沖縄市のドラム缶汚染から 最強ダイオキシン検出 米軍がベトナム戦争で使用した枯葉剤の可能性 | 函南発「原発なくそう ミツバチの会」 ノブクンのつぶやき

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沖縄市サッカー場で2014年1月に見つかった米軍遺棄とみられる61本のドラム缶付着物から、ダイオキシン類の中で最も毒性が強い「2・3・7・8―TeCDD(四塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン)」の濃度が50%以上を占めるドラム缶が18本に上ることが、26日までに明らかになった。


ベトナム戦争で米軍が使用した8種類の枯れ葉剤の中で最も毒性が強く、発がん性が指摘されている「ピンク剤」「グリーン剤」の可能性があり、いずれも「オレンジ剤」の倍の毒性を持つ。

 
 ダイオキシン研究の第一人者である摂南大学名誉教授の宮田秀明氏が、沖縄・生物多様性市民ネットワークのサッカー場監視評価プロジェクトの一環で沖縄市の調査結果を分析した。県内に残るベトナム戦争の負の遺産を科学的に実証した。

 
 「四塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン」は除草剤「2・4・5―T」を作る際に意図せずに出た副生物で、「2・4・5―T」によるドラム缶汚染に起因して検出されたとみられる。18本のドラム缶付着物からは全て「2・4・5―T」もしくはその環境分解物が高い濃度で検出されている。「2・4・5―T」はそのまま「ピンク剤」「グリーン剤」となる。

 
 宮田氏の分析では「オレンジ剤」をはじめとする6種の枯れ葉剤の存在は否定された。沖縄防衛局調査では「(枯れ葉剤の)証拠は見つからない」としている。宮田氏は「ダイオキシンは土壌にあると長期間安定して残るので、汚染が分かった時点で除去対策をしなければいけない」と指摘した。

 
 日米両政府はこれまで枯れ葉剤の沖縄持ち込みを認めていないが、退役軍人らの証言で貯蔵や散布、投棄が明らかになっている。沖縄市サッカー場では環境基準値の8・4倍のダイオキシンをはじめとする複合汚染の実態が明らかになっている。(石井恭子)


 <用語>枯れ葉剤
 1961年から71年に米軍がベトナム戦争で化学兵器として散布した混合除草剤。南ベトナム解放民族戦線の軍事拠点である森林を枯らし、食料供給を破壊する目的で農村にも散布された。識別のためドラム缶に描かれた帯の色で呼ばれ、最も大量にまかれた「オレンジ剤」のほか「ピンク剤」「グリーン剤」「ホワイト剤」「パープル剤」「ブルー剤」(粉、水溶液の2種)などがある。ダイオキシンの毒性が住民に深刻な健康被害をもたらした。



「琉球新報」より転載









ベトちゃんドクちゃんは枯れ葉剤被害の象徴として、日本でもよく知られ、支援カンパ活動なども取り組まれた。
戦争の持つすべての生き物への冒涜そのものだ。



「ダイオキシンの毒性はあのサリンの2倍、青酸カリの
1000倍といわれています。またサリンは、空気中の水蒸気にさらされると無害になりますが、ダイオキシン類は1300℃の超高温でしか高速分解しません。


ダイオキシンは何が問題か?

ダイオキシンの1日の摂取許容量は、農薬の100万分の1です。つまりダイオキシン類の毒性は農薬より100万倍強いのです。

農薬などの有害物質は、細胞の中の酵素、遺伝子や染色体に作用する結果、健康が害されます。このようなかたちで健康が害されるには、かなり高濃度の化学物質が必要です。

これに対しダイオキシンは、細胞質内のリセプターと呼ばれる物質と結合した後、遺伝子の特定部分と結合し、いろいろな遺伝子を活性化させます。そのために酵素の誘導、細胞の分裂の変化、細胞の分化の変化などが誘発され、がんの発生、奇形の発生、免疫の異常、発育の異常などが起こります。この作用は極微量のダイオキシンで起こすことが出来ます。」

「こうしたダイオキシンを含む枯れ葉剤をアメリカはベトナムの森林地帯、農村、田畑など日本の四国に相当する地域に7500万リットルも散布して、解放戦線の隠れ家であるジャングルを絶滅させ、解放区で作られる農産物を汚染し、食料としては使えなくさせようとしました。

枯葉剤の撒かれた地区と、枯葉剤を扱った兵士とのあいだで子供を作ろうとした1545人の妻を対象にしたダイオキシン被害の調査結果は次の通り。


ベンチェ省の枯葉剤散布地区で行われた先天異常発生調査結果

散布前(A)

散布後(B)

BA

流産 ルンフー村

5.22 %

12.20 %

2.3

   ルンファ村

4.31 %

11.57 %

2.7

   タンディエン村

7.18 %

16.05 %

2.2

奇形児

0.14 %

1.78 %

12.7

出典:綿貫礼子『自然』(1983.4


ベトナム戦争参加アメリカ兵士の妻を対象とした先天異常発生調査結果

先天異常

発 生 率

BA

 

対照群(A)

さらされた群(B)

 

不  妊

1.20 %

2.80 %

2.3

早  産

0.61 %

2.01 %

3.3

流  産

9.04 %

14.42 %

1.6

0.21 %

3.14 %

15.0

出典:滝沢行雄『トキシコロジーフォーラム』(1987.10


枯葉剤散布地区では、流産が枯葉剤散布前に比べ
2.22.7倍に、奇形は約13倍になっています。また、ダイオキシンに直接さらされなかったアメリカ兵士の妻までも影響を受けました。これは、ダイオキシンが精子に影響を与えているためです。

この他に、ベトナム帰還兵とその家族には、癌から子供の身体障害にいたる疾病が現われ、原因は枯葉剤に混入していたダイオキシンであると確信されるようになりました。この関係を調査したアメリカ科学アカデミーの1993年の報告書は、ダイオキシンに暴露すると、軟組織腫、非ホジキンリンパ腫、およびホジキン病の3種類の癌になる可能性があるとしています。」

 北海道AALA副理事長 鈴木 頌氏の「」枯れ葉剤作戦とは何だったのか」から抜粋引用。



この枯れ葉剤、遺伝子組み換え作物で悪名高いあのモンサントが製造していて、モンサントはベトナム戦争で大儲けしたのだ。
除草剤「ラウンドアップ」なんかをJAなどで大量に売っているが、その製造元でもある。そんな除草剤を大量に撒いた畑で作られる作物などを食べたいとは思わない。
しかし実際には、かなりの農家が使用しているのだろう。

このモンサントのひどさは映画「モンサントの不自然な食べ物」
を観ると良くわかる。


http://www.uplink.co.jp/monsanto/


アメリカ軍のベトナム戦争出撃拠点だった沖縄に、この枯れ葉剤が大量保管されていたのは公然たる「秘密」だが、充分な処理もしないで放置されたままだったのだろう。
そんな危険な毒物が廃棄されているようなサッカー場でサッカーなどしていて大丈夫なのか。

アメリカの実質植民地である沖縄の悲劇を如実に表すような事件だ。