ハリー・ポッター論 謎のプリンス篇4 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

ダンブルドア校長はスラグホーンの記憶にヴォルデモートの秘密の鍵は隠されあらんと睨みて、ハリーと共に此れを解かんと図りぬ。

スラグホーンとは、一つには、我れの一つの戯画たるやも知れず、軽率に情報を暴露し、力に溢れて美しきもののコレクターなり。

そのスラグホーンはハリーの母、リリー・ポッターの思ひ出を語りて曰く。

水の入れる鉢に花の浮かべるを、日々沈みゆきつゝあるに、まさに底に至らんとするその時に、小さきうろくづに身を変へて躍動せり。

そは、美しき魔法なりき、やがて、うろくづは消え、鉢は空となりしその日、リリーは死したるとぞ。

我れ、これを聞くに、大日本帝国の軍部を想起せり、就中、石原莞爾はドイツ留学中に何者か見えざる者と対話しゐたると云ひ、その著書は預言と国際情勢とを語れり。

さて、ハリー・ポッターの献身は実りて、スラグホーンより重要情報を得るを得つ、そは、ヴォルデモートに闇の魔法の秘密を教へし記憶なりき。

その魔法とは、「分霊箱」なるものにして、殺人によつて魂の一部を物に宿らするによつて不滅の命を得んとするものらし。

しかして、ヴォルデモートは七つの「分霊箱」を作りて、まさに不滅に近づきゐたると云ふ。

こは、我れの「大日本教」に書きたる藝術作品として物に魂を彫り付けて、それの蓄積によつて魂の不滅を実感するなる論に準拠したるにやあらざらんか。

且つ亦た、ゲエテの「七つの封印」を匂はせて、ドイツの雰囲気をも醸さんとしたるものと思はる。

しかして亦た、七つの「分霊箱」とは、国際社会に於ける派閥の如きものを、或ひは意味したるやも知れず。