もうこれしか無いでしょう・・。政府紙幣発行 | 若干蛇足

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月刊 沈黙の兵器より



★★ 「紙幣の起源」 と 「預り証モデル」 ★★


現代社会は「西洋文明」が世界を席捲し、特に経済や金融ではダントツのパワーを有していますから、ここでは ヨーロッパでの紙幣の起源についてお話します。(歴史的には最初の紙幣は中国で使われましたが) 過去のヨーロッパでも、おカネつまり通貨は、金貨などの貴金属が主流でした。貴金属は自由に創り出すことはできません。しかし中世ヨーロッパの支配者である絶対君主は、経済をコントロールするためにゴールドを創ろうと試みました。「錬金術」です。そのおかげで化学の礎は発展しましたが、ご存知のように本来の目的は達成できませんでした。
 ところが実質的に、その「錬金術」を成功させたグループがいるのです! 
当時の両替商や金細工師のグループです。

次の話をじっくりと考えてみてください:
 金貨など貴金属は、重すぎるし、扱いにくいし、持ち歩くには危険です。やがて金持ちの貴族・地主・商人は、その所有するゴールドを、両替商や金細工師に預けるようになりました。彼らは金持ちだし身元もよく知れているし、安全な保管場所をもっているし、要するに信用がおける存在だったのです。金細工師たちはゴールドを預かると、預り証を発行しました。
そのうち人々は、預り証の更なる便利さに気付きました。
買い物のたびにいちいち重たいゴールドを持ち出さなくても、支払先の相手もどうせ金細工師にまた預けるではないか? 金細工師は双方よく知っていたから、この預り証を決済手段として使えばチョー便利ではないか! 
こうして預り証が「通貨」として使われるようになったのです。

ところがやがて金細工師たちの方も、別の視点からある事に気付いたのです! 「ではこの在庫のゴールドを、金利を取って資金が必要な人に貸し出したらきっと儲かるぞ!」 「なんと、我々グループは、秘密で預り証を創りさえすれば、ものを買うことができる!」 金細工師たちは、在庫のゴールドの所有者ではない。だから真の所有者である顧客に無断でそれを貸し出す行為は横領にあたる。しかも、誰からも預っていない、つまり存在しないゴールドへの預り証を勝手に創るなんて行為は詐欺ではないか。(ゴールドペーパー商法の詐欺で告発された豊田商事事件を思い出して頂きたい) これらの行為がもたらす結果は、預り証の総額に相当するゴールドの現物が存在していない、ということだ。
 このために極くたまにではあるが、困ったことが起こった。顧客が何らかの理由で多額の預り証を持ち込んできて、預けていた大量のゴールドの返却を求めるときである。そういう場合には金細工師たちは秘密の連係プレーで協力し合って、ゴールドの現物を融通し合った。実は金細工師たちの手から一時的に離れたそのゴールドも、結局は回りまわって金細工師たちに帰ってくることは明らかだったのである。


貸し金への需要は常にあったので、金細工師たちは次に、預り証そのものを貸し出すことを思いついた。
 このことで3つのことが起こった。第1に、誰にどれだけの購買力を与えることができるかの決定権を握った。第2に、在庫に存在するゴールドよりずっと多くの預り証を発行したのだから、詐欺つまりインチキはさらに大掛かりになり、その秘密性はさらに高まった。そのため彼らは1776年5月1日に、史上最強の秘密結社イルミナティ(そのシンボルは米国1ドル紙幣の裏面に印刷されている)を設立した。第3に、銀行業が誕生した。
  こうして彼ら金細工師たちは、実質的な錬金術に成功したのです。えっ?解りますよね?、ゴールドというハードウェアは創れませんでしたが、それに代わる「紙幣」を創造できる立場になったのですよ!



銀行家は絶対君主や錬金術師が失敗したことを成し遂げた。通貨を創り出したのである。彼らは賢者の石を手に入れた。そして、その時代の中央銀行になった。 これは世界史を根底から変える出来事だった。新しい購買力の配分が政府の支配下にはない!、ということを意味したからだ。ヨーロッパの絶対君主は、このインチキを見破れなかった。お人好しにも、銀行家は大量のゴールドをもっているのだと信じた。政府が通貨を必要とし、しかしもう税金を上げられないとなると、銀行家から借りるしかないと考えた。
皮肉なことに、銀行家は絶対君主である王がやろうと思えばできることをしただけだった。紙幣の発行だ。銀行家は国家の政策に対する絶大な影響力を手に入れた。まもなく、誰が国を支配しているのかわからなくなった。旧約聖書には、借り手は貸し手のしもべとなると書いてある。王はしもべとなった。



日銀ではなく、国会が通貨を発行して、一般国民は原則無税
という、通常では非常識なアイデアも、むしろ当然と受け止めてもらえることを期待します。


無税国家モデルのコンセプトを次図に示します。



若干蛇足



★現状(図の左)
 国民から徴収する税金よりも、国家事業の方が大きいから、大きな負債を抱えて増大するばかり。 このままでは増税もやむを得ない。通貨は、日銀が発行している。
 (注: 図ではシンボリックに現金紙幣で描写しているが、そうではなく、信用創造を指す)

★無税国家モデル(図の右)
 
日銀を廃止して、国民の代表としての国会が通貨を発行(信用創造)する。
 一般国民は、原則無税とする。


この「無税国家論」を説明すると通常、「そんな事したらインフレになりますよ!」という反応が返ってくる。
では少しだけ具体的に内容をあげてみますと、
 ・通貨発行量はGDPの約5%とする(つまり約500兆円×5%=25兆円)
 ・年収3千万円未満の国民の所得税は無税!(金持ちは有税)
 ・消費税は廃止する
(以上でうまく絵を描けるのですが、詳細は後日に)


GDPの5%程度の通貨発行量であれば、年5%程度のインフレになる。(!?)
このため例えば、100万円を持っていた人の場合は95万円に目減りする。
この目減りした5万円が、実は税金ともいえる。
これはNHKと民放の違いに似ている。NHKは有料、民放は無料に思えるが、実は皆が買う製品に広告費としてオンされている。
 消費税が廃止されて消費を刺激し、5%という適度なインフレと円安は輸出企業を助けるだろう。


……いかがでしょう?。実現しようと思えば実現可能なモデルでしょう?  問題は、年5%程度のインフレですむのか?、とのご心配です。

 実は、通貨を発行量だけでなく、その購買力をどの分野に配分するかが重要で、それによりインフレになるか、あるいは全くならないかが決定されると筆者は考えています。この件に関しても後日のテーマとしましょう。


なおPHP研究所が同じく「無税国家論」を論じています。しかしその内容は、多くを民営化して小さな政府にしたら、政府歳出を最小限にできるから、無税に近いことが実現できるというもので、通貨発行は日銀のまんまなのです。これには別の意図を感じます。
筆者のポイントは、
日銀を廃止して、通貨発行権を国民(つまり国会)が手にしよう、という点です。


ちなみに、日銀は国の機関であると思う人がいたら、認識を改めていただきたい。
1889年に明治憲法発布、1885年に日本初の内閣が誕生、日銀はそれ以前の1882年に、ある欧州貴族の出資により資本金1億円で設立された民間組織なのです。1997年頃までは新聞の株式欄にも日銀株が掲載されていました。




蛇足


インチキシステムの中央銀行制度ですが、数百年を経て、やはり原点に戻る動きが世界中である・。まず、国債発行がダントツの日本がすれば良いのだが、国際的にまるで、プレゼンスのない政府(政権党・官僚)なので実施が難しい・。といっても法律的には2~3手直しすればすぐできる事ではある。予算の税収が半分しかない現状が一番現実的ではある。政府紙幣を予算の4分の1ぐらいだしてみればよい・。その前に政治・官僚・公務員システムの破壊が先と考えられるが・。




ベット・ミドラー イン・マイ・ライフ