出版社の選択は慎重に(再編集版)。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-選択

 年間およそ7万冊もの書籍刊行ラッシュの現代、それに対して日本の書店数は今年に入り2万5千軒程度にまで落ち込んでいる。

 デジタル書籍の到来、携帯やインターネットの普及も手伝って、本が売れない時代になり、小さな書店は生き残れず店を畳んで行く、これが現状である。

 書店の立場から見れば当然限られたスペースに売れる本をどう設置しようか毎日迷っているのである。著名な作家の本でも出足が悪ければ一週間で返本となり、小説も今や5万部でベストセラーだと言われている。

 然し、実際はそこまで売上を伸ばすのもかなりの時間が必要となる場合も多い。初版の場合の刷数は5千部程度であり、増刷を重ねて漸く2万部まで伸ばしたとしても(1500×10%×2万部=300万)。その印税だけでは中々楽な暮らしは無理であるから、次の作品を執筆しながらアルバイトの日々を送ったりしている作家も多い。

 作品を書くのに時間はかかるし、大きな賞をとったからと言って必ず売れるとは限らない。書店で平積みされている本の大半は、テレビドラマ化や映画化の帯が目立つ。芥川、直木賞などの大きな賞は内容だけでは決まらない場合もあり、そこにはブランドと言う俗っぽいものが付き纏う。

 つまり大手出版社から刊行されいる事が条件の一つにもなるからであり、 講談社、新潮社、集英社、文藝春秋などこの辺から出版されていないと賞を取るのは難しいかもしれない。

 賞は兎も角としても、やはり出版したからには書店に陳列されてこその本である。そこでわたしたちのような新人がどうやって書店に到達するか、それは出版社に委ねられてしまうので最も慎重に選択しなくてはならない。

 わたしが出版社を文芸社に決めた理由の一つが、作家「故・小川国夫」(郷里がわたしと同じ藤枝市で家が隣同士だった)を知っているかだった。

 文芸社以外(碧天舎・新風舎・新生出版など)は知らないと言う。これには些か落胆した。あの賞嫌いで有名だった作家が「川端康成賞」「伊藤整賞」などを取っており、図書館に行けば百科事典のように分厚い「小川国夫全集」がずらりと並んでいる。

 出版社の人間は本に詳しい集団である筈だし、本が好きでなければ務まらないと思う。儲かる以前の問題である。