虐殺国家シリアの血塗られた歴史。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-シリア

 混迷の度合いが深まる一方のシリア情勢は、アサド政権による武力弾圧がエスカレートし、シリア中部の町ホウラで起きた住民集団処刑事件が世界に大きな衝撃を与え波紋を拡げている。

 この大虐殺による死者は100人を超え、負傷者は300人に上っているが、死亡した内の半分は女性と子どもたちであった。

 国連による停戦監視団の行動はアサド大統領に筒抜けであり、彼らがホウラに到着した時は既に虐殺の後であり、彼らが眼にした光景は無残な死体の山ばかりであった。

 シリアに対する暴力中止を要求する声が世界的に高まってはいるものの、アサド自身の耳栓により聞く耳を持たず、一向に収まる気配は見えて来ない。

 シリアと親密な関係にあるロシアは対シリア圧力強化を渋る一方で、国際社会の足並みが揃っていない事もシリアに暗い影を落とす要因になっている。

 ホウラの虐殺について、シリア政府は関知せずという姿勢を貫く構えであり、一部のテロリスト過激派による行為であるなどと、シリア軍の正当化と言い逃れに終始している。

 エジプトの民主化とリビアのカダフィ大佐の悲惨な末路を目の当たりにしているアサド大統領であるだけに、彼らの二の舞を踏む訳には行かないアサド自身が最も恐れているのが、民衆と民主化であり、最大の敵ともなっている。

 シリアは1946年にフランスから独立。以後、年数回に及ぶ勢いで武力政変を続け、1948年には第一次中東戦争(イスラエル独立戦争)勃発。それ以降、今日に至るまでイスラエルの宿敵となっている。

 1970年の軍事クーデターにより、初代アサド(ハーフィズ・アル=アサド)の独裁政権が誕生した。内紛が起こる度に虐殺を繰り返し、連立を組んでいた共産党を殲滅し、アラブテロリストの大半を掌握するに至った。

 独裁の基礎を築いた父から全権を受け継いだのが現大統領のハーフィズ・アル=アサドである。血は争えないとよく言われるが、父親の悪い部分を全て引き継いでしまった息子の運命は、これまで流れ続けて来た民衆の血によって葬り去られる時が来るのも、そう遠い話ではないような気がする。

 戦後60年以上が経過した日本は『平和ボケ』とよく言われるが、この平和が恒久的に続くと誰が保障出来ようか。

 中東の火種、イスラエルとイランの関係は『核』を巡って一触即発の危機にある。石油依存国の日本にとってシリアの内紛は対岸の火事ではない事を、国民も政治家も肝に銘じておかなければならないだろう。