も推奨しているほど。
第五章で、ようやく勇者が登場する。一~四章のキャラが次々と導かれていくストーリー展開に。
仲間に命令する事はできず、学習型AI機能(後述)によって行動する。
●学習型AI機能(人工知能)
第五章では、仲間に命令する事はできず(「命令させろ」がない)、AI機能で学習しながら行動して戦闘を進めていく。
・把握していない項目は、「モンスターの耐性」のみ。
・把握している項目は、最大HP・行動パターンなど。
・0~3の4段階で学習し、ターン終了時に一定の確率で学習レベルが上がる。
0→1…255/256
1→2…128/256
2→3…64/256
・判定は、グループ毎に行われる。
・先制攻撃を受けたり、逃げに失敗した時も判定の対象になる。
・アストロン中も判定の対象になる。
・逃げてしまったモンスターも判定の対象になる。
・途中で呼ばれたモンスターは判定の対象にならない。
・冒険の書単位で、モンスター毎に学習段階を記録していくので、馬車内を含めた各キャラで共有できる。
・全滅してもリセットしてはいけない理由がココにある。
・格下モンスター相手には、ひたすらモンスターを倒して戦闘を早く終わらせる事を優先する。
・現在HPが低いモンスター相手には、「命を大事に」にしても、モンスターを倒す事を優先する。
・格上モンスターや同格モンスター相手には、回復しながら戦う。
・マホカンタ状態のモンスターに呪文を使うかどうかは、相手に与えるダメージの総量と、自分が受けるダメージを総合的に勘案して判断する。
・条件を満たさないと、スカラ・スクルト・バイキルト・フバーハをなかなか使ってくれない。
・同一グループ内に眠りやマヒがいる場合、それらは後回しにして、状態異常のないモンスターから倒す。
・薬草とまんげつ草以外の消耗品、正義のそろばん、風神の盾、銀のタロットは使わない。(「いろいろやろうぜ」を除く)
耐性を完全把握しないと無駄行動が増え、ザラキ大好き厨がメタル系やボス系にやたらとザラキを使うww
AIによる行動パターンは、思いのほか細かく設定されており、ファミコンの性能でよくここまで作りこんだものと感心させられる。
なお、SFC版DQ5も学習型である。ターン毎に必ず学習レベルが上がる。また、ボス戦では初めから学習済みの状態になっている。
チュンソフトの開発は学習型。
以降の開発(ハートビート、アルテピアッツァ、レベルファイブなど)は単なるオートバトル。
●多彩な行動をするモンスター
DQ4では多種多彩でユニークな行動をするモンスターが多くいる。
・道具を使う(きりかぶおばけ、カロン等)
・HPが半分以下になると状態変化する事がある(大目玉、アンクルホーン、ビッグスロース)
・出現時に寝ていたり混乱していたりする(あばれうしどり、吸血こうもりなど)
・寝ている時に寝返りを打つ(あばれうしどり)
・4匹集まると炎を巻き起こす(マンルースター)
・無駄行動をする(さまようたましい等)
・合体する(合体スライム)
・分身する(ベロベロマン)
・攻撃すると分裂する事がある(メラゴースト、スモールグール)
・防御仲間呼び(ひとくいサーベル)
●破邪の剣
DQ4において、最も無双するであろう武器が『はじゃのつるぎ』である。
第一章では、湖の塔の宝箱にある。それまで、「どうのつるぎ」や「くさりがま」だったライアンの攻撃力が飛躍して上がり、ほとんどの敵をワンパンできるようになる。
第三章では、武器屋のバイト中に『はじゃのつるぎ』を売ってくれる人が現れる。それを別の客に売るとその日の歩合給が上がる。
しかし、誰にも売らずに後から自分で買う事もでき、しかも数が減らないので何本でも買う事ができる。章の終わりにトルネコの持ち物を『はじゃのつるぎ』で埋め尽くして第五章に持ち越す事もできる。
第五章でトルネコを仲間にした後、トルネコの分を除いた7本を売れば、2625ゴールド×7本=18375ゴールドになり、勇者用のドラゴンキラーの軍資金にできる。
トルネコを仲間にした=船を入手した後に、リバーサイドやロザリーヒルに行けば買える。中ボス戦もすごく楽になり、無双できる。
●鉄の金庫
第三章用の道具。レイクナバ北の洞くつにある。入手するのにコツがいるが、入手できれば全滅してもゴールドが半減しない。
これを取らずに第三章をクリアする事で、第五章になってから入手する事もできるが、壊れている状態であり効果を発揮しない。
リメイク版では、第三章の鉄の金庫と第五章の鉄の金庫は別アイテム扱いである。DS版の場合はアイコンも異なっている。
●838861
カジノコインを激安で大量購入できる。これは、購入金額が16777216ゴールド以上になるとオーバーフローを起こすため。
第三章のカジノコインの単価は1枚200ゴールド。
838861枚の場合、838861×200=167772200ゴールドとなるはずが、オーバーフローを起こし、
167772200-16777216×10=40となり、838861枚を40ゴールドで買える事になる。
また、第三章であれば、922747枚を24ゴールドで買う事もできる。
第五章のカジノコインの単価は1枚20ゴールド。
838861枚の場合、838861×20=16777220ゴールドとなるはずが、オーバーフローを起こし、
16777220-16777216×1=4となり、838861枚を4ゴールドで買える事になる。
なお、第二章はカジノコインの単価が1枚10ゴールドと安いため、オーバーフローを起こす事ができない。
●8逃げ
ボスなどの逃げる事のできない戦闘中で「にげる」を8回行うと、パルプンテ「力がみなぎる」の効果が掛かり、それ以降の攻撃が全て会心の一撃になる(バイキルトが掛かっているキャラを除く)。
これは、複数の異なるデータが、同一アドレスで管理されているために起こった。
00001000
2進数で見た時、
1~2桁目…「にげる」を行った回数カウンター。
00(1回目)…50%
01(2回目)…50%
10(3回目)…75%
11(4回目)…100%
ここが11(2進数)になった後に「にげる」を行うと、通常戦闘時では100%成功するが、ボス戦は絶対に逃げられないため、回数カウンターがオーバーフローを起こす。
3桁目…時の砂のフラグ
4桁目…パルプンテ「力がみなぎる」の効果フラグ(1…全て会心の一撃に!)
5桁目…戦闘終了時のメッセージ(0…いなくなった、1…やっつけた)
6桁目…不明
7桁目…敵の種類数フラグ(0…モンスター名、1…まもののむれ)
8桁目…パルプンテ「不思議な霧」の効果フラグ
つまり、128回「にげる」を行うと、以降は「不思議な霧」が発生して呪文が使えなくなる。
なお、この裏技は、初期出荷分のROMでしかできないらしいが、2次出荷のソフトをお目に掛かった事がないw
●メタル系にも聖水ダメージ
戦闘中に聖水を使うと、10~15のダメージを与えられる。
これはメタルスライム系にも通用する。これで経験値稼ぎがラクになる。
なお、この裏技も、初期出荷分のROMでしかできないらしいが、2次出荷のソフトをお目に掛かった事がないw
●アニメ「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」との絡み
DQ4がアニメ「ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説」(第一部本放送:1989年12月2日~1990年9月22日/エニックスの一社提供)の放送期間中に発売された関係で、アニメのCMではDQ4関連のCMが多かった。当時10歳だった高橋一生氏がCMに出演。
アニメ作中にもちょい役やエキストラ役で出演していた。
・トルネコ(第21話)
・ミネア(第22話)
・マーニャ(第22話)
・アリーナ(第42話(再放送・DVD41話))
・クリフト(第42話(再放送・DVD41話))
なお、第35話(再放送・DVD34話)に登場した双子の巫女(ハンナとカンナ)は、公式ガイドブックにて光のドレスを着たアリーナがモデルとなっている。
「ドラゴンクエスト4」も、屈指の名作です!!
(以上)
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