日本語の「こそあど」について。、 | 湖南省で日本語教師

湖南省で日本語教師

湖南省の某所で日本語教師をやってます。専攻は中国語で、まだまだペーペーですが頑張ってます。

どうもこんばんは~。昔好きだった人につけてもらったニックネームは“爱德华(エドワード)”、今日も中国語を愛する男、神野でございます。


最近は、論文→ボランティアの日本語の授業というローテンションを繰り返しております。例のTQEまで残り1ヶ月もないのに、翻訳のお勉強も全然しておりません。しかも明日は研究発表だってのに余裕ぶちかまして、のんびりお酒飲んでます。


日本語の授業は1~3人で行っており、その授業でのプリント作りに最近は凝っておりますです。そんで最近日本語の指示代名詞こと「こそあど」について話したんですが、見事にみなさん全滅でした。一人は大学で日本語を4年間学んで、通訳の仕事もしたことがあるんですが、彼も「こそあど」の違いを「距離の遠近」でしか掴んでいませんでした。


んじゃあ僕が授業でどんなプリントを作成したのか、その一部を紹介しまっす。自作ですよ~。


(1)AくんとBくんは大学の同級生。ある日、二人は偶然出会います

A:おや、Bくん久しぶり!

B:Bくんじゃないか!久しぶり。元気?

A:元気だよ。大学院に進学したんだよね?大学院はどう?

B:大変だよ。先生が「論文書け書け」ってうるさくてさ。

A:指導教授は誰だい?

B:鈴木先生だよ

A:聞いたことあるな。誰だっけ(これ・それ・あれ・どれ)?

B:ほら、背が高い白髪の、いつも厳しかった(この・その・あの・どの)「鬼の鈴木」と呼ばれていた
  先生だよ

A:ああ、(この・その・あの・どの)先生か、思い出した。



(2)Aくんは友達のBくんと一緒にレストラン「三日月」で食事をしています

A:(ハンバーグを食べながら)(この・その・あの・どの)ハンバーグ美味しいな

B:(この・その・あの・どの)ハンバーグ美味しそうじゃないか。ちょっと僕にくれよ。

A:いいよあげるよ。

B;(ハンバーグを食べる)ふーん(これ・それ・あれ・どれ)ほど(×より)美味しくないな。

A:本当?僕は生まれてから(これ・それ・あれ・どれ)ほど美味しいハンバーグを食べたことないよ

B:僕が一番美味しいと思うハンバーグは、駅前のレストラン「一二三」のハンバーグ だな。
 (これ・それ・あれ・どれ)ほど美味しいハンバーグはないよ。少なくとも (この・その・あの・どの) 「三日月」のハンバーグよりかはマシさ。

A:駅前のレストラン?(この・その・あの・どの)辺にあったっけ?

B:バス停の隣りさ

A:ああ、(ここ・そこ・あそこ・どの)か。



とまあこんな風に、会話文に「こそあど」の選択肢を混ぜて、読ませるというもの・・・。「こそあど」の使い方もマスターすると同時に、より日本語らしいイントネーションを身につけるというもの。


どうです?距離の遠近だけではこの「こそあど」の問題は解決できないことがわかるかと思います。


「これ」は具体・抽象関係無く、自分に属するもの。

反対に「それ」は相手に属するものを指します。

「なんだその態度は!!」って怒るとき、めっちゃ距離が近い、それこそキスできちゃいそうな距離(アーッ!!)でも、「なんだこの態度は!!」とはいえませんからね~。


「あれ」はお互いの共通のもの、もしく曖昧なモノをさせる。


「ほら、あれだよあれ!!」の「あれ」お互いに知っているものを指してるし、「あれなんだっけ、あれ・・・」の「あれ」は曖昧なもの、まだ自分に属しているとは言えません。


距離以外にも、こういう概念的なものを指せる「こそあど」をマスターすれば、さらに日本語が豊かになるはず!!


みんな頑張ってにぇ~~。