或いは、私は、現実逃避をしているのかもしれない。
斜め上から、自分を見下ろしている感覚を覚えながらどこか浮遊感を感じていた。
今しがたコピーを頼まれ仕事をしてきた。
ただ与えられていることをこなすだけなのに、ジワジワジワジワ体に痛みが生じ始めていた。
指先が震える。震える指先に痛みが走る。
私は言われた通りの部数をコピーし、ホチキスで止める、という作業をしていた。
「痛い」思わず心の中で叫んだ。
やけにホチキスの存在を感じた。重い。
指先はふるふると震え、それでも、目的の紙を捉えながら左端にホチキスを止めた。
ああ、これは来たな、と思った。
筋肉から痛みの信号が神経をなぞり体に巡っていた。
筋肉が痙攣する。ああ、「出来ない」また4文字の言葉が脳を駆け巡った。
指先が痺れ、熱を持つ。
言われた言葉を脳で理解しながらも、指先が痛くて上手く動かせない。
簡単な作業でさえも、完遂出来ない事実は私を追い込んだ。
「駄目人間」そんな言葉がどこからともなく聞こえてくるような気がした。
「出来ない」この4文字の言葉は不確かに、けれど確実に私をほの暗い底の方へと引きずり込んだ…。
