頂法寺(京都市中京区) | 三日月の館

三日月の館

yahoo!ブログのアメブロ版です。

所在地  京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町248
山号   紫雲山
宗派   天台宗
本尊   如意輪観音(秘仏)
創建   伝・用明天皇2年(587)
開山   伝・聖徳太子

 

「六角堂」として親しまれている寺です。

 

イメージ 1

【六角堂】

紫雲山頂法寺と号する寺で、本堂が六角宝形造であることから、一般に「六角堂」の名で人々に親しまれている。
開基は聖徳太子で、四天王寺建立の用材を求めて太子がこの地を訪れた時、霊告によってこの地に御堂を建て、守護仏の観音像を安置したのが始まりと伝えられている。
早くから人々の崇敬を受け、弘仁13年(822)には嵯峨天皇の勅願所となり、また長徳2年(996)には花山法皇の御幸があり、西国三十三所観音霊場(現十八番の札所)となったと伝えられる。
建仁元年(1201)、親鸞聖人が当寺に100箇日間参籠して霊告を受け、後に真宗を開宗する根源となった。
本堂には、聖徳太子の持仏と伝える本尊如意輪観音像、親鸞像、毘沙門天立像(重文)などを安置する。
本堂前の六角形の礎石は臍石といい、古来、京都の中心に当たるとされてきた。
また、本堂北の本坊は池坊と呼ばれ、室町時代以降、多くのいけ花の名手を輩出した所で、華道発祥の地として有名である。
現在も池坊華道の拠点となっている。

京都市

 

烏丸通から寺名が由来になっている六角通を東進。

イメージ 2

すぐに南側に鐘楼が見えてくる。

イメージ 3

堀尾吉晴嫡男忠氏寄進の鐘楼堂。

イメージ 4

説明板。

https://livedoor.blogimg.jp/kanezane2/imgs/f/f/ff30f490.jpg

六角通を挟んで北側に境内がある。
①山門。

イメージ 5

②池坊中央研修学院講師作品。
「ウェルカム!六角堂へ」

イメージ 6

③狭い境内なので、山門を潜るとすぐに正面に本堂と六角柳が見えてきます。

イメージ 7

六角柳は、青々と茂った枝が地面すれすれまで伸びる姿から「地ずり柳」とも呼ばれている。
平安時代初め、妃との出会いを願っていた嵯峨天皇の夢枕に「六角堂の柳の下を見よ」とのお告げがあり、飛び起きてその場へ行ってみると、そこには絶世の美女がおり、妃に迎えたと云う。
その後、「六角堂の柳に願をかけると良縁に恵まれる」という噂が京の都に瞬く間に広まり、以後、この柳は「縁結びの柳」として人々に親しまれ、良縁を求める人たちのおみくじで鈴なりとなる。

イメージ 8

本堂を上から見る。
「わが思う心のうちは六の角ただ円かれと祈るなりけり」

イメージ 9

へそ石。
桓武天皇の延暦12年(793)京都へ遷都の時、六角堂の所在が道路の中央に当たったので天皇が遷座を祈願したところ、御堂がにわかに5丈ばかり北へ退いたと云う。
この石はその際に取り残された礎石と伝わる。
また、ここが京都の中心とも。

イメージ 10

手水舎で身を清めて本堂でお参り。

イメージ 11

ふれあい仏。

イメージ 12

本堂では伊達政宗から池坊への書状が公開されていました。

イメージ 13

う〰ん、読めん。

イメージ 14

現代語訳。

イメージ 15

本堂の周りを西側からぐるーっと廻ります。

イメージ 16

石不動と不動明王像。

イメージ 17

石不動。

イメージ 18

放水銃も六角形。

イメージ 19

④池坊中央研修学院講師作品。
「時の流れを貫くものが池坊にはあります。」

イメージ 20

わらべ地蔵たち。

イメージ 21

⑤北向地蔵。
京都御所を守るために北を向いている。

イメージ 22

⑥いけばな発祥の地の碑。

イメージ 23

説明板。

イメージ 24
【『池坊専応口伝』について】

いけ花発祥の地モニュメントの背景となっている文書は、『池坊専応口伝』の冒頭の部分です。
十六世紀の中頃、池坊家の祖先、池坊専応がその弟子に授けた花伝書で、「瓶に美しい花を挿すこと」と、池坊が伝える「よろしき面影をもととする」いけばなの違いを説いています。
川端康成氏はノーベル賞を受賞した時、「美しい日本の私」と題した記念講演の中で、日本美術の特質と伝統について述べ、この花伝書を引用して、いけばなが小さい瓶上に大きい自然を象徴するものであること、「野山水辺をのづからなる姿」を花の心として、破れた器、枯れた枝にも“花”があり、そこに花による悟の種がある――と解説され、各方面から注目されました。
池坊ではこの花伝書を『大巻伝』といい、いけばなの根本を示す花伝書として代々継承して、今も相伝を続けています。

 

境内の北側、三十二世池坊専好の立花。

イメージ 25

池の中に出土した六角堂の礎石。

イメージ 26

説明板。

イメージ 27

⑦華道家元池坊 次期池元 池坊由紀作品。
「時を超える花」

イメージ 28

聖徳太子沐浴の池跡に造られた池。

イメージ 29

池跡を示す井筒の周りを白鳥が泳ぐ。
京都のど真ん中に白鳥がいたとは…

イメージ 30

太子堂。

イメージ 31

境内の東側へ。
⑧池坊中央研修学院講師作品。
「もう一つの十六羅漢」

イメージ 32

⑨十六羅漢と六角堂御幸桜。

イメージ 33

合掌地蔵。

イメージ 34

⑩六角堂御幸桜。
開花時は花びらが白く、やがてピンクに色づく。

イメージ 35

もう終わりに近かったのでピンクでした。

イメージ 36

一言願い地蔵。

イメージ 37

⑪親鸞堂。
「夢想之像」と「草鞋の御影」を安置。

イメージ 38

参籠から叡山に戻る姿の親鸞の銅像。
親鸞が建仁元年(1201)29歳の時、毎夜叡山を下りこの六角堂に百日参籠し、95日目の暁の夢中に聖徳太子の四句の偈文を得て、浄土宗の宗祖とされる法然の専修念仏に帰依したとされる。

イメージ 39

奥に日彰稲荷社と、祇園社・唐嵜社・天満宮が鎮座。

イメージ 40

やがて日が暮れて行きました。

イメージ 41

今日は六角堂史上初の夜の特別拝観がありました。

イメージ 42

①山門。

イメージ 43

②池坊中央研修学院講師作品。
「ウェルカム!六角堂へ」

イメージ 44

③本堂と六角柳。

イメージ 45

④池坊中央研修学院講師作品。
「時の流れを貫くものが池坊にはあります。」

イメージ 46

⑤北向地蔵。

イメージ 47

⑥いけばな発祥の地の碑。

イメージ 48

⑦華道家元池坊 次期池元 池坊由紀作品。
「時を超える花」
と白鳥。

イメージ 49

⑧池坊中央研修学院講師作品。
「もう一つの十六羅漢」

イメージ 50

⑨十六羅漢と六角堂御幸桜。

イメージ 51

⑩六角堂御幸桜。

イメージ 52

⑪親鸞堂。

イメージ 53

ほの暗い境内に露地行灯が灯り神秘的でした。
さらに無料というのがいいですね!

イメージ 54

茶所へ。

イメージ 55

名物「へそ石餅」を売っています。

イメージ 56

最後に御朱印。

イメージ 57

中世には町堂として戦乱の舞台にもなったりしたのですが、今ではビルに囲まれ小ぢんまりとしている頂法寺でした。

 

京の寺(目次)へ戻る