カライエ動いていない疑惑(現地調査編) | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 カライエが動いているかどうかを調べるために、1泊2日で現地調査(実家)に行ってきました。

 1日目は大雨だったので、屋外の調査は翌日にして、屋内で出来る事に集中しました。

 

 まずは、設置場所の確認です。

 カライエはちゃんと動いていました。

 スマートホンからの操作も問題なくできています。

 スイッチボットに問題があるのではという疑惑は晴れました。

 

 もう一つの疑いの排湿ですが、排湿が出来ているかどうかは屋外の排気口を見ないと分からないので、後回しにして、無線LAN接続アダプタを取り付けます。

 

これでカライエの作動状況がリモートからスマートホンを使って見ることが出来ます。

 

スイッチボットの操作だけではカライエの作動状況が分からなかったのが、これで解消されました。

 余談ですが、カライエの本体購入時に1万1千円だった無線LAN接続アダプタは1万3千円に値上がりしていました。

 悔しい!

 

 翌日は屋外の調査です。

 

 排気口のカバーを外します。

 これが前回撮り忘れた排気口です。

 なんと勢いよく空気が出ています。

 

 小屋裏の負圧によって排気がうまくできていないのではと推測していましたが、全く問題がなさそうです。

 それどころか、レンジフードを最強、浴室換気扇を最強にしても、排気しています。

 これなら、当初考えていた通りに、負圧の大きい空調室に取り付けても良かったのではないでしょうか。

 

 カライエの取扱説明書の「故障かな?と思ったら」には「屋外に出る空気は微量です。」と書かれていて、排気量はもっと少ないと思っていたので、この排気量には驚きです。

 

 

 カライエの仕様表をよく見ると0.35㎥/minと書かれています。1時間に換算すると21㎥/hにもなり、浴室換気扇の24時間換気量30㎥/hに近い風量です。

 浴室換気扇の24時間換気風量はもう少し減らしたいと思っていたぐらいですから、カライエの21㎥/hはかなり大きく感じてしまいます。

 

 排湿量を測定します。

 ちょっと不細工ですが温湿度計は手許にこれしかなかったので仕方がありません。

 上がカライエの排湿の温湿度、下が外気の温湿度(玄関に設置したセンサー)です。

 

 この温湿度から計算すると、絶対湿度は22g/㎥であることが分かります。

 カライエの仕様通りなら排気量は1分間に0.35㎥、1時間なら21㎥、1日504㎥

 

 ここから計算すると1日の排湿量は約10ℓなので仕様通りです。

 

 ところがカライエが排湿すると、排湿時の空気の量と同じ分だけ外気を取り入れてしまいます。

 外気の絶対湿度は温湿度計の値から計算すると16g/㎥なので、1日の給湿量は8ℓになり、差し引きして実質の排湿量は2ℓになってしまいます。

 

 一般的な家庭用除湿機は湿気を液体にしてタンクに溜めるため、屋外には排湿しないので、湿った外気を取り入れることはありません。

 しかし、カライエは屋外に湿気を排出するので、その同じ空気の量だけ湿った外気を取り込んでしまいます。

 カライエが排湿する湿気の絶対湿度が、外気の絶対湿度よりも多ければ、除湿が出来ますが、外気の絶対湿度よりも少なければ、逆に加湿してしまいます。

 

 カライエの排湿量ばかりに気が向いていて、入って来る外気のことまでは考えていませんでした。

 カライエの除湿効率は、より少ない排気量でかつ絶対湿度を高くして、いかに湿気を濃縮するかにかかっています。

 

 肝心の除湿効果ですが、当初の目標である床下の相対湿度60%は達成できませんでした。

 しかし、昨年の様に床下冷房をしていた時と同じ相対湿度70%以下にはなっています。

 「夏でも床下を暖めたい」という目的だけは達成できました。

 

 これで性能限界なのか、故障して正常に機能していないのかを、一応カライエの製造元のダイキンに問い合わせましたが、現地調査しないと分からないので調査をお勧めしますという回答でした。

 しかし、これで正常な様な気がします。

 

 排気量を減らせば除湿能力が上がる可能性があるので、小屋裏よりも負圧の大きな空調室に移すことを考えています。