遮熱①軒の出 | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 南側の軒の出は夏の遮熱と冬の日差しを考えた深さにしています。

 軒の出が深いと、夏は十分に遮熱が出来て涼しいですが、冬に日差しの取り入れが少なくなり寒くなります。軒を支える柱が必要になることもあり、追加で費用が発生する場合があります。外観はどっしりとして落ち着いた感じになりますが、室内は薄暗くなってしまいます。どちらかというと夏向きの設定です。

 逆に軒の出が浅いと、冬は日差しが部屋の奥まで届いて暖かいですが、夏に窓から直射日光が入って暑くなります。また、ウッドデッキや軒先に干した洗濯物に雨がかかり易くなります。部屋が明るく、暖かいので、冬向きの設定です。

 この家はどちらかといえば、軒の出を少し浅くして冬に十分な日差しを確保して、Q値が良くなるようにしました。完成してから気付いたのですが、冬は窓ガラスの上端よりも上に日が差しており、もう少し軒の出を深くしても良かったかなと後悔しています。

 5、6、7月は太陽高度が高いので軒の出で直射日光が遮られて室内の温度上昇を防げますが、月は太陽高度が低くなるので、軒の出だけでは遮熱できません。

 また、東側は朝日が、西側は夕日が入るので、軒の出や庇はあまり役に立ちません。ここは外付けブラインドで対応することになります。ペアガラスで日射光をカットすることもできますが、冬に日差しを取り入れて、夏はカットするなどと都合よくはできません。

 軒の出に関してはずいぶん悩みました。雨が降ってきても洗濯物が濡れないようにしたいし、日差しはたくさん取り込みたいし。母はウッドデッキに雨がかかることを気にしていました。

 工務店からは日射の図面に承認印を押す様に求められました。それだけ選択の幅が広く、トラブルも多いということでしょう。