グアム知事、脅威高まっていない 北朝鮮ミサイル/亀井静香が面白い | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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グァム近海へ4発のミサイルを打ち込むと脅しを駆ける刈り上げクンに対して、怒髪おじさんも負けずとばかりに、「北朝鮮はアメリカにこれ以上の脅しをしないほうがいい。世界がかつて見たことがないような『炎と激しい怒り』、率直に言うと『軍事力』を目の当たりにするだろう」と脅しをかけた。

日本の報道も過熱気味で、安倍庵のモリとカケが金チャン亭の冷やし冷麺に覆い隠されそうだ。

安倍晋三にしてみれば、歓迎すべき事態なのかも知れない。

その当のグァムの反応はどうか。

 

 【ワシントン共同】北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル4発をグアム沖に撃ち込む案を検討していると表明したことについて、米領グアムのカルボ知事は北朝鮮側の「不安」が背景にあるとし、脅威は必ずしも高まっていないとの見方を示した。ロイター通信が報じた。

 

 カルボ氏はロイターに「北朝鮮は予測不可能であることを好み、不意打ちでミサイルを発射してきた」と指摘。「今回は事前に知らせている。誤解を避けたいからで、心理的な不安があるからだ」と述べた。

 

 グアム住民は懸念を抱いているが、パニックは起きていないと説明。脅威の高まりはないと確信していると語った。

 

 

そしてこの問題に関連して、亀井静香大先生の可笑しくも興味深いインタビュー記事があった。

率直に言って100%信用なんか出来ないが、損得勘定抜きで言いたいことを言っているから、案外真相を当てているのかも知れない。

 

亀井静香氏が物申す!「日本には、韓国・北朝鮮とともに生きる道がある」

これで拉致問題も解決する

 

先週末の7月28日午後11時42分(日本時間)、北朝鮮が北部の慈江道・舞坪里から、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射。その後の北朝鮮の発表によれば、高度3724㎞で北東方向に約998㎞飛んで、47分12秒後、北海道・奥尻島近海のEEZ(排他的経済水域)に落下した。前回7月4日のICBM発射実験(高度2802㎞、飛距離933㎞、飛行時間39分)を大きく上回った。

 

北朝鮮が初めて、日中ではなく深夜にミサイルの発射実験を行ったこともあいまって、世界に衝撃が走った。特に日本は、北朝鮮危機対応の責任者だった稲田朋美防衛大臣が辞任した当日だったため、余計に混乱をきたした。安倍晋三首相は深夜0時44分に国家安全保障会議(NSC)を招集。首相官邸ロビーで記者団に囲まれると、顔をこわばらせながらこう述べた。

 

「北朝鮮を最も強い言葉で非難する。国際社会と協力して、さらに圧力を強化していく他はない」

まさに、日報問題を巡っていつまでもゴタゴタを続けている日本に冷や水を浴びせるようなミサイル発射だった。日本が「コップの中のケンカ」を続けているうちに、北朝鮮クライシスは、ひたひたと迫ってきているのである。

 

そんな中、国会最年長の傘寿を迎えてなお、アメリカに飛び、韓国に飛びと、積極的な「独自外交」を行い、平和ボケした日本に警鐘を鳴らし続けているのが、亀井静香・元金融担当大臣だ。北朝鮮クライシスが「待ったなし」を迎えている今、新著『亀井静香、天下御免!』(著者は岸川真氏)が話題の亀井代議士と、2時間近くにわたって、アジア情勢と日本外交の有り方について緊急対談した。

 

 

窮鼠猫を噛む

近藤: 北朝鮮が2度目のICBMの発射実験を強行し、日本海に着弾しました。7月だけで2度、ICBMの発射をやっていて、過去4回はこうしたミサイル実験の後、3ヵ月以内に核実験を行っています(残り1回は核実験の翌月にミサイル実験)。このことから見ても、私は、9月9日の建国記念日の前に、北朝鮮が6度目の核実験に踏み切る可能性が高いと見ています。

亀井先生は今回の北朝鮮のICBM発射実験について、どうお考えですか?

 

亀井: まさに、窮鼠猫を噛むだわな。小国として、超大国アメリカに対抗するには、核とミサイルで自衛するしかないと思っている。核もミサイルも、本当に使ったらたちまちアメリカに滅ぼされるから、使えないに決まっているのに、ハリネズミのようになっている。まあ、小国の立場に立ってみれば、気持ちも分からんではないがな。

 

近藤: 私は今回の一件で、日本人の眼が覚めたのではないかと思っているんです。昨年7月にアフリカ(南スーダン)で起こった騒動を巡って、この半年間というもの、日本の防衛は混乱を極めた。一番の元凶は、安倍首相が、稲田朋美というおよそ防衛問題には不釣合いな政治家を防衛大臣に据えたことだと思いますが、それにしても防衛相・自衛隊の人たちは、北朝鮮の脅威、中国の脅威の最前線で日々、必死に仕事しているのに、仮想敵国以外のところからタマが飛んでくる。

 

亀井: 日報問題は、シビリアン・コントロール(文民統制)が利かなくなってきていることが問題だよ。ここの点を一番に見なきゃいかん。まあ政治家の側も、与党にせよ野党にせよ、いつのまにかサラリーマン政治家ばかりになっちまったからな。

 

近藤: サラリーマン政治家と言いますと?

 

亀井: 今年1月にトランプがアメリカの大統領になってから、世界はアメリカ、ロシア、中国という獰猛な3大国が、エゴ丸出しで外交を行う時代に変わった。それなのに、日本のサラリーマン政治家たちは、いまだにアメリカの尻の下に敷かれていれば日本は安全だなんて勘違いしている。

その意味では、3大国のエゴに抵抗しようとする北朝鮮の方が、よほど正確に世界情勢を把握しているよ。

 

近藤: 獰猛な3大国のエゴ丸出しの外交という亀井先生の世界観には、全面的に賛成します。私も先週『大国の暴走』という本を出しまして、トランプ、習近平、プーチンという「3巨頭」によるルールなき世界が始まったことを指摘しました。もっとも、私は普段、中国を研究しているので、アメリカについては渡部恒雄氏、ロシアについては小泉悠氏に語っていただき、鼎談の形で出したものですが。

亀井先生は、昨年11月、そのトランプに会いにニューヨークに行かれたんですよね?

 

外交は内政の延長

亀井: そうだよ。大統領選挙前日の11月7日19時に、トランプと会うアポイントを取っていた。オレは昨年5月から、トランプが勝つと確信していたからね。だが、いまから考えれば、トランプ自身は、自分が勝てるとは思っていなかったみたいだね。

それが、11月6日頃から「もしかしたらイケるんじゃないか」と、陣営が盛り上がってきた。それでトランプは急遽、全米の接戦州を回ることになって、オレとの面会の予定はキャンセルされてしまったんだ。

 

近藤: それでも、選挙当日は、ニューヨークにいらしたんですよね。

 

亀井: いたよ。トランプタワーの14階に陣取って、トランプの側近たちと開票結果を見守っていた。すぐ横には、スティーブ・バノン(後の大統領上級顧問)が座っていたよ。

 

近藤: まさにジャーナリストも顔負けの行動力ですね。そもそも大統領選挙前に、日本の政治家や外交官たちに聞くと、「ヒラリーで決まり!」で一致していましたからね。

 

亀井: サンダースとトランプは、貧困層や、インテリ政治に飽き飽きしている大衆が支持しているんだから、サンダースが抜ければトランプに票が集中して勝つに決まっているじゃないか(編集注:亀井氏は『週刊プレイボーイ』2016年6月27日号のインタビューでもそう述べている)。

 

 

近藤: そうやって接戦でホワイトハウス入りしたトランプ大統領は、北朝鮮問題に関して、「戦略的忍耐の時代は終わった」「この20年間で15億ドルもの連邦予算を捨ててきた」などと発言し、北朝鮮との対決姿勢を鮮明にしています。

思えば、トランプ大統領にとって北朝鮮を叩くことは、ロシアゲートを雲散霧消できる、反トランプ派(民主党、マスコミ、アメリカ国民、国際社会)が反対しない、軍需産業の雇用が増えるなど、一石何鳥にもなるんですよね。

 

亀井: そうだよ。すべての国において、外交は内政の延長だ。北朝鮮を叩けば、アメリカ国内も大いに湧くだろう。

トランプタワーに行って思ったんだがね、トランプは下手な鉄砲を振り回すカウボーイみたいなものさ。

かつての満州事変もそうだったが、戦争というのは、ほんのちょっとしたことが原因で起こるんだ。もちろんペンタゴン(米国防総省)も、アメリカが北朝鮮を先制攻撃したら、アジアでどんなことが起こるかは分かっているから、トランプに自制を求めるだろう。

 

日本だって北朝鮮のミサイルの射程圏内にあるんだから、アメリカの同盟国として、トランプがこれ以上刺激的なことをやらないよう諌めていかないといけない。

 

近藤: しかし安倍首相が進んでいる方向は、トランプ大統領を諌めるというより、逆に発破をかけることですよね。ハンブルクG20の前日、7月6日に行った日米韓首脳会談が象徴的でした。トランプ大統領を挟んで、一方で安倍首相が「圧力強化」を唱え、もう片方で文在寅大統領が「対話の道」を唱えていた。

 

亀井: 北朝鮮にいくら圧力をかけて制裁したって、中国とロシアが裏で助けるから、底が抜けてるんだよ。中国はコンチクショーと思いながらも、緩衝地帯が必要だから、北朝鮮をおいそれと崩壊させるわけにはいかない。

 

 

近藤: それはそうかもしれませんね。朝鮮戦争の休戦から、これまで64年も戦時体制で来て、緊張感が違いますから。私は2回、北朝鮮に行きましたけど、あれほど緊張感のある国は他に知りません。

 

亀井: 総理も、そういうことは分かっているんだよ。オレと話す時だって、「拉致問題を解決するには北朝鮮との対話が必要だ」って言ってるよ。日朝平壌宣言は、日朝双方が「いまだに有効だ」としているし、3年前には日朝でストックホルム合意に至ったじゃないか。

まあ、北朝鮮はね、いまに韓国に近づいてくるよ。

 

近藤: それは鋭いご指摘ですね。私もそんな気がします。金正恩政権にとって、日米中ロ韓という周辺5ヵ国を見渡した時に、いちばん信頼が置けそうなのは、韓国の文在寅政権でしょうからね。

ところで亀井先生は、ソウルにも行って、文在寅政権の主要メンバーとも意見交換してきたとか。

 

「革命軍」政権との付き合い方

亀井: そうなんだ。文在寅政権が発足するちょうど1ヵ月前の4月10日に訪韓した。大統領選告示の直前だということで、文在寅本人とは会わなかったけど、徐勲(ソ・フン)国家情報院長や最側近の白元宇(ペク・ウォンウ)民政担当大統領秘書官、李光宰(イ・グァンジェ)前江原道知事、韓秉道(ハン・ビョンド)大統領政務秘書官らと会い、親しくなったから、政権発足後、日本に与野党の国会議員らを引き連れて来たときに総理にも引き合わせたんだ。外務大臣以下、表の顔はお飾りで、彼らが中核だよ。

その結果、分ったのは、文在寅政権というのは、「革命軍」の政権だということだ。全員が傷モノで、いちばん傷が少なくて見栄えがする文在寅を大統領に仕立て上げたんだな。

 

近藤: 革命軍!?

 

 

亀井: そうさ。米ワシントンポスト紙が、韓国のろうそくデモと大統領選挙について、「世界中が民主主義の危機に直面している中で、韓国にはまだ民主主義があることを示した」などとと書いていたが、実態は全く違う。

まず、ろうそくデモは自然発生的な市民デモなんかじゃなくて、彼ら「革命軍」が仕掛けたものだ。反逆罪で捕まったりして、李明博・朴槿恵政権の約10年間、臥薪嘗胆していた連中が、朴大統領の政治スキャンダルをきっかけに、革命を起こしたんだな。そしてまんまと「青瓦台」(韓国大統領府)を占拠したというわけだ。

 

近藤: なるほど。そういえば、私はかつて、金大中候補と盧武鉉候補の大統領選キャンペーンを取材したことがあるんですが、まさに梁山泊のようでした。当時、アメリカのブッシュ政権では、彼らのことを「青瓦台タリバン」と呼んでいました(笑)。

 

亀井: そうなんだよ。この文在寅革命政権は独立心が旺盛で、「反米・反日・親北」だ。アメリカに対して、朝鮮戦争で祖国の危機を救ってくれた恩人、などとは思っていない。やっかいな米軍が居座り続けやがってと思っている。

THAAD(終末高高度防衛ミサイル)だって、本心では配備なんかしたくない。「朴槿恵政権のようにアメリカの言いなりにはならないぞ」というのが、彼らの基本姿勢だ。

 

近藤: たしかに、盧武鉉時代には、仁川上陸作戦を記念した公園に立つマッカーサー像に卵を投げつけたりしていました。一度取材に行って驚きました。

 

亀井: それは日本に対しても同様で、2年前の日韓慰安婦合意は、外交上の取り決めだから正面切っては否定しないが、彼らの支持層を意識して、日本に対して厳しいポーズをとるだろうね。

一部の日本人は、昨年末に釜山にも慰安婦像(少女像)が建ったと言って激昂したけれど、お地蔵さんみたいなものと思えば腹も立たないじゃないか。加害者の立場で被害者に接していたら、日韓関係はいつまでたってもうまくいかないよ。

 

近藤: 慰安婦像をお地蔵さんとは、亀井先生ならではの表現ですね。私は、地政学的見地からも、日本は韓国と組むべきだと考えているんです。日本と朝鮮半島を除けば、東アジアはほとんどすべて中華圏です。ASEANだって、経済を握っているのは華僑だし、かなりの地域で中国語が通じます。

 

 

 

亀井: その通りだよ。アメリカ、中国、ロシアというエゴ剥き出しの獰猛な大国に囲まれて、日本と韓国は小国同士とは言わないが、肩を寄せ合って生きていくしかないじゃないか。

もう一つはね、日本にとって最重要課題である拉致問題を解決するためには、文在寅革命政権の助けを借りるのがいちばんいいんだよ。オレが4月にソウルで、徐勲(国家情報院長)に会った時、「これからは日本の拉致問題も北朝鮮と話します」と言ってくれた。彼は、2000年と2007年の南北首脳会談の立役者だろう。韓国はいい政権になったよ。

 

近藤: 文在寅政権を使って拉致問題を解決する――すばらしい着想ですね。そうした話は、安倍首相にも報告されたんですか?

 

亀井: もちろん、すべて報告した。総理は、「韓国の政権は反米反日親北の方が、日本にとってはやりやすい」と言っていた。表では強硬なことを言っているけど、よく分かってるよ。

 

近藤: ところで、「革命軍」と言えば、韓国の向こうの中国・習近平政権も、共産党革命軍政権ですね。7月30日には、人民解放軍建軍90周年とか言って、また派手な軍事パレード(閲兵式)をやりました。

私は前任の胡錦濤時代の最後の3年間、北京で暮らしていたんですが、私が住んでいたわずか5年前までの中国と、いまの中国とでは、まるで別の国のようです。

 

亀井: オレは習近平とも縁があってね。2回会ったことがあるよ。

今だから言うけどね、2009年12月、当時、国家副主席だった習近平が訪日した時、天皇陛下に会う会わないで揉めたでしょう。あの時、間を取り持ったのはオレだったんだ。

 

近藤: えっ!? 当時、私が住んでいた北京の日本人社会では、「小沢一郎さんの功績」ということになっていましたが。

 

亀井: そんなことあるもんか。中国大使館の孔鉉佑公使(現外交部長助理)が、当時、金融担当大臣だったオレのところにやってきて、「鳩山総理が尽力してもうまくいかない。王毅前駐日大使から『亀井先生にお願いしろ』と言われて来ました」と頭を下げて言うんだ。オレは王毅が駐日大使時代、何度も一緒にゴルフをやったり酒を飲んだりして遊んだ仲だったからね。

 

 

 

それで平野(博文)官房長官に電話したら、「鳩山総理からも私からも羽毛田(宮内庁)長官に頼んだのですが、『1ヵ月前までに申請が出ていないものは受けられない』の一点張りでダメなんです」という。

そこで今度は羽毛田長官に電話して、こう言ってやったんだ。

「国家副主席というのは皇太子と同じだ。今回会わせなかったら、将来の日中関係に大きな禍根を残すことになるぞ。あんたも役人だろ? もう一度、官房長官から命令を出させる。もし上司の命令に従えないんだったら、即刻、辞職しろ」

そして平野官房長官にもう一度、電話するよう伝えて、OKを出させたというわけだ。

 

近藤: そうだったんですか。8年目の真実ですね。それで、習近平主席が来日した時には、どんな話をされたんですか?

 

亀井: 習近平というのは寡黙な男でね、ほとんど何もしゃべらないんだ。それでオレは金融担当大臣として、経済の話をした。

「いまの日本経済の成長が頭打ちなのは、日本人の経済格差が拡大したからです。だから中国も将来、経済格差が広がらないよう気をつけないといけません。もっとも中国は、共産党が人民の幸福のために執政しているから大丈夫でしょうがね」

最後はイヤミだったが、習近平は黙って聞いていたよ。

日韓朝「小アジア主義」

近藤: 習近平主席は中国国内でも、感情を顔に出さない政治家として知られています。おそらく、青年時代に7年間も陝西省の山奥に「下放」されたことで、感情を表に出すと危険だという本能が身についたのではないでしょうか。

その習近平主席のことは、安倍首相に何とアドバイスしているのですか?

 

亀井: 口喧嘩くらいならいいけど、あまり角を突き合わせても仕方ないからやめておけと言っておいた。

オレは東大合気道部出身だから、合気道の例を挙げた。合気道では、相手が正面から突っ込んできたとき、サッと身をかわしていなすんだ。そんなことを話してやったら、シンゾーはニコッとして、「尖閣問題はその手で行きます」と言っとったよ。

尖閣諸島は日本が実効支配してるんだから、灯台を建てるなり何なりしたらいい。だが、中国との正面衝突だけは、避けないといけない。

 

近藤: おっしゃる通りですね。私は、日本は中国を嫌いでもよいから、日本のために活用すべきだと思っていまして、今年、『活中論』という本も出しました。2億人の中間層が育ち、日本の3倍の経済規模になろうとしている中国を活用しない手はないだろうと思います。

 

亀井: そうだわな。中国はアメリカの4倍以上もの人口があるんだからな。この近くのホテルニューオータニもそうだけど、日本全国、中国人観光客だらけじゃないか。

 

近藤: 「中国人観光客の法則」というのがあるんです。それは、一度でも日本へ来た中国人は親日派に様変わりするということです。抗日ドラマの世界と違って、日本人は皆、親切で、おまけに空気も食べ物も美味しい豊かな先進国だと痛感するからです。

最近の中国ではその反面、「パンダと竜の論理」ということもよく言われています。「自分たちはもはや、か弱いパンダではなく竜なのに、日本人はいまだにパンダのように見下す」というわけです。

習近平主席にしても、「トランプ大統領、プーチン大統領と共に、3巨頭で世界を動かしていく」という気概を持っていると思います。

 

 

 

亀井: 独裁者同士というのは、互いに気が合うんだよな。国内に気を遣う必要がないから、その場でどんどん話が進んでいく。

だが、「3巨頭」がどんどん危険な方向に走っていっては困るから、日本と韓国がしっかりタッグを組んで、大国の橋渡し役を務めないといけない。かつ日韓で、大国たちの食い物にされないよう助け合う。

北朝鮮も含めて、日韓朝3ヵ国で「小アジア主義」を唱えたらいいんだよ。

 

近藤: 「小アジア主義」というのはいい言葉ですね。東南アジアもASEANを結成して、この11月で50周年を迎えますからね。

ところで、いまの日朝間には、パイプ役となる政治家がいません。一昔前には、金丸信、加藤紘一、野中広務といった大政治家たちがパイプ役を担ってきましたが、いまはアントニオ猪木参院議員ぐらいしか思い当たりません。

ここはひとつ、亀井先生が日本のためにひと肌脱いで、アジアの平和と拉致問題解決のため、日朝間の橋渡し役となられてはいかがでしょうか?

 

亀井: そうだな。オレはもう傘寿を迎えたけど、まだまだ闘い続けるつもりだし、亀だから長生きするしな。チャンスがあれば頑張るよ。

 

近藤大介

1965年生まれ、埼玉県出身。東京大学卒業、国際情報学修士。講談社『週刊現代』特別編集委員。明治大学国際日本学部講師(東アジア国際関係論)。2009年から2012年まで、講談社(北京)文化有限公司副社長。『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』『対中戦略』『日中「再」逆転』『中国模式の衝撃』他、著書多数。最新刊は『活中論』

 

「現代ビジネス」より転載

 

 

 

米・露・中国という三大覇権国家に抗して、日・韓・北朝鮮の3カ国の小アジア主義なんて発想はなかなか出ないな。

しかし世界最大の軍事侵略国家米国に金魚の糞みたいにくっついているだけでは状況を悪化させるだけだというのは自明のことなので、日本が自主性を回復して追求する道としては検討に値するかも知れない。

いずれにしろ、戦争が始まれば一番の被害者は何の罪もない関係国の国民なんだから、そんな事態にならないよう安倍内閣もいたずらにアメリカの尻馬に乗って騒ぎ立てることなんか止めてくれ。