紗季はしばらく私の お っ ぱ い を揉んだ後、
「……美羽のいちばん美味しいところが……ほしいな……」
私から降りて、無理やり私の股を広げて お ま ん こ を覗き込み、視線で撫でた。
それから弄ぶように、指を 割 れ 目 の筋に這わせた。
口調が恥ずかしそうな割には、やることは大胆だ。
たぶん、性格的には内気なのだけど、意を決して口にしてしまえば後は無我夢中、というタイプなのだろう。
だけど……美味しいところって言ったよね。
何をする気なの!?
「友達の味と匂いは知っておかなくちゃ」
紗季は顔を お ま ん こ に近づけていった。
やっぱり、舐める気なんだ!!
「だめ! 洗ってないから、今日はやめてっ!」
ここまで進むとは想像していなかったから、もちろん洗っていない。
汚いままの お ま ん こ の匂いを嗅がれるなんて、あってはならない。
恥ずかしすぎて、会わせる顔がなくなる。
絢ちゃんにも嗅がれただろうけど、あれは レ イ プ だからしかたがない。
「匂いを気にしてるんでしょ? 大丈夫。私、そういうのあんまり気にならないから……というか、どっちかというと、洗ってないほうが好きかも。女の子のは初めてだけど…………きゃっ! 私、すごく変なこと言っちゃった! うええん、変 態 だと思わないでね!」
紗季は照れ隠しをするみたいに、一気に激しく、たぶん絶大に恥ずかしい匂いを放っている 割 れ 目 を指で広げて舌を這わせた。
「いやっ! さっき、絢ちゃんも舐めたんだよ! 絢ちゃんの唾もついてるよ!」
「あ、それも大丈夫。気にならないから」
これで妨げるものがなくなり、紗季は舌を何度も何度も往復させた。


「あ、あ、あっ、あぁ、あん、あ、あ……」
ヒ ワ イ な声が止まらない。
このまま音声の永久機関になってしまいそうな気さえした。
紗季は匂いや味の感想は言わないけど、お し っ こ を少し漏らしてしまった感覚もあった。
恥ずかしい。
恥ずかしくなくなるには、紗季も同じレベルに昇華させないといけない。
私は全身を ぴ く ぴ く 波打たせて喘ぎながらも、なんとか力を振り絞って身をよじり、時間をかけて半回転した。
シ ッ ク ス ナ イ ン の体勢。
この形だと蛇が見えないから落ち着けた。
「わぁ、きれい!」
思わず声に出してしまった。
たくさん使っている可能性が大きいのに色の薄い、きれいな お ま ん こ が眼上にそびえたから。
あ、でも……たくさん使ってるといえば、私だって毎晩の オ ナ ニ ー で酷使しているのだから一緒か。
なんて、今はそんなこと、どうでもいい。
紗季の ぷ っ く ら と形のよいお尻を抱えて、お ま ん こ を舌で攻めた。
と ろ ん と ろ ん に溢れている甘い蜜を、白々しいほど音を立てて啜った。
初めて舐める、自分以外の 愛 液 は不思議な味がした。
まさに 媚 薬!
舐めた 愛 液 がそのまま私の お ま ん こ から漏れ出すみたい。
鼻でも攻めた。
ほとんど無臭だった。
「あっはっは、私はさっき洗ったばっかりだから汚くないのだ!」
意外な、珍しい、貴重な、紗季のおどけた口調!
初めて接するもう一人の紗季。
たぶん私だけに見せてくれた、開かれた姿。
この紗季だけは永遠に独り占めしたいと、切に願った。

*******


ふわっ、と、紗季が飛び込んできた。
重なり合ったまま、何もない、柔らかな空気以外は温度もない空間にゆったりと投げ出された気がしたけど、すぐにベッドに着地した。
私の上に、ぴったりと紗季の体。
唇には、紗季の唇。
すっかり私の鼻になじんだ、汗っぽい匂いと顔の匂い。
ベッドからも紗季の匂いが立ち込め、私をくまなく包む。
それらを嗅ぎながら、唇の感触を確認しているうちに、いつしか舌と舌が触れ合い、甘い味を醸していた。
すべてが溶け混じり、私の舌が誰の舌で、触れているのがどっちの舌なのかさえわからなくなりそうな、心地よい混乱。
私は二人のものになった舌を、蜜を啜るように味わった。
クリーム状になった唾液がお互いの口を行き来した。
流れ込んでくる唾液を時々飲み込んでは、紗季の分泌物が私の体の一部になる喜びに打ち震えた。


あの雨の日、お っ ぱ い に触る許可はもらっている。
背中に回していた手を、胸にすべらせた。
紗季の お っ ぱ い と私の お っ ぱ い の接着面をこじ開けるように剥がして、紗季の上体が浮いた隙間に手を突っ込む。
豊かで、柔らかい胸肉。
そおっと這わすと、掌にこりこりした感触。
乳 首 が硬くなっていたのだ。
私とのキスと 愛 撫 で、乳 首 がかわいらしく立っている。
愛しさがどんどん増してゆく。
紗季は体を起こして、馬乗りみたいな体勢になった。
腰の蛇の眼が私を見据えていてちょっと怖いけど、お っ ぱ い はもっと触りやすくなった。
私は手に力を入れて押すようにして、指を紗季の お っ ぱ い にずぶずぶ埋めた。
本当に柔らかい。
手が溶け込んでしまいそう。
紗季の お っ ぱ い に溶け込めるのなら、私の体全体がひとつの手になってしまってもいい、なんて馬鹿げたことさえ考えた。
手が胸肉と渾然一体になってしまう前に、掌を 乳 首 にこすりつけるように、動かした。
「あ!」
紗季がぴくんと震えた。
相当感度がいいのだろう。大きな声。
唾と、熱い吐息の塊が私の鼻に落ちてきた。
「あはは、やっぱり声を出した♪ 今度 お っ ぱ い に触られても静かにしとくって言ってたくせに。相合傘をした日に」
紗季は一瞬意味がわからなそうに首をかしげたが、すぐにあの日の会話を思い出したらしく、
「……びっくりしたんじゃないの……今のは、うれしかったの。触られてうれしかった」
ますますかわいい。
私の愛情でもっと大きく柔らかく膨らめ!
気持ちよく、おいしそうに!
私は祈りながら、丹念に揉みしだいた。
「気持ち……いい?」
聞くまでもなく、気持ち良さそうなのは見てわかるけど、紗季の口から肉の歓喜の言葉を漏らさせたくて、尋ねた。
それは私の喜びが形になるのに等しいのだから。
「うん……きもち……いい……すごくきもち……いい……。美羽さんのも触りたい……」
私の股間の上に座っている紗季が、手をのばしてきた。
汗ばんだ掌が私の胸に触れた。
「“さん”なんて付けないで、美羽って呼んで」
「じゃあ、私のことも紗季って呼んでよ。名字だと、他人みたい」
そう言いながら、紗季が私の 乳 首 をつまんだ。
「あ、あぁぁっ!」
乳 首 が焦げそうな電流が波打った。
毎日自分でいじっているけど、こんな強いのは感じたことがない。
過去に一度だけできた彼氏との何度もの エ ッ チ でも、こんなには感じなかった。
紗季のやることなすことすべてが私にぴったり嵌まるのだと思う。
「美羽さ……じゃない。美羽のほうが声が大きい」
“美羽さん”と言いそうになり、慌てて言い直して、ふっと笑った。

*******


一時間しかないという焦りはあったけど、気軽に服を脱げるものではない。
学校で着替えたりする時には、たくさんの子たちとかなりきわどいところまで見せ合っているけど、そういう時とは状況も気持ちも違いすぎる。
一対一で エ ッ チ をする相手の体はまぶしくて、それに対して、私の体は粗末。
相手が誰であっても、たぶんそう感じてしまうと思う。
ましてや、紗季は胸も大きく、スタイル全体も絢ちゃんに匹敵するくらい素敵なことは服を着ていてもわかる。
脱ぐ前から気後れしていた。


胸がどきどきと大きく脈打つたびに私たちに与えられた時間が剥がれ落ちてゆくと思うと、気が気でない。
だけど、ボタンに手をかけることもできなかった。
「後ろを向いて脱いで、せーので同時に見せ合おうか」
小さな声でだけど、紗季が自然なきっかけを作ってくれた。
紗季は、しっかりしている。
私なんかより、ずっと。
新しい発見だ。
紗季に身を任せればいい。そう思うと、気が楽になった。


背中越しに聞こえる、衣擦れのさらさらという音に、耳も胸も あ そ こ も、いちいち反応してしまう。
馬鹿みたい、と自分を心の中で笑おうとしたけど、やめた。
今さら自分の中身を貶めることも飾り立てることも、無意味だから。


脱いだ制服と下着を足元に重ねて、
「脱いだ……」
私から、声をかけた。
「鞠川さんも……いい?」
「……うん……」
美しいスタイルをしてるって決まってるくせに、弱気そうな声。
さっきまでは紗季に身を任せる気満々でいたけど、紗季も私と一緒で緊張していることを知ったら、安心した。
理想は、私よりほんの少しだけ強い人。
あまりに私を超えすぎている人とだったら、疲れるだろう。
絢ちゃんの顔が思い浮かんだ。
紗季となら、いい関係を築けそうだ。


「じゃあ……いいかな? 見せ合うよ……せーのっ」
主導権は取りたくなかったけど、紗季が黙っているから、しかたなく私が合図を出した。
思い切って、跳ねるように半回転した私に対して、紗季は、緩慢な動作で、というより、決まり悪そうに振り向き……下腹部より下は、脱いだワンピースを当てて隠していた。
私は大きくて形のよい胸を確認した後、
「あぁっ、ひどいー! 鞠川さんも全部見せろー!」
隠し布を奪い取った。
そしてその刹那、目を疑った。
左腰から太腿の付け根にかけて、薔薇の花に巻きついて大きく口を開ける蛇が、白々しいほど鮮やかな黒で描かれていたのだ。
「……これ……本物……?」
「…………うん。本物。……彫ってあるの。…………びっくりした?」
「うん。ちょっとね。びっくりした。……でも、きれい。……かわいい」
蛇と薔薇だとはわかるけど、お世辞にも上手とは思えない絵だった。
たとえこれが上手だったとしても、紗季に似合うとは思えない。
でも、きれいでかわいい。
そうとしか言えない。
いざ服を脱ぐ時になって紗季がぎこちなくなった態度の理由は、これだったのだ。
関係を深めるためにはどうしても私に見せないといけないのだけど、私の反応が気がかり。
たぶんそれだけを懸念していたのだろうけど、解決した。
紗季の印象にそぐわないこれを、私は心を偽ってでも受け入れるしか道がないから、解決させたのだ。
途端に、紗季は饒舌になった。
「よかったぁ! これ見せるの、怖かったんだぁ。ね、かわいいでしょ♪ 尾波くんたちがお金出してくれたんだ。友達の印だよって」
尾波とは、紗季の金魚の糞みたいな取り巻きの中心人物。
「みんなも、これがあるほうがいいって言ってくれてるの。あるほうがかわいいし、興奮するんだって。彫ってよかったね、って」


……みんな?
興奮する?
取り巻きの男の子たちみんなが、こんな場所にあるTATTOOを見て興奮してるってこと?
友達の印?
自分たちの持ち物だよっていう刻印なんじゃないの?
しかも、たぶん安物の、刻印……


男の子たちと紗季の関係が、なんとなくわかった。
それでも私は紗季を嫌いにならなかった。
私がしっかり守ってあげなければ、と自分に言い聞かせた。

*******


あの雨の日、相合傘で送ったから、紗季の家は知っている。
私は後先考えず、ここに来てしまったのだ。
呼び鈴を押すのを束の間ためらっていると、私服姿の紗季が出てきた。
これ見よがしに胸元の緩い、薄桃色のワンピース。
大きなカバンを提げている。
ちょうど何処かに出かけようとしていたようだ。
目が合うと、紗季はびっくりしたように口を開けて、立ちすくんだ。
私は唯一の救いの女神にすがるように、
「鞠川さぁん……」
弱々しい、泣きそうな声。
こんなに弱そうな声は、たぶん出したことがない。
紗季の姿を見たとたん、いろんな感情がこみ上げてきて、収拾がつかなくなったのだ。
自分の恰好があまりにもひどいことに気がつかなければ、その場でむぎゅっと抱きついていたと思う。
「どうしたの? 服……汚れてるし、ボタンが取れてる。あ! 血もついてる! 大丈夫!?」
「ううん、なんでもない」
「なんでもないことないでしょ! 喧嘩したの? 誰にやられたの?」
そう。心配して!
もっと心配して!
慰めて!
私の痛々しい姿を気に留めて、頭の中で心配を反芻して、そこから恋心に発展して!!


「ねえ! 誰にやられたの!?」
「絢ちゃん……篠田絢ちゃんに……襲われそうになったの」
私は真相を語った。
「そっか。あの人、レ ズ っぽいからね。やっぱり美羽さんを狙ってたんだ」
「わかるの?」
「わかるでしょ。美羽さん、わからなかったの? ずっと一緒にいるのに?」
「……うん……私は、鈍いから……わからなかった」
そう。
鈍い私は気づかずに、絢ちゃんをじらし続けていたのだ。
絢ちゃんの気持ちに気づけるだけの鋭さがあれば、今こうして紗季と話をしていないだろう。
紗季なんか眼中になく、たぶん、ほとんど毎日、絢ちゃんと……いちゃいちゃと……
情景を想像したとたん、おぞましさがこみ上げてきて、身震いした。
ちょっとだけ想像してしまった情景、絢ちゃんとの親密を越える触れ合いは……絶対に実現することがないと確信した。
絢ちゃんとは……。


「怖かった?」
紗季が子供に語りかけるように、尋ねた。
「うん……」
「かわいそうに」
紗季は私の額を撫でて、前髪を直してくれた。
そして、
「私でも……怖いかな……?」
私を射抜くように見据えているけど、目には微かな怯えが感じられた。
その表情は、心が純白に凍りついてしまいそうなほど美しかった。
「たぶん……怖くないと思う……あんまり……」
怖くないよ……。
だって……紗季と抱いたり抱かれたりしたくて、ここに来たのだから。
「ちょっと待ってて」
紗季が私から少し離れて、神妙な顔をして携帯に向かって何か小声で話した。
それから安堵した表情で戻ってきて、
「一時間だけ……時間ができたから、一緒にすごそう」
そう言って、紗季は私の袖を指先でつまんだ。

「あ、あっ、あ、あ、あん、あ、やめ、あ、あ、あっ……」
「ほら、ぐ っ し ょ ぐ し ょ。い や ら し い な ー。あたしが嫌いなのにこんなに濡れてるってことは、誰とでもできるんでしょ? ヤ リ マ ン なんだね。ずっと エ ッ チ な声も出してるし。あーあ、幻滅。こんなだらしない お ま ん こ の面倒みてあげられるのは、世界中であたししかいないよね。うん。そうだね、面倒みてあげる。まずは……舐めてあげようか! 気持ちいいよ!」
絢ちゃんは私を押さえつけたまま、もぞもぞと方向転換した。
「いやっ! やめてっ!」
絢ちゃんのスカートが私の顔をふさぎ、真っ暗な世界に連れ去られたみたいに気が遠くなった。
真っ暗で、快 感 だけが支配する世界。
そしてそんな世界を確固としたものにするみたいに、新しい刺激が お ま ん こ に加わった。
熱い舌で、ぴ ち ゃ ぴ ち ゃ と大きな音を立てられ、舐められるたびに溶融と再生を繰り返し……
私の体全体が、絢ちゃんの唾液で生まれ変わるみたい。
私が、私でなくなる……
紗季と睦み合う資格のある私で、なくなってゆく……
それがいいことなのか悪いことなのかさえ、頭がかすれて判断できなかった。


「あたしのも舐めて。お互い舐め合ったら、もっと気持ちいいと思うよ」
絢ちゃんの声は上ずっていた。
興奮しているのだろう。
顔を覆う布地が荒々しく動き、視界が白っぽくなった。
紺のスカートが消え、代わりに白いパンツが見えた。
私の顔の上で絢ちゃんの 股 間 と脚がどたばた動き、パンツもすぐに視野から消えた。
おしっこみたいな匂いに鼻を刺され、隙間なくびっしり生えた 恥 毛 に網膜をくすぐられた。
間近で見る絢ちゃんの び ら び ら の大きめな お ま ん こ は湿っていて、い や ら し く、ひ わ ひ わ 震えていた。
性にだらしない私は、
……あぁん、舐めたいよぉ……
一瞬、そう感じてしまったことを、神様どうか紗季には内緒にしてください。
それを露見させないでいてくれるのなら、私は何でもできると思った。
私は絢ちゃんの お ま ん こ を……
お豆ちゃんに照準を合わせて……
少し前まで大好きだった絢ちゃんを痛い目にあわせることになるけど……
残念で悔しくて、悲しいことだけど……
拳骨でしたたかに殴りつけた。
「ひ、ぎいいい!!!」
絢ちゃんが飛びのいて、お ま ん こ を押さえて丸まって、のたうった。
その隙に私は逃げ出した。
絢ちゃんの罵倒の声はもう耳に入らなかった。

不意に、パンツがちぎれそうな勢いで下ろされ、“私と紗季のための”お ま ん こ に、冷たい指が侵入してきた。
「ねえ、こんなことしてほしいんでしょ? こうしてほしいって言って! 言って!」
刺々しくて金属的だけど、嘆願するような、すがるような、声音。
脅迫するような厳しい顔。
絢ちゃんは、どんどん私が描いていた絢ちゃんらしくなくなってゆく。
「もう遅いの! ごめんなさい!」
もう、絢ちゃんとの エ ッ チ はピンと来ない。
指も、しっくりこない。
あんなに憧れていた絢ちゃんなのに、たったの数日で劇的に色褪せてしまった。
これはたぶん、順番の問題。
発端は不可抗力とはいえ紗季とキスを交わしてしまうより前に、絢ちゃんが私に甘美な魔の手をのばしてくれていさえすれば、絢ちゃんの求めに応えることができていたはず。
私はたぶん未知の領域におそるおそる体を開くけど、その怯える気持ちも含めて楽しめていたはずだ。
でも、もう絢ちゃんとはできないと、わかった。
エ ッ チ をするなら、もう紗季しか考えられない。


絢ちゃんは私の お ま ん こ に入れた指をくねらせながら、なおも唇に吸いついてくる。
熱くて、変な脂みたいに湿っていて、虫唾が走る。
ぷ く ぷ く と厚みのある感触も紗季のとほとんど変わらないけど、なぜか気持ち悪い。
「やめてっ!!」
私は大きく頭を振った。
頬にがつんと痛みが走った。
「痛っ!」
絢ちゃんが小さく悲鳴を漏らした。
絢ちゃんの唇が横にざっくり切れて、玉のような血がにじみ出た。
これが絢ちゃんをさらに興奮させた。
「何するの! 友達に怪我させるなんて最低! 謝れ! あたしのものになれ!」
絢ちゃんの腕に力が加わり、ひどく苦しい。
背骨と肋骨が折れそう。
お ま ん こ に入れられている指の動きも速度を増して、ぐ っ ち ゃ ぐ っ ち ゃ と、ひっきりなしに恥ずかしい音がする。
音が突き刺さるたびに、紗季から遠くなってゆく気がする。
「いやっ! 絢ちゃんなんか、嫌いっ!!」
動転した私は、火に油を注ぐようなことを言ってしまった。
「美羽ちゃんのバカっ! 美羽ちゃんがそういう気なら、許さない! レ イ プ してやる! 美羽ちゃんが悪いんだからねっ!」
絢ちゃんが私の脚を払い、私たちは絡み合ったまま崩れた。
コンクリートの床に背中とお尻を打ちつけ、火花のような痛みを感じた。
絢ちゃんは私に覆いかぶさり、組み敷いた。
「あたしが嫌いなら、どうして濡れてるの? バカじゃない? 淫 乱 っ!」
絢ちゃんは私の顔に唾を吐きかけ、その上から ね ち ね ち 舐めた。
その間も お ま ん こ をいじる指を休めることなく、私は溶けそうになる。
「指が三本入ってるよ! まだ入りそう。い や ら し い 子! あたしの恋人になれば、いくらでも気持ちいいことしてあげるのに」
言葉責めが相乗効果をもよおし、ついに私は 喘 ぎ 声 を漏らした。
「いや、やめて、あ、あ、あっ、あ、あっ、あ ん、ダ メ っ、あ、あっ、あ、あ……」
無理矢理やられているとはいえ、紗季を裏切る声。
自分の吐く声が針のように胸を刺した。
一声一声、紗季が霞んでゆくが、ひとたび漏れ始めた声は止まらない。

*******


翌日。
絢ちゃんは朝から思い詰めている様子だった。
表情が沈んでいて、怖かった。
終日、近寄りがたい雰囲気がやわらぐことがなかったので、私は重い気分で一人ですごし、長い長い時間を経て放課後になった。


「美羽ちゃん、話があるんだけど。ここでは無理だからついて来て」
今日はじめて私に向けられた声は、不穏な響きを宿していた。
背中から冷気をにじませている絢ちゃんに先導され、校舎の屋上に連れて行かれた。
絢ちゃんは屋上でしばらくふらふらと円を描くように歩いていたが、やがて私とちょっと距離を開けて止まり、私を射すくめるように見つめた。
「昨日、美羽ちゃんが帰った後、美羽ちゃんの様子が変だったから……気になって、パソコン室に行って、美和ちゃんが昼休みに使っていたパソコンのインターネットの履歴を見たの」
昨日、嘘をついたことがバレていたのだ!
それだけでない。私が何を見ていたのかも!
「それを見て、びっくりした。というか、やられたー!って思った。レ ズ に興味があるって知ってたら、もっと早く打ち明けてたのに。誰かさんに取られる前に」
そう言いながら私との隙間を一歩一歩詰めて、目をとろーんとさせて寄りかかってきた。
「あたしを抱いて、キスして! ……それとも、抱かれたいほう?」
「絢ちゃんやめて! 私、そんなのじゃないの!」
私は絢ちゃんを突き放した。
ちょっと前まではあんなに恋焦がれていた絢ちゃんが迫ってくれているのに……。
絢ちゃんはすねたような顔をして、
「教えて。鞠川ならいいの!? あたしじゃなくて鞠川ならいいの!?」
「そうじゃないけど……もう遅いの」
「遅いって……なにそれ? 納得できない! あたし、前からずっと、美羽ちゃんと友達以上のことをしたかったのに。でも、嫌われるのが怖かったから、美羽ちゃんが レ ズ に耐えれそうか、いろんな合図を出して確かめてたんだよ! レ ズ が好きならあたしを選んでよ! 美羽ちゃん、最近まで鞠川なんかと別に仲良くなかったよね? あたしはずっと友達だったのに、どうして鞠川なんかに負けないといけないの!?」
絢ちゃんの目から大粒の涙がぽろぽろこぼれた。
確かに、絢ちゃんはパーソナルスペースが狭くて、密だった。
顔を極端にくっつけてきたり、肩や腕をやたらに触ってくれたり……あれは合図だったの?
どこまでなら拒まれないかの調査だったの?
「私は鈍いから、はっきり言ってもらわないとわからないよ」
「じゃあ、今、はっきり言う! 美羽ちゃんが好き! 大好き! 友達としてだけじゃなく、エ ッ チ な意味で好き! 美羽ちゃんがほしい! エ ッ チ なこと、いっぱいしたい! お願い!」
懇願しながらも、私の答えなど待っていない。
私は抱きすくめられ、唇を奪われた。
「やめてっ!」
私は必死に身をよじるけど、絢ちゃんのほうが背も高くて力も強い。
絢ちゃんは片手を離したけど、それでも振りほどけなかった。
紗季よりも甘い匂いが私を取り囲み、全身をちくちくと刺す。
すごく甘いけど、怖い匂いだ。
熱っぽすぎて、穢らわしいとさえ感じた。
紗季の醒めた緊張感をはらんだ匂いが恋しいと、はっきり思い知らされた。

*******


ベッドの半分は紗季のもの。
だけど、すぐに境界が曖昧に溶け合う。
紗季と重なる。
見えないだけで、紗季はここにいる。
私の肌に、実感があるのだから。


自分の手の甲を紗季の唇に見立てて、吸いつき、舌を強く押しつける。
口の周りが唾でべちゃべちゃになる。
本物のキスみたいで陶然となる。
うつ伏せから、お尻を突き上げる。
湿った お ま ん こ が、窓を閉め切ったため淀んでいる空気に触れる。
早く触ってと、私を急き立てる。
顎と胸と膝で体を支えて、両の手で感じやすい部分を 愛 撫 する。
片手は お ま ん こ。
こころなしか、絢ちゃんを思い描いていたときと感じ方が違う。
もう一方の手で、お尻から太腿にかけてをねちねち撫でる。
絢ちゃんより繊細だ。
「……あ……紗季…………あ、あぁっ……」
紗季の名前を声に出してみた。
名前を呼んだだけなのに、ただの音の響きにすぎないのに、お ま ん こ の奥深くに訴えかけられる。
我慢できずに指を入れた。
紗季が乗り移った指。
男の人のものが入るのより気持ちいい。
「あ、あん、あん、あっ、あん、あん、あ ぁ ん、あっ、あっ、あっ、あっ……」
ケダモノすぎてごめんなさい……。
でも、これが私なの、あ、あっ、あっ……あ ぁ ぁ ん、気持ち、いいぃぃ…………


行為を終えた後のベッドは惨憺たるもの。
二人分の 愛 液 をたっぷり漏らしたみたいにシーツが ぐ っ し ょ り 濡れていて、私はあはははと力なく声に出して笑った。
そしてすぐに、切なくなった……。