床下エアコンを考えてみる(最終回) | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 床下エアコンへの興味は尽きませんが、春になって暖かくなってきましたので、そろそろ終わりにしたいと思います。

 

 床下エアコンでは床下に流れる気流を考慮してエアコンの設置場所を考えることが重要だと言われています。そのためには気流の障害になる基礎の立ち上がりを減らすこともあります。

 

 しかし、床下エアコンの記事を見たり、コメントをしたりしているうちに、床下の気流を考えた設置場所にするのはそれ程重要でないのではないかと思うようになりました。

 それは、床面の気密を確保して床下空間がチャンバーとして働けば、床の吹き出し口を適切に配置して、開口面積を調節すれば良く、エアコンの設置場所や基礎の形状はそれ程大きな問題ではないのではないかということです。

 

 それよりも家の中で一番暖めたい場所に設置するのが重要ではないかと思います。

 

 それでは5段階で設置場所を順位付けしてみます。

 

 浴室:4 裸になる場所だが、お湯があるので少し順位が低い。

 脱衣室:5 裸になる場所。ここが寒いのは一番つらい。

 洗面:4 朝起きて薄着で使うことが多い。

 トイレ:3 一部肌を露出するが、暖房便座が付いていることが多く、部屋が狭いので人の発汗で湿度が上がり体感温度が高くなる。

 キッチン:3 コンロなどの熱源があるので、床が冷たくなければ良く、それ程暖かくなくても良い。

 ダイニング:3 食事をすると人間の体は温かくなる。

 リビング:3 人がくつろぐ場所だが、南向きで冬の日中は日射取得が望める場所なのでそれ程暖かくする必要はない。別途エアコンを設置することも多い。

 寝室:2 温度が高いと寝苦しくなるので、少し温度が低い方が良い。

 客間:2 常に人が居る場所ではない。別途エアコンを設置することも多い。

 玄関:1 通常、人が居る場所ではなく、寒い屋外との繋がりが深い場所。

 

 まとめると、

 5:脱衣室

 4:浴室、洗面

 3:リビング、キッチン、ダイニング、トイレ

 2:寝室、客間

 1:玄関

となります。

 

 結果、床下エアコンは脱衣室付近に設置するのが良いことが分かりました。

 

 注意しないといけないのは、「5」と「1」の温度差は最大でも5℃だということです。

 私の感覚では、「5」が25℃、「4」が24℃、「3」が23℃、「2」が21℃、「1」が20℃です。

 

 この中で浴室とトイレは部屋の中には吹き出し口を付けずに、隣室に吹き出し口があれば良いです。

 

 この様に順位付けしてみると、家全体を均一に暖める必要はないことが分かります。

 

 床下エアコンというとリビングに設置するものだと思っていました。というか以前は、リビングぐらいしか暖められないだろうと思っていました。

 しかし今は、家全体を快適に暖めることが出来て、しかもローコストな暖房設備だと思っています。

 

 最後は大阪的にまとめてみたいと思います。

 

 床下エアコンは脱衣室の近くに置くのがええんちゃうかな。

 知らんけど。

(床下エアコンの施工経験のない者の考えですので、十分にご注意ください。)