12月6日(月)10時46分配信

 インターネットに接続していない家庭や地域での遠隔医療システムを開発しようと、東北大加齢医学研究所の山家智之教授(心臓病電子医学)らの研究グループは、沖縄県の宮古島で携帯電話などのモバイル通信を活用した実証実験を始めた。医師が少なく通信環境に制約のある離島での実験を通じて、地震の災害現場をはじめ、どこでも利用できるシステムの確立を目指す。

 実験は宮古島の在宅患者20人を対象に、11月にスタートした。山家教授と東北大サイバーサイエンスセンターの吉沢誠教授(生体制御工学)らの研究グループが企業と共同開発した小型の「電子診療鞄(かばん)」を活用する。鞄は血圧計や超音波診断装置、モバイル機器が一体化されている。
 電子診療鞄を持って患者宅を訪問した看護師が血圧や心電図などを計測し、患者のデータと動画を村内の診療所や東北大病院の医師に送信。医師は動画やデータを基に診察した結果を看護師に伝える。
 実験を通じて画像や通信の精度を高め、電子診療鞄の商品化や、モバイル活用の遠隔医療の普及を目指す。
 遠隔医療の通信手段としてはこれまで、インターネットやテレビ電話、通信衛星などの活用が進められてきた。しかし、ネットに接続していない場所では利用できないことや機器や環境整備にコストがかかることが、課題として指摘されていた。
 山家教授は「モバイル通信は低コストで、どこでも利用できるメリットがある」と説明。「医師が不足する中で、医療サービスの地域格差を解消する有効な手段となるほか、地震などの災害現場での活用も期待できる」と話している。

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12月2日(木)22時49分配信 医療介護CBニュース

 民主党政策調査会の「精神保健医療改革プロジェクトチーム(PT)」は12月2日、地域で生活する精神障害者への訪問支援(アウトリーチ)について、関係者からヒアリングした。出席者からは、アウトリーチを活用することで精神医療の大幅なコストダウンが図れるとの意見が出た。

 ヒアリングに出席したのは、包括的地域生活支援(ACT)を実施している「たかぎクリニック」(京都市)の高木俊介院長や、日本認知療法学会の大野裕理事長ら。

 たかぎクリニックで実践するACTは、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士などが多職種連携し、アウトリーチにより症状管理や服薬支援などを提供する仕組み。高木氏は、ACTによる効果として▽入院日数の減少▽症状の改善▽入院費用の減額―などを列挙。
 人口40万人で統合失調症の有病率を0.8%、入院者の割合を25%と仮定した場合、アウトリーチの導入により年間20億円以上のコストダウンを図れるとの試算結果も示した。

■精神障害者の支援「推し進めたい」
 政府の評価会議が1日、来年度予算概算要求の特別枠に盛り込まれた精神障害者アウトリーチ推進事業をB判定(予算を重点配分)に位置付けたのを受け、PTの議員からは、在宅や地域での精神障害者支援を「推し進めたい」といった声が上がった。

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2010.3.13 00:11

兵庫県佐用町の佐用共立病院で看護師が入院中の高齢患者の肋骨(ろつこつ)を折っていたとされる事件で、羽室沙百理(さおり)容疑者(26)=傷害容疑で逮捕=が動機について「患者が感謝してくれない」などと供述していることが12日、捜査関係者への取材でわかった。これまでに同僚との人間関係も理由にあげており、県警は、羽室容疑者が看護師の仕事にストレスを募らせていたとみている。
 県警や病院によると、羽室容疑者は平成18年9月から勤務。病院には20代の看護師は数人しかおらず、その他は40~50代のベテラン看護師が多いといい、「相談する人がいない」と話すなど、悩みを抱えていたとみられる。調べに対し、羽室容疑者は6人の肋骨を折ったことを認めた上で患者への不満を訴え、「看護師の仕事は自分に向いていないと思っていた」などと供述しているという。
 また、20年12月以降、患者骨折が相次ぎ、同病院が看護師らの聞き取り調査を実施。その際、羽室容疑者は第一発見者を装って報告していたためか、「第一発見者だから疑われるのですか」などと涙を見せながら話したが、関与は否定していたという。
 羽室容疑者の逮捕を受け、同病院は12日午後、殻内隆院長らが会見。懲戒解雇処分にしたことを明らかにし、「彼女に強いストレスがあったようで、フォローできなかったことについて反省したい」と話した。

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