基礎の蓄熱効果 | ヒートショックのない家を建てる

ヒートショックのない家を建てる

高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 建物の中で一番熱容量の大きいのがコンクリートでできた基礎です。この基礎の大きな熱容量を使わない手はありません。

 熱容量が大きいということは、たくさんの熱を蓄えることが出来る、つまり蓄熱効果が高いということです。床下は基礎の蓄熱効果のおかげで、温度は一定に保たれます。床下に給気する温風に多少の温度変動があっても、この蓄熱効果によって床下で吸収され、居室に給気される温風の温度は一定に保たれます。

 その反面、床下の温度を上げて安定するまでには3日ほどかかります。逆に、エアコンが止まって床下に給気される温風の温度が下がっても、すぐには床下の温度は下がりません。

 この特性は、床下から居室に吹き出す温風の温度を一定に保つのに役立っています。

 また、昼間の日差しで温められたリビングの空気を床下に吹き込んで基礎に熱を蓄え、夜間の気温が下がった時は基礎の熱を各部屋に放出して温めることが出来るため、昼夜の寒暖差をある程度吸収する効果があります。

 今の断熱の主流は基礎断熱ではなく床断熱ですが、床断熱では基礎の大きな熱容量は使えません。これはもったいない話です。