ベルク「初期の七つの歌」6アルバン・ベルクの管弦楽伴奏付き歌曲集「初期の七つの歌」の日本語版を作成せんとす。原詩はオットオ・エリヒ・ハルトレベンとなり。 第六曲「愛に満つ」 愛に抱かれて眠りぬ、我れら満ち足りて。 放たれし窓より聞こゆる夏の風よ、 さても我れらが寝(いぬ)る息吹きの安けきをば運べ 月明かり照れる夜に。 さてありて庭よりは微かにも忍び入れ 薔薇の香ぞ、愛満ちたるしとねに。 さてこそ与へしよ、我れらにこよなき夢を、 夢ぞ、酔へるが如くに、あやにあくがるゝ。