アルバン・ベルクの「初期の七つの歌」の日本語版を作成せんとす。
原詩はパウル・ホオエンベルクとなり。こは、歌になるや否。
第七曲「夏の日」
とはなる青空よ、給へる日々は
過ぎ去るが、世の習ひ
夏の風吹き、時は流る。
今宵の風に帝よ
星の冠(かむり)を戴け、さきはふみ手に
浪々たりーまた浪曼たる国に。
おゝ心、如何んせん、夏の日の
高らかに歌ふ浪々の歌
深くもがな、深くもがなの思ひは。
夏野はそよげ、黙だせる胸の
言に出でざるは、その絵かの絵と
魅入れぬ、その心足らひに。