ヴオルフガング・アマデウス・モオツアルトのコンサート・アリアの数あるうちの、その日本語版を適宜作成せんとす。
アリア「祈りまつらず、永遠の神に」K316
祈りまつらず、永遠の神に、
ことごと空を澄みわたらせとは。
されど我が哀しみに、わづかにも、
憐れみの光を給へ。
何ど、思ひ寄らめ、我が悩みに、
我れが恐れに、我れが胸に満つるを。
いづれか、熱きつまの愛と、
いづれか、母の心とを、知らざらば、
何ど、思ひ寄らめ。
アリア「あゝ矣、何ど我が云へる」K369
おゝ、酷たらしき、眺め矣。
おゝ、思ひ出で矣。おゝ、屍矣。
此(こ)を、我が云ふや、いみじくも、
なほ生けとや。
あゝ、何ど矣……
あゝ矣、何ど我が云へる、
そは悪しき悩み。
それ我が心を裂きぬ、
心乱れ、心乱れしむ。
あゝ矣、何ど我が、
あゝ、何ど我が云へる。
荒ぶる神や、むごくも、
呪はれのさま見せつ。
稲妻よ撃てとても、
天(あめ)の火や何ど。