dream of roses❤ | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

 

 今回の秋バラ撮影では、いつも行く鳩山会館や新宿御苑ではなく練馬区光が丘にある『四季の香ローズガーデン』まで足を運んだ。このバラ園には3年前、一眼レフデビューして一年目を迎えた頃に出掛けているのだが、薔薇を撮ったつもりがHDの中身を調べても一枚も見当たらなかった。多分、薔薇を撮るのが苦手で敬遠していた時期だったため、園内に咲き誇っている秋の花を眺めるだけに終わったのかも知れない。
 都営三田線の春日駅で都営大江戸線に乗り換え、都庁前で光が丘行きに再度乗り換える。自宅駅の西台から約1時間程度、光が丘駅から徒歩5分とアクセスも良く、しかも入園料は無料。閉園は17時だが、広すぎず狭すぎずと撮影には丁度良いスペースが嬉しい。薔薇以外にも色んな花々が咲いており、無料の割にはしっかりと手入れされているため、園内全ての花を撮ってしまいたくなるほどである。
 秋桜の時のようにしゃがんだり寝転んでみたりと、あらゆる角度からの撮影。地面は柔らかい芝生だったので、腰を下ろして低位置からの撮影もさほど苦ではなかった。撮影に夢中になっていたため時間の経過もすっかり忘れており、気付いたら空が黄昏色に染まっていた。園内には既に誰もおらず私一人が花の前に座って撮影していた。と、その時事務所の中から若い女性スタッフがやって来て「17時過ぎましたので閉園です…」と声を掛けられた。その優しい声で時間オーバーしている事に気付き、ペコペコと頭を下げながら何かを呟いたのだが何を言ったか記憶にない。園内を出た後、まだ諦らめ切れず夕暮れの中に佇む薔薇を撮っていた。夕暮れと言うよりほぼ夜に近い状態だった。
 一眼レフを始めた頃、こんなに花を撮るようになるとは思っていなかった。いつも風景をメインに撮っていたからレンズも広角ばかりだった。花を撮るのが愉しくなったのはタムロンSP90mmを使うようになってからだ。D810との相性も抜群だったし、優れたマクロレンズだった。そのタムロンで撮った芝公園の赤い薔薇の事は今も記憶の片隅に刻まれている。花の撮り方を伝授してくれたレンズと薔薇に感謝である。