憲法擁護を結集軸として保守政治に対抗しようとか、護憲を抵抗線として政権政党と争うとか、オールド左翼な人は思うのかもしれない。(こういう言い方を60~80年代に耳にしたら、ずいぶん自然に聞こえたと思います)
自民党も長いこと、党是といいながら憲法改正は争点にしないできました。
前から長いこと党内議論はしていたわけですが、改憲案を出したのは2005年のこと。
その頃には、創憲だの加憲だの活憲だのいろいろな言い方が入り乱れるようになりました。
さらに国会に「憲法調査会」や、その後には「憲法審査会」が作られて、議論するようになった。
「憲法審査会」と「憲法調査会」の違いというのはこう だそうです。
世論調査では、改憲容認が増え続けて過半数を超えるようになりましたが、九条を守るべきという意見も同時に多数を占めるというようなことがありました。
最近では、憲法改正へのYESが再び過半数を切ったりして、自分のところで改正草案を作った読売新聞さんなどはやきもきしているだろうと思います。
一方、政治の世界では実質改憲が進んで、「集団的自衛権もOK」ということになりました。
そのタイミングで参院選挙があり、安倍首相は選挙で改憲を訴えていくと言っています。
(「自公で過半数、大阪維新などの改憲派とあわせて3分の2」といっていたよね)
そこで憲法議論が盛り上がるのだろうけど、それは野党分断作戦だろう、というのが岩下俊三さん。
岩下俊三のブログ
2016年01月12日 それを言っちゃお終めぇよ。
http://blog.livedoor.jp/shunzo480707/archives/4996300.html
(引用)
「安保法案」阻止だけならひょっとして野党共闘ができるかもしれないが、改憲、護憲で共産党と維新そして民主の一部が「合意」することなど絶対無理に近いからである。
いままで
政府与党は「本丸」=改憲を選挙の争点にすることは極力避けて来ていたのだが、今回はいつもの「ばら撒き」とか国家予算を使った「買収」に加え、憲法論議をむしろ高めたいと言っている。
なぜなら
争点が安保法案とか辺野古新基地では世論の風を読むと、どうも札束で頬を叩く「だけ」では「すこし」心もとないから確実に野党を分裂させる方法として考えたのが「肉を切らせて骨を斬る」作戦であろうと思われる。
ということは
今までとは逆に「憲法」論議さえ持ちかければ、野党が統一できるわけはなく、永久に野党共闘が出来ないことになり、与党有利の展開になることが予想されるのだ。
それゆえ
なるべく憲法論議を高めれば、頑固な護憲派と反体制内改憲勢力とが分裂し、結局与党が漁夫の利を得ることになるのである。
中略
今までとは逆に「憲法」論議さえ持ちかければ、野党が統一できるわけはなく、永久に野党共闘が出来ないことになり、与党有利の展開になることが予想されるのだ。
それゆえ
なるべく憲法論議を高めれば、頑固な護憲派と反体制内改憲勢力とが分裂し、結局与党が漁夫の利を得ることになるのである。
(まで)
わたしは前にこういうことを書いています。
政権交代で改憲潮流はどうなる 2009-09-15
http://ameblo.jp/kandanoumare/entry-10342992555 .
(引用)
まず、自民党が民主党の分裂・混乱を画策して、国会内での改憲論議を積極化させようとする。従来から民主党若手には、改憲して「新しい国の形」をしめしたいなあ、という気分は強いでしょう。鳩山、小沢など幹部たちも、世論の支持と期待があるうちに、改憲論議を進展させるのは潮時だと思いそう。改憲論議を凍結・封印するのも、党内のあつれきを呼びますから、国会内で改憲審議をすることは賛成しそう。そうすると労組系や「リベラル系」の議員や活動家は、反対する。そうして民主党の党内がもめれば、自民党は、「お前ら、政権とっても、自分の党内のガバナンスもできないのな。藁」といって、相手のイメージダウンを図ろうとする。
(まで)
わたしの説は、民主党内を揉ませるための改憲論議の盛り上げですが、岩下俊三さんのいうところは、野党分裂を狙う撒き餌としての改憲論議ですね。
民主党が政権をとった時点と、「民主党」って党名もなんとかしたら、と言われている現在とで状況も違いましょうが、「憲法」が自・公政権への対抗にとって躓きの石になるなんて、かつての「護憲派」には想像もできない事態。
「改憲論議はもっと長いスパンで」と棚上げするような政略が、共産、社民にあるかしらん。
もうこうなったら、民主党の党名を変えるのに「立憲民友党」(戦前の立憲政友会と立憲民政党の名をハイブリッド)として、保守チックな装いでしかも現憲法をもとにした「立憲主義」をアピールするしかないな。
憲法のまとめエントリー 13年版
http://ameblo.jp/kandanoumare/entry-11526466092.html