「首相 専守防衛は不変」(毎日)「武力行使の例外拡大」(朝日) 見出し一つで180度違うな | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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「戦争法案」を巡る国会質疑の報道では、NHKが代表質問を放送しなかったりして問題になっているが、それ以上に問題だと思うのが新聞報道。
大見出しだけを較べると、「毎日」は「首相 専守防衛は不変」とうち、「朝日」は「武力行使の例外拡大」とうった。
「毎日」の見出しだけでは、「なぁーんだ戦争法案なんて批判する人がいるけど、今と変わらないんだ」と思う読者も出るだろう。

「毎日」は「戦争法案」に批判的論陣を張ってきたのに、この見出しでは腰砕けになったのかと心配になる。

一方、政府批判満開なのが「東京」と、当然だけど「赤旗」。
「東京」は「他国で戦わず 崩れる 首相ら否定せず」と見出しをつけ、「赤旗」は
「後方支援は武力行使と一体 戦争法案の危険性 浮きぼりに 首相、自衛隊への攻撃 武器使用認める」とうった。

今、マスコミがこの問題をどう報じているのか、後世の検証に耐えられるだけの報道なのかが問われていると思う。

下の続報は、審議中の法案が時の政権によっていかようにも判断されることを明らかにした。



首相、自衛隊派遣に3基準 日本が主体的判断

 安倍晋三首相は28日の衆院平和安全法制特別委員会で、新たな安全保障法制に基づく自衛隊派遣の判断基準を示した。
(1)日本が主体的に判断する
(2)自衛隊の能力、装備、経験に根ざしたふさわしい役割を果たす
(3)前提として外交努力を尽くす―ことを重視して政策判断すると表明した。

米軍などを後方支援する「重要影響事態」の認定要素としては、事態の発生場所や規模、態様、推移をはじめ、日本に戦禍が及ぶ可能性などを挙げた。

 いずれも審議中の安保関連法案には明記されておらず、自衛隊運用に当たっての政府の基本原則となるとみられる。

「共同通信」より転載


「日本が主体的に判断」などを基準に入れざるを得ないと言うことは、自ら主体的判断なんてしないと言っているのと同じだ。
なにしろ安倍晋三は26日の衆議院本会議で「日本は米国の武力行使に国際法上違法な行為として反対したことはない」と明言している。
日本政府の対米従属度はかくも強固で、まったく自主的でないのに、「集団的自衛権」を法制化すれば、米軍の意向に従うのは目に見えている。



「アーミテージ元米国務副長官の写真と、「アメリカ人を守るために自衛隊員も命を懸けるという宣誓なのだ」という中見出しがある。え、こんな宣誓あり?と思って本文を読むと、「かつて日本を牛耳っていたアーミテージ元国務副長官が、先日テレビのインタビューで、『日本の自衛隊が米国人のために命を懸けることを宣誓した』と発言しているんです。これが今回の安保法制の本質なのです」という森田実氏(政治評論家)のコメントだった。

なるほど、「安保マフィア」の一人であるアーミテージは、安保法制が完成すれば、現行の自衛隊法の枠組みが大きく変容し、自衛隊員が米軍のために死ぬ宣誓をすることになることを見抜いている。」

早稲田大学教授「水島朝穂の平和憲法のメッセージ」から「
子どもを米国の戦争で死なせない――女性週刊誌と安保法制」より部分抜粋


また戦闘行為に巻き込まれなくても、死の恐怖と向き合い続けた海外派兵任務の自衛隊員の自殺者が少なくとも54人にのぼっているという事実も衝撃的だ。


「憲法9条が命を守ってくれた」と言われている派兵でも自殺者が54人も出た。
その後ろ盾を失っての派兵が如何に過酷なものになるのか、安倍晋三も自分の頭で考えたらどうだ。


:

海外派兵自衛官 自殺者54人

 アフガニスタン、イラクの両戦争への派兵任務を経験し、帰国後に自殺した自衛官が2015年3月末時点で54人にのぼることが分かりました。防衛省が27日の衆院安保法制特別委員会で、日本共産党の志位和夫委員長への答弁で最新の数字を明らかにしました。

 内訳は、アフガニスタン戦争時のインド洋派兵経験者が25人(海上自衛隊)、イラク派兵経験者が29人(陸上自衛隊21人、航空自衛隊8人)。本紙が14年7月にこの問題を報じた際、同省はインド洋派兵自衛官の一部について「文書が残っておらず不明」としていましたが、この日も「統計の関係で04年度以降(の数字)だ」と断り、自殺者数がさらに増える可能性も残しました。


 国民平均と比べ約9~18倍(14年内閣府統計)、自衛官全体(13年度)でも約5~11倍の高い割合で、自殺者が出ている異常な実態が鮮明になりました。

図


「しんぶん赤旗」より転載

しかし、安倍晋三という男の低次元さを象徴するような写真だね。
こんなのが、我が国のトップなのか


衆院「平和安全法制」特別委員会で、民主党の辻元清美氏に「早く質問しろよ」とやじを飛ばす安倍晋三首相(右)=28日午後、国会内