床下エアコンを考えてみる(最終回の注意書き) | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 前回の記事は、床下エアコンシリーズの「最終回」にしましたが、記事を読み返して「知らんけど」の程良い無責任度からは少し超えているように思いました。

 というのは、給気のことに焦点を合わせるために、あえて還気(リターン)については触れなかったのですが、給気と同じぐらい還気が重要なのです。

 還気を考えずに脱衣室に床下エアコンを設置して後悔する方が出ない様に、追加の記事を書くことにしました。

 

 給気した空気はどこかに消えてしまう訳ではなく、必ず戻って来るので、給気と共に還気(リターン)も考えておく必要があります。

 

 前回の記事で床下エアコンは脱衣室の「近く」に設置するのが良いと言いましたが、床下エアコンを脱衣室に設置した場合、家中に給気した空気が全て脱衣室に戻ってきます。

 特別な仕組みがなければ、脱衣室に還気が入って来るのは大抵ドアのアンダーカットになるので、この様な狭い隙間から空気が入って来ると風速はかなり速くなって、これが裸になった体に当たると非常に寒く感じてしまいます。

 

 

 暖かくするために脱衣室に設置したはずの床下エアコンが仇になって、脱衣室が非常に寒い空間になってしまうかもしれません。

 

 この様にみれば、床下エアコンを脱衣室の様な狭い部屋に設置するのは良くないのかもしれません。これが床下エアコンは広いリビングに置かれることが多い理由かもしれません。

 

 前回の記事で「近く」と書いたのはこの様な理由からです。

 

 風が当たって都合が良いのは洗濯物を干す場所です。脱衣室の隣に洗濯室を設けて、洗濯物を内干し出来る様にすれば如何でしょうか。

 例えば、各部屋の天井に排気口を設けて、天井裏を通してこの部屋に還気すれば効果的ではないでしょうか。うまくいけば、床下エアコンが冷房にも使えるかもしれません。

 しかし、これも洗濯物の湿気が床下に吹き込まれてしまい、具合が悪いかもしれません。

 

 床下エアコンというのは単純そうに見えますが、施工経験の積み重ねでいろんなノウハウを蓄積して出来るものだと思います。