これは公式なサイトではなく、見たドラマの筋を忘れてしまった時や、新しいシーズンが始まる前に、前シーズンのあらすじを思い出すために書いている個人的な記録です。アメリカドラマが好きで、沢山見ているので、記憶を頼りに、個人の記録として書いています。また、観ながらノートのように書き留めている場合もあります。誤字誤り、記憶違い等、多々あると思います。出来事の詳細、固有名詞、出来事が起こった順番は間違っているかもしれません。複雑なストーリーは分かりやすく、または短くするために、変更、簡素化、要約しています。 書いて読み直しをせず、即公開している場合もありますので、誤字、ミスタイプが多くあるかもしれません。名前はすべてアメリカ式の読み方です。

 

 

長い間あいてしまったのは、引っ越しをしたからだ。引っ越しは2度とごめんだと思っていたけれど、結局また引っ越すことになった。同じ町のもっと広くて、子どもの学校に近いところに引っ越した。前のアパートに越したときは、子どもたちもまだ小さくて、大きなベッドルームに二人住まわせていたのだが、今は子供たちも高校生と大学生になって、さすがに一つのベッドルームに二人大きくなった子供を住ませておくことができなくなった。特に上の娘が大学に入って、家から通っているのだが、受験が終わって大学生活を楽しんでいる娘と、片やこれから1年間受験期を迎える下の娘が同じ部屋、というのはまずいだろう、と思い始めた。やはり上の娘は気楽そうに妹に話しかけている。下の娘は勉強に専念しなければならないのだが、姉が話しかけてくるのに楽しそうに応じてて、二人でずっとおしゃべりしているのが聞こえてくる。やはり引き離した方がいいだろう、と考え、引っ越すことにした。もともと子供の状況に合わせて引っ越しやすいように、わざと賃貸に住んでいる。下の娘が高校を卒業すれば、学校区は関係なくなるので、どこにでも住みたいところに住める。そうなったらいよいよ、次の引っ越し先は持ち家になるだろう。少なくともそれが希望だ。しかし世界で一番家が高いと言われているベイエリアに家を買えるのか。それはまた別の機会に書きたいと思う。

どうせ引っ越すなら、下の娘の学校に近い方がいいだろう、ということで、バスルームが2つあって、一人ずつ部屋があって、学校に歩いて通える、デュープレックスという、日本で言えば二世帯住宅のような、一階と2階に別々の家族が住んでいる家に引っ越した。というわけで、上には二人の小さい子供がいるアメリカ人家族が住んでいる一軒家に引っ越した。もう引っ越して2週間がたとうとしているが、やっと少しづつだがブログを書く時間ができるようになってきた。

 

 Elliot Alderson

 

Mr. Robotはしばらく前に続けてシーズン2と3を見た。ブログも少しづつ書いていたのだが、やはり見るスピードには追い付けない。とっくに見終わって、今はThe Affair(情事)というのを見ている。そのブログもいつか書くことができるかもしれない。

Mr. Robotはとても専門的で、難しくてうまく説明できるかわからなかったのだが、挑戦してみることにした。Mr. Robotは天才的ハッカー、エリオット・アルダーソンの話だ。複雑な話で、いろんな人に同時に、または過去、現在にさかのぼって物語が進んでいくので、どこからどうやって説明していいかわからない。シーズン4を現在放送中で、それでファイナルシーズンになる、ということだ。

シーズン1が始まったときは、エリオットは正義の味方のハッカーだった。天才的な腕を使って、回りの接触のある人の個人情報にハッキングしてアクセスし、その人が何か不正を働いていないかどうか「のぞく」。それだけではなく、周りの人間のインターネット上にあるすべてのデータを見ることにより、その人のかくしている秘密もすべてわかってしまう。人間だれしも他人にはしられたくない秘密を持っているものだ。皆匿名でウェブサイトにアクセスしてアカウントを持っていたり、ツイッターや、インスタグラムに匿名でコメントを書いている。しかし、それらも個人のEメールも、エリオットにはお見通しだ。

そうして、たとえば自分がよくいくコーヒーショップのオーナーが、実は裏で児童ポルノのウェブサイトを立ち上げてぼろ儲けしていることを突き止め、警察に通報したり、かかっている精神セラピスト、クリスタ先生が付き合っている男性に、実は奥さんがいて、クリスタ先生だけではなく、複数の女性と、自分は独身だと偽って付き合っていて、その男は自分が飼っている犬を虐待していることも突き止め、その男に対面し、クリスタ先生にすべてを打ち明けて、二度と会わないことを約束させたり、そういった正義を果たしていた。天才的ハッカーなのだが、弱いものを守る、正義の味方なのだ。そんなエリオットが一番悪の根源と考えているのが、E Corpという、巨大金融会社だ。E Corpは、クレジットカード、銀行、ローン会社、不動産、ありとあらゆる金融商品を扱って、無数の会社や土地を持っていて、世界を牛耳っているがごとくの巨大グローバル企業だ。エリオットは、E CorpをEvil Corpと呼んでいた。

 

 Krista Gordon、エリオットのセラピスト

 

実際の、現実のエリオットは、無口な、人付き合いの苦手な、そばにいても、いるかいないかわからないような、典型的なオタク青年だ。あまりにもおとなしくて、存在感の薄い人物なので、エリオットに接触する人はまさか自分のすべてをハッキングされていて、誰も知らない秘密を暴かれている、とは思わないのだ。

エリオットはニューヨークのチャイナタウンにある、古いぼろアパートに住んでいる。出身は、ニュージャージーのワシントンタウンシップ。個人的な話だが、ワシントンタウンシップと聞いて懐かしいと思った。というのは、私たちがニュージャージーに住んでいた時、近所の町だったのだ。ワシントンタウンシップに住んでいる友人もいて、たまに遊びに行った。ドラマの中では、エリオットが11歳ぐらいの少年の時、ワシントンタウンシップに不幸が襲い掛かかった。住民が白血病にかかって何人も亡くなったのだ。エリオットの父親もその一人だった。そのとき知り合った、アンジェラとはそれ以来の友達だ。アンジェラのお母さんも白血病になって、何年かして亡くなったのだ。その時、サポートグループにアンジェラも来ていて、それで知り合いになったのだ。お互い親を同じ病気で亡くしたことで、エリオットとアンジェラの結びつきは強かった。エリオットのお父さんはE corpで働く、プログラマーだった。白血病と診断されたとき、会社を解雇された。ワシントンタウンシップの人達が白血病になったのは、E corpが所有する化学工場がそばにあって、水道水が汚染されたから、というのは周知の事実だった。町全体が団体訴訟を起こしていたが、E corpは全面的に戦う姿勢を見せて、自分たちのせいだとは認めたがらなかった。アンジェラは母親を奪ったE Corpを憎んでいた。エリオットもE Corpを心底嫌っていたが、それは父を奪われたこともあるが、それ以上に、天才ハッカーである彼は、Evil Corpが世界的規模で行っている悪事をすべて把握していたからだ。しかし、あまりにも巨大なために、どうやったら徹底的に打撃を与えることができるのかわからなかった。なので、今のところ、身の回りにいる悪人の正体を暴くことで、小さな正義を得て、小さな満足感を感じるにとどまっていた。

 

 Angela Moss

 

ある日、エリオットはMr. Robot、とかいた野球帽をかぶった男がどこに行ってもいることに気が付いた。そして、ある日その男に地下鉄の中で話しかけられた。相手はエリオットの名前も、エリオットがハッカーであることも知っているようだった。「どうして僕のことが分かったんだ?あんたは誰だ?」エリオットは動揺して聞いたが、そのMr.Robotの帽子をかぶった男は、「いづれわかってくるさ。」というだけで、エリオットの質問には答えてくれなかった。Mr. Robotはエリオットに二人でEvil Corpを倒して、革命を起こそう、と誘った。エリオットは最初そんなことができるわけはない、と言ったが、Mr.Robotは、仲間がいるんだ、と言って、コニーアイランドにある遊園地にある、もう閉鎖した、80年代に活躍したような、古いゲームセンターにエリオットを連れて行った。コニーアイランドはアメリカでもっとも古い遊園地の一つで、敷地が広いので、アクティブに営業をしている部分と、古くなって閉鎖されている建物が倉庫のように並んでいる部分がある。そこを安く借りて、4,5人のハッカーたちが秘密にハッキング活動を行っていた。全員、E Corpを倒そうと、革命運動に加わっているメンバーたちだ。エリオットは、男が本名を名乗らないので、内心この男をMr. Robotと呼んだ。

 

 Mr. Robot

 

このドラマは、エリオットが私たち視聴者に話しかける形式だ。私たちのことをエリオットは「見えない友達」と呼んでいる。エリオットはドラマの中で、絶えず私たちに話しかけている。表向きは目を伏せて、フッドをかぶり、全く無口なのだが、心の中では常に視聴者、私たち「見えない友」にずっと話しかけている。エリオットは私たちが返事をしないことを知っている。しかし、私たちがいつも彼のことを見ているのも知っていて、ドラマが放送されていない時や、次のエピソードで何日も日が経っていたりする間は、私たちが見ていないことも知っている。

このグループは自分たちのことをfsocietyと呼んでいる。最初これを聞いたときは、fuck society(社会よ、くそくらえ)の略で、奇をてらって、カッコつけて自分たちをそう呼んでいるのだと思っていたが、シーズン2で実は、このアーケード(昔風のゲームセンター)の名前がFun Societyで、表のネオンサインが壊れて、UとNが抜けて、F SOCIETYになっていることからこの名前が発祥したらしい、ということがわかった。しかし、ここを見つけたメンバーがそれを見て、皮肉にも自分たちの言いたいこととマッチしているのを見て、ジョーク的にそのままfsocietyと名付けたのだと思われる。

 

 F society 

 

このグループのリーダーが、謎の女、ダーリーンだ。彼女自身ハッカーなのだが、彼女がメンバーを探し、集めてきて、指示を出している。しかし、Evil Corpを破壊して、革命を起こす計画を考えたのが、Mr. Robotなのだ。なので、ダーリーンはMr. Robotの計画を実行するためのコーディネーターのような、Mr. Robotのアシスタントのような役割を果たしている。ダーリーンについては、fsocietyでの活動以外、不明だ。どこに住んでいるのか、家族はいるのか、そういうことは一切わからない。しかし、この日以来、エリオットの回りにしょっちゅう現れては、次の行動を指示してきたり、Mr. Robotが彼に託した仕事の進捗状況をたずねに来たりする。エリオットは、Mr. Robotが探してきた、ハッキングの天才で、Mr. Robotはエリオットに重要な部分を全面的に任せている。エリオットは常日頃からどうやってEvil Corpを倒したらいいか考えていたところ、Mr. Robotがエリオットを見つけて、目を付けて、グループに加わるよう、誘った、という流れだ。

エリオットは皮肉なことに、All Safeというサイバーセキュリティの会社に勤めていて、そこで顧客をハッカーから守る仕事をしている。アンジェラの紹介なので、アンジェラもそこに勤めている。All SafeはE Corpの下請けをやっていて、E Corpから弱小扱いされ、しょっちゅういじめられていた。

 

 Darlene

 

話はだいぶん飛ぶが、エリオットはAll Safeでの立場を利用して、E Corpのシステムに入り、システムの全データのコントロールを得ることに成功する。実際はそう簡単には行かなくて、間に大変な苦労をするのだが、グループ全員の力と、エリオットもだいぶんリスクを冒してそれを達成することができた。

fsocietyはマスクをかぶって、オンラインで自分たちの存在を明らかにし、これからEvil Corpを攻撃し、革命を起こす、と予告ビデオを流した。それで世間では有名になった。(ここで、このドラマで疑問に思うことがたくさん出てくる。これは架空の世界だということはわかるのだが、地理的なことがわからない。これが世界中で起こっていることなのか、アメリカだけで盛り上がっているのかわかりづらかった。なので、「世間」がアメリカだけのことなのか、世界的なことなのかわからなかった。)Fsocietyが起こすと予告したことは、金融革命、または経済革命運動だ。なので、それらの予告を見て支持者があっという間に増え、支持者たちはfsocietyのマスクをかぶって歩くようになった。

 

 マスクをかぶったf societyのメンバーによる予告ビデオ

 

そして、いよいよ実行の時が来た。革命の実行、と言っても、ハッキングなので、革命がおこる、と言っても、フランス革命とか、ロシア革命のように、目に見える革命とはずいぶん違って、この革命は目に見えないのだ。ようするに、エリオットがキーボードの実行ボタンを押して、世間の様子を見るのだ。専門的なので、正確に理解しているかどうかわからないのだが、エリオットがやったのは、Evil Corpのシステムに入って、すべてのデータにアクセスできるようにし、そのデータ全てを暗号化し、ロックしてしまったらしい。エリオットはデータサイエンスの天才なので、エリオット以上の能力を持っていない限り、その暗号を解除することは誰もできない。しかも、いったん暗号化してしまうと、その後はバグは生き物なので、サイバースペースの中でどんどん膨らみ、形を変えて広がっていくので、長期間そのまま放置すればするほど、元に戻すことは困難になる。こうやって、世界で最も巨大な企業の一つ、E Corpのシステムが破綻することによって、E Corpのシステムにつながっている他の企業のシステムも使えなくなり、全体に波及していったのだ。こうして、経済が崩壊した。

私たちに直接関係のある、生活レベルで言うと、エリオットが実行キーを押すや否や、まずE Corp銀行のコンピューターの画面が一斉に「このシステムはロックされました。使うことができません。」になって、窓口で顧客と接触している銀行員が顧客の預金にアクセスできなくなった。顧客は、お金を引き出すことも、残高照会さえもできなくなる。いつシステムが復旧するかわからないのだから、キャッシュの引き落としができず、いずれは現金を使い切ってしまう。給料の振り込みがされない。現金を引き出すことができないから、手持ちの現金で当面生活するしかないが、今はキャッシュレス社会なのでそれもすぐなくなってしまって、生活費がなくなる。クレジットカードは全く使えなくなって、ただのプラスチックのカードに化す。オンライン取引もチェックでの支払いもできないから、電気代、公共料金、家賃等を払うことができない。電気が止まる、携帯は使えなくなる、家を借りてる人は家から追い出される。もう少しすると、給料を手に入れることもできず、請求書も払えない人がホームレスになって、道に家を失った人があふれかえる。強盗、ひったくりなどの犯罪が急増する。女性は物欲しさに娼婦になる。男性は狂暴な犯罪を犯す。波及効果を言うときりがない。株式市場はシステムが動かないのだから即活動停止。かなり速いペースで世界が大混乱に陥ったのは容易に想像できる。

言わずもがなE Corpの株は暴落した。この混乱を受けて、マスコミはこぞってE Corpの最高財務責任者(CFO)に世間に状況を説明するよう、またいつ復旧する見込みなのか、全国生放送で発表するよう圧力をかけ、インタビューを行った。CFOは、最初はfsocietyなるテロリストハッカー集団に、大掛かりのハッキングをされたけれど、これは一時的なことで、今優秀なITエンジニアたちが修復中だ、と強気なことを言っていたが、途中で弱気になり、「もうなおらない。世界はおしまいだ。」と泣き始めて、全国テレビの前で、銃口を口にくわえて自殺した。世間はますます混乱をきたし、大パニックになった。

半面、コンピューターシステムがすべて使えなくなったのだから、借金をしている人はもうお金を返さなくてもよくなった。銀行が破綻したのだから、返済先がなくなったのだ。エリオットがFsocietyの計画に加担しようとした動機の一つは、アンジェラが多額の学生ローンを抱えていたからだ。世界には一生かけて返済しなければならない、もしくは一生返済し続けても返済しきれないほどの借金を抱えている人がたくさんいる。そういった人たちを借金地獄から救出してあげよう、世間から借金をなくそうとエリオットは考えたのだ。エリオットはとっくの昔から、しょっちゅうアンジェラの個人情報を見ては、アンジェラを、いわば、見守っていた。アンジェラのインスタグラムやフェースブックを見て、付き合っている男がちゃんとした人かどうか、銀行口座を見たり、Eメールを読んだりして、まずいことにかかわっていないか、常に監視していた。なので、アンジェラが10万ドル(約1200万円)という、返しきれないほどの学生ローンを抱えていることも知っていた。金融システムを壊せば、アンジェラのように多額の借金を抱えている人たちの借金を解消することができる。エリオットはもともと正義感の強い人なので、このハックを行おうとした大きな動機はここにもあった。この理論で言うと、今自分の持ち家に住んでいるけれど、ローンを払い終わっていない人は、そのままその家に住み続けられて、ローンを返済しなくてよくなる。車のローンがある人も同じだ。しかし、ガソリンがなくなると給油できないので、そのうち車は使えなくなるが。そういう意味で、fsocietyをこの世の救世主のようにいう人たちもいた。総体的にみると、革命の直後はFsocietyはヒーローという見方をされたのだ。

 

 革命の夜「我々はとうとう目覚めた」

 

続く