「痛み」という黒い染みはゆらゆらと、水面に広がっていき、黒い帯となって水中を汚す。
透明だったものは帯と混ざり、濁った。
黒く…深く…痛みは心を支配する。
少しずつ淀み…、そして縛る。
思考は全て「痛み」に支配され、がんじがらめとなった私の体。
「痛い、痛いよ」
「助けて…痛いよ」
「腕がもげそうだよ…筋肉が引きちぎれそうだよ…痛いよ…皮膚が痛い…手が痛いよ」
「た、す、け、て!!!!」
「…お願い…たすけて…」
「助けて…」
泣くことしか出来ず、のたうち回った。
涙がとめどなく溢れ、布団を握った。
誰でもない誰かに救いを乞う。
誰でもない、誰もいない空間に私は必死にすがりつく。
必死に歯を食いしばり、布団に抱きつく。
痛くて痛くて痛くて痛くて苦しくて…悲しみだけが私を包む。
――なんで生きてるの。
何故、息をしているの。
こんなに苦しいのに、こんなに痛いのに。――
答えてもらえない問いは頭の中にいつまでも反芻した。