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 広原盛明さんの記事。甘利大臣事例と政局への影響について各紙を点検しています。


2016-01-31
「甘利口利き収賄疑惑」は本当に安倍政権への打撃になるか、野党分断と国民世論の劣化で安倍政権は危機を(十分に)乗り切れると踏んでいる、2016年参院選(衆参ダブル選)を迎えて(その5)

リンク1


(引用)

これら各紙の紙面構成や見出しを見ると、(1)経済政策の中枢閣僚である甘利氏の辞任は安倍政権への深刻な打撃であること、(2)アベノミクスやTPPへの影響が懸念されること、(3)現金授受の背景や業者との関係が未解明であること、などが共通して指摘されている。要するに、甘利氏は「口利き収賄疑惑」の解明を残して(幕引きするため)、政権運営への打撃を最小限に抑えるべく早々に「辞任カード」を切ったものと思われる。

(まで)

政府系の全国紙「読売」に載った政治学者の発言を批判的に紹介した後、広原さんは、「日経」社説を引用しています。


(引用)

「記者会見した甘利氏は週刊文春が報じた建設会社からの資金提供などを大筋で認めた。ただ、あくまでも政治資金として受け取り、口利き依頼があったことは知らなかったと強調した。(略)重要なのは内ポケットかどうかではない。口利き依頼を本当に知らなかったのか。資金提供の狙いは何か。それらが知りたい。甘利氏は衆院議員として政治活動は続行する意向だ。とすれば、閣僚辞任で一件落着ではない。さらなる調査を急ぎ、全容を明らかにしなければ政治家として説明責任を果たしたことにならない。(略)甘利氏によれば、安倍首相はぎりぎりまで遺留したそうだ。記者団には甘利氏の会見を『丁寧に説明していた』と語った。政治とカネの問題を甘く見過ぎていないか。首相は自身の任命責任をよく認識すべきだ」

(まで)


参考 日経社説「疑惑晴らせぬ経財相の辞任は当然だ」

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96674010Z20C16A1EA1000/


広原氏は、以下のように整理しています。

(引用)

ここでは、安倍首相らが甘利氏と練りに練って臨んだ記者会見の構図が鋭く分析されている。(1)甘利氏は大臣室で現金を受け取ったことは事実として認めるが、政治資金として適正に処理したことにする、(2)建設会社からの口利きがあったかどうか、その意図は何か、については知らなかったことにする、(3)自らの「口利き疑惑」を「秘書監督責任」にすり替えて閣僚を早々に辞任する、(4)閣僚辞任で一連の事件を幕引きし、これ以上の政権への波及を防ぐ、(5)甘利氏は議員活動を続けながら次の復活を目指す、などである。

(まで)


日経社説は、甘利氏や官邸の意図として語っていませんが、「口利き依頼を本当に知らなかったのか。資金提供の狙いは何か。それらが知りたい。」と、事柄のポイントについては押さえていて、そこが明らかでなければ、一件落着じゃないでしょ、と釘を刺している。


お金をもらったのは認めて「政治資金の届け出をしたから桶」、口利きを依頼したことは知らなかった、として、でも秘書の監督責任をとるからと言って辞任で身をかわす、というのが通るのかな。

口利きとその意図については、まだ見えていませんね。依頼した業者とURとの話も不分明。説明するべき人は、まだまだいます。


これまでも、こうした「政治とカネ」の話になると、犯罪性の有無と政治家の進退が最重要のニュース価値として報道されてきました。でも不慮のものは避けられない災害や事故ではなく、政治家の不透明な金の収受と影響力行使は、制度を直せば防げるものなのですから、マスコミのや社会が、「警察沙汰になるか」と「首をとるか」だけに興味を集中させて、ことの全体が明らかになることが等閑になるというのは違うと思う。



これで、また甘利氏に国会で話させるかどうか、という政党の駆け引きの話が主になって、そうしたニュースは「党利党略」範疇のものとして、見ているものをシラケさせます。そこまで折込んで甘利・官邸サイドは「危機管理」をしているのでしょう。

野党は、甘利氏の秘書に国会での説明を求めたらどうなのかなあ。政治家本人が知らないことをし知ってるかもしれないし。