このタイトルの長いドラマ、なんのドラマかと思ったら、バンパイアのドラマだった。多分まだシーズン1は終わっていないのだと思う。エピソード5までしかオンデマンドにもなかったから。SHOWTIMEで放送中。タイトルの訳は、「正しい者を入れなさい。」True Bloodで知ったのだが、バンパイアというのは、家の中にいる人から中に入っていいよ、という許可がないと、家の中に入れない。それに関係しているのだろうけど、今一正確な意味は不明。このドラマの中に出てくるバンパイアたちも、普通の人に一旦家に入ってもらって、入っていいよ、と言われなければ入れない。その人が住んでいる家じゃなくてもいいらしい。泥棒に入るのでも、先に普通の人間に入ってもらって、それで入って、と言われれてから入るのだ。

 

主役は、このブログでも書いた、The Bridge (The Bridge Season 1, Part 1)でも主役だった、メキシコ人俳優のDemian Bichir。メキシコでは多分かなり有名な俳優さんなんだろうと思う。素敵なオジサマタイプの俳優さんだ。英語も上手。アクセントもあるけど、アメリカ人が聞くと、それが余計魅力的なんだろうと思う。ビチールがバンパイアの娘のお父さん役で、10年ぐらい前、娘が12歳のときにバンパイアになって以来、月に1度ぐらい生血を飲まないとならず、それを調達するために父親は人を殺さないとならない。殺されても誰も悲しまない人を探しては、こっそり殺して血を調達している。殺されても誰も悲しまない人、とは、ドラッグディーラーや、犯罪者、サイコパスなどだ。でも、どんな悪人でも、誰も悲しまない、というのは難しい。結局身内の人や、恋人などが突然いなくなった人を探し始めて、自分たちのことが発覚したら困るので、住む場所を転々としている。もうほとほと疲れてしまって、できるなら一箇所に落ち着きたい。それで、もともとの出身地に戻ってきたのだ。

あと、もう一つ点々とする理由は、治る方法を見つけるためだ。娘はあるとき突然バンパイアになった。何らかのウィルスなのではないか。病気なのではないか。それなら治療法があるはずだ。ということで、血が抜かれていた死体が発見された、というニュースを聞きつけては、その町に住みに行って、原因や、治療法を探すために引っ越しを繰り返してきた。でも、過去10年間、それらの犯罪はすべてバンパイヤとは関係なかった。ただの愉快犯、というか、サイコパスの仕業だったのだ。

もう疲れてしまった。この町でも最近目が光る人間が、夜人を狩っている、肉体がバラバラに引き裂かれて、血が抜かれている、という噂を聞きつけてやってきた。今回で最後にしたい。娘のエレノアもそれを望んでいる。

 

バンパイアを娘に持ったお父さん役、デミアン・ビチール

 

同じく主役が、エレノア。12歳のバンパイアだ。この状態になって10年ぐらいたつ。バンパイアは年を取らないから、エレノアはずっと12歳のままだ。

この子役、この前America's Got Talentで歌唱力抜群の子供歌手として出場していて、オーディションに勝ち抜いて予選まで行った子だ。なあんだ、もうこんな大役でドラマに出てたんだ。応援して損した、という気がしている人も多いだろう。もしかしたら、このドラマの放送時期と、AGTのと重なって、このドラマを見た人は、失望して、それで彼女に投票しなくなって落選したかもしれない。十分いい思いをしてるじゃないか、これ以上勝たせることないってことで。

ドラマに話を戻すと、始まったときから、なぜ彼女がバンパイアなのかはわからない。彼女も、父親もわからないのだ。もしウィルスなら、どこでうつったのか、いちばん重要なのが、誰からうつったのか、なのだが、それを見つけるというのが、このドラマのコアの物語だ。どこでうつったのかわからないので、誰、もわからない。ずっと前にバンパイアになったときはお母さんがいたけれど、ドラマが始まった時点では、お母さんはもういない。死んだのか。もしかしたら、エレノアが普通の食べ物を一切食べなくなって、人間の血しか飲まなくなって、それの調達をするうちに良心の呵責で死んでしまったのかもしれない。それもドラマの放送が続くとわかるかもしれない。とにかく、エレノアは母親が死んでとても悲しがっている。お父さんでは足りない、と思っている。お父さんもそれがわかっていて、つらい思いをしている。

外に少しでも太陽の光があると皮膚が焼けてしまうので、夜にならないと外に出られない。昼間は1日中カーテンをしていて、外から光が中に入ってこないようにしてあるので、エレノアも外を見ることができない。24時間、ずっと薄暗いアパートの中で過ごしているのだ。なので、エレノアは学校も行っていない。友達も一人もいない。

室内なら大丈夫なので、隣に住んでいる住民と、廊下で顔を合わせて口を利くようになった。隣には黒人の母子が住んでいて、子供の方は偶然、自分と同じ年の男の子だった。この男の子も学校でいじめられていて(なぜかわからない)、友だちがいなかったので、二人はすぐ仲良くなった。しかし、エレノアたちに都合の悪いことに、隣人のお母さんは殺人課の刑事なのだ。しかも、別れた夫はドラッグディーラーで、お父さんがこっそり呼び出して殺して、エレノアに血を飲ませてしまった。

エレノアのお父さんは、エレノアの初めての友達のお父さんを殺してしまったことが、隣人の刑事に知られるのではないかとびくびくしながら暮らすことになった。

でも、エレノアのお父さんも、この刑事さんも、とてもいい人達で、二人で話していても雰囲気が良い。

 

Eleanor. 12歳のバンパイヤ

 

同時進行で、同じ町のお金持ちの医者の息子もバンパイアだった。この医者は息子がバンパイヤであることをひた隠しにしていて、治療法がないか、屋敷の中に秘密の研究室を作って研究を重ねていた。しかし、この医者は癌になってしまって、死期が迫っていた。ずっと前に疎遠になってしまった娘に兄のことを託すために、娘を呼んだ。娘は父との関係はうまく行っていなかったが、父の血を継いで、有名な痛み管理の研究者だった。父親から家に呼び戻されて、父が癌で余命いくばくもないということを告げられ、死んでから息子のことが心配だから、自分の研究を受け継いでほしいと頼まれた。娘が家から出て行く前にどのぐらい兄のことを知っていたのかはわからない。娘は初めて、兄が人間の生き血を飲まないとならないことを知って、ショックを受けた。

彼女が家に戻って間もなく父が死んだ。兄のことは、彼女の責任になった。苦しんでいる兄を救うことができるか。彼女は兄の症状はウィルスが原因だと思っていた。どこかでウィルスに感染したのだと。彼女は研究を続けたが、彼女の研究室を維持し、研究を進めるにはかなりの費用が掛かる。亡くなってから父は借金を抱えており、家を抵当に入れていることが分かった。父は生前、元軍隊の男を雇って、ボディーガードや、荒仕事をやらせていた。この男は父や、父がなくなった今は娘にとても忠実だった。任期が終わってアメリカに戻ってきて、荒れた生活をしていたこの男を父は拾って、信頼し、仕事を与え、男は立ち直ったからだった。この男が、彼女が作った、兄に使う痛み止めの薬を、開発途中でもいいから売ったらどうか、と言った。父親も、自分が開発したバンパイヤの治療薬をストリートで売っていた、というのだ。「ここを維持するのはお金がかかりますからね。」と男が言った。娘は、父親がアメリカ全国を中毒にした、痛み止めの薬を開発して、今の莫大な富を築いたことを軽蔑していた。そもそも彼女が若いときに家を出たのは、父のそういったところを毛嫌いしたからだ。なので、自分も同じことをするわけにはいかなかった。しかし、早くお金を調達しなければ、この秘密の研究所も、研究成果も失ってしまうし、兄のことも、世間にバレてしまう。どうしようか?と娘は苦悩する。

ところで、この町では目の光る者が、夜 人を襲って血を飲む、という話は単なる噂ではなかった。これらの犯罪は父が、この忠実な男に託して、開発途中の治療薬を売って、お金を儲けていたからなのだ。この薬を飲むと、普通の人間でもバンパイヤのように、夜行性になり、目が光り、お腹がすくと理性がなくなって動物を襲って殺し、血を飲むのだった。目が光る、すなわち、夜でも目が見えるようになるのだ。だから今この町で急激に増えた殺人事件は、二人のバンパイヤによって起こされているのだ。

ちなみに、この息子の部屋には昔、彼がバンパイアになる前の写真がたくさん飾ってあった。その一つは、学校の何かの活動で、集団写真なのだが、その中には彼と、なんと、エレノアがうつっていた。どこでバンパイヤ病に感染したか、今はお互いが隠れているために、お互いバンパイヤになったことを知らないが、ここにヒントがある。このグループで、バンパイヤになったのは彼とエレノアだけなのか。

 

ここまで見た。

これからは、どこでバンパイヤになったのか、誰に、または何にバンパイヤにされたのか、元の体に戻れるのか、を解明していくのだろう。

 

見てて、名作とは思わないけど、面白いと思った。バンパイア物がばかばかしいと思う人は、どっぷりバンパイヤの話なので、面白くないかも。

 

隣に住んでいる親子。バンパイヤの話なので、昼間のシーンは少ない。