「おまえも言ってたじゃん」の応酬 | みんななかよく

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 TVニュースで見ました。野田総理の国会演説が、かつての自民党の演説を引用したものですと。消費税率の引き上げに関連して、歴代自民党の総裁、つまり時の総理大臣が、財政再建のために増税はやむを得ない、と演説しているのを列挙したのですね。

 それに対して、谷垣自民党総裁が「しらける」とかコメントしていたのをはじめ、野党党首は「何、言ってるの?」と無視する姿勢です。テレビ局によってつながれたコメントののVTR範囲ですけど。

 政治家というのは、「ほう。財務官僚もなり振り構わぬ演説草稿を書くようになったものですね」なんて、あけすけなリバースはしないもののようです。

 政治家がしなくても、テレビのキャスターやコメンテーターはもっとお茶目な一言を言ってもいいと思うのですが、これも平板な解説をしていました。


 テレビ屋さんより政治家の方が口達者なのか、谷垣さんが、政権交代前の野田氏の街頭演説(選挙カーに乗っているのではなく、いわゆる辻立ちですね)で、「マニフェストは、書いてあることを実行するんです。それがルールです」と強調している言葉を引用し、マニフェスト違反をごめんなさいと謝るのが先決だろうと逆襲していました。

 野田氏の言葉は、演説している動画がネットにあげられていて話題になっているらしい。NHKニュースではそのネット上の動画も流していました。

 

 質問も答弁も、霞が関語でおにょおにょ言い合うのと比べると、こうした応酬は見ている分には面白いですね。ただ、なんか政治家もネット住人に近くなったような、そこらの言い合いと変わらないような印象も受けます。


 

 国会での所信表明や代表質問は、政治業界では一番重きをおかれるところなのではないかと思います。そのやりとりが変わってきたのは、小泉元総理の頃からだろうとは思いますが、このブログで取り上げたのは、麻生さんの所信表明演説です。


 麻生総理 歳くった2チャンネラー

 http://ameblo.jp/kandanoumare/entry-10145919758.html



 退屈な建前を互いに並べ立てるより論争的であることはいいと思うのですが、「おまえも前はこう言っていたじゃないか」と両方であげつらうのって、脇で見ているとたしかに「しらける」。

 だって、国会答弁については、元は官僚の作文でしょ。そこは言わないお約束にして、食言だ、公約(マニフェスト)違反だ、嘘をついた、と言い募ったり、「現内閣ではあげないといったのだからマニフェスト違反ではない」とすりかえたりするのを聞いてもねえ。

 官僚支配と政党の党利党略の間のごたごたを見せられているってだけで、官僚機構をつかいまわすプロの政治家、政権能力のある政党同士の丁々発止のやり取り、って誰にも思えないのではないかしらん。


 安手の日本人論、日本特殊論を振りまわしたいわけではないのだけれど、政治家同士の応酬を聞いていると、日本で「討論」とか「演説」とかって、基本的に無理なのではないかと、思わないでもない。

 それにまた、マスコミのクリシェが輪をかけているんだから……。