10月26日(火)7時57分配信 産経新聞

 ■食料配給と間違われ/過酷な猛暑と水不足

 今年7月から洪水被害に見舞われているパキスタンに、救援活動のため8月下旬から派遣されていた大阪赤十字病院(大阪市天王寺区)の職員3人が今月初めまでにそれぞれ帰国。現地の惨状や被災者とのかかわり方、今後の救援活動の課題などについて語った。

 7月下旬の季節風の影響による大雨で、パキスタン北西部から南部に洪水被害が拡大。これまでの被災者の数は国民の1割にのぼる2千万人ともいわれ、海外からの救援活動が今も続いている。

 大阪赤十字病院からは3人が現地へ駆けつけた。臨床検査技師の喜田たろうさん(44)と看護師の河合結子さん(33)は南部で約1カ月間、被災状況を調べたり、外来診療や予防接種などの医療活動に従事。事務の無津呂昌代さん(37)は首都・イスラマバードで約2週間、派遣スタッフとの連絡調整員として支援にあたった。

 喜田さんは「堤防が決壊して道路は寸断され、町が濁流の湖に沈んでいた」と惨状を語る。「初めは医療のニーズが低く、現地調査をしていると、食料の配給と勘違いした群衆に囲まれた。『議論ばかりせず、食べ物を持ってこい』と怒り出す被災者もいた」と支援の難しさについて語った。

 猛暑にも悩まされた。9月上旬まで午前中でも気温は40度に達したという。河合さんは「水が行き届いていないので衛生状態が悪く、下痢や熱中症、脱水症状を訴える人が相次いだ」と明かす。

 河合さんは数千人が集まる避難民キャンプで診察した際、「暑さとイスラム教の断食が重なって現地スタッフが疲れて集まらず、ジェスチャーで患者と向き合ったこともあった」と訴えた。

 無津呂さんは「派遣メンバーを無事に入国させ、いかに早く移動手段を調達するかに腐心した」。当初、外国人スタッフから「連絡調整員などいらない」と、拒絶されたが、しだいに信頼されるようになり、帰国時には感謝されたという。

 国際赤十字では支援金63億円を計上、今後18カ月間にわたる緊急救援計画を打ち出した。喜田さんは「農業への影響や心のケアといった長期的視点に立った支援が必要になるだろう」と話している。

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10月23日(土)19時44分配信 読売新聞

 改正臓器移植法の全面施行で移植機会が増えていることを受け、日本移植学会は、移植患者(レシピエント)の精神面のケアなどを受け持つレシピエント・コーディネーターの学会認定資格を来春にも新設することを決めた。

 今後、資格試験の内容や教育カリキュラムなどを策定していく。

 臓器提供者とその家族のコーディネーターには、日本臓器移植ネットワークや自治体などの専任者がいるが、レシピエント・コーディネーターの多くは移植施設の医師や看護師、臨床工学技士らが兼務。改正法施行後、これまでに16人から臓器が提供され、同コーディネーターの役割の重要性が増している。

 教育カリキュラムでは、患者の生活面の助言や待機期間中の精神面のケア、移植後の服薬指導などを中心に学ぶことを検討。同学会広報委員長の相川厚・東邦大教授は「国内で移植医療を発展させるには、質の高いレシピエント・コーディネーターの確保は不可欠だ」と話している。

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10月21日(木)22時59分配信 医療介護CBニュース

 民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」(会長=藤井裕久・元財務相)は10月21日、衆院第一議員会館内で3回目の会合を開いた。この日は、政権交代前の自公政権が取り組んだ社会保障制度改革のうち、医療・介護のサービス給付の在り方について集中的にディスカッションした。議員からは、自公政権が行った医療・介護費についてのシミュレーションや、それを基に描いたサービス提供体制の将来像を「不十分」とし、「コンセプトは踏襲せず、改めて設定すべき」との意見が上がった。

 この日はまず、厚生労働省の担当者が、医療と介護の基本的な法制度や、それぞれの分野が直面している課題について説明した。この中で担当者が強調したのが「医療・介護の効率化と機能強化の必要性」で、効率化の要素としては、▽医療資源の集中による急性期の在院日数短縮▽医師・看護師などの医療従事者の役割分担見直し▽個人の希望を踏まえた、施設から在宅ケアへのより大胆な転換―などを挙げた。また、機能強化すべき要素としては、▽在宅医療や介護の充実、高齢期の住居保障などによる老後の安心▽雇用や子育て支援などによる、現役世代への給付拡充―の2点を挙げた。さらにこうした観点から、自公政権が行った2025年までの医療・介護費用のシミュレーションを示した。

 菅川洋衆院議員は「療養型を減らすことで、入院患者たちはどうなるのか」と率直な疑問を呈した。これに対し厚労省の担当者は、「今後の改革の流れの中で考えていく」と前置きした上で、「サービスを受けられず、行き場のない医療難民や介護難民だけは出さないようにしたい。ただ、今の療養型の非効率的なサービスの供給体制を適正化すれば、トータルでのサービス供給量は増えると考える」と答えた。
 福田衣里子衆院議員は医師不足対策としての医学部新設について、「長期的には医師数がダブついてくることも考えなければ。ただ大学に医学部を新設し、増員を図ることだけが大事なのか」と指摘。これについて厚労省側は、「確かに医療界には、教育のために教員を確保することが、より現場の医師不足につながるなど、慎重な意見も多い。所管の文部科学省とも協力して考えたい」とした。
 また山崎摩耶衆院議員は、自公政権のシミュレーションを「不十分」と断じ、「新たなシミュレーションを行う猶予がなくても、少なくともコンセプトは踏襲せず、改めて設定すべき」と述べた。

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