熊もおだてりゃ塀を登る。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-ヒグマ

 脱走したヒグマ6頭に運悪く遭遇し、襲われて死亡した女性従業員2人の悲劇は、『秋田八幡平クマ牧場』の杜撰な飼育管理が背景にあったのではないかとの見方が強まっているようだ。

 ヒグマが逃走に使ったと思われる雪山の高さは約3.3メートルにも及び、クマが塀を乗り越えるには十分な役目を果たしていた。

 経営者の話によれば、「冬場は雪が高く積もる為、クマを運動場に出さない」と県の関係者に説明しており、クマが逃走する危険性を十分認識していた事からも判るように、今回の事故は『人災が招いた最悪の結果』だと言わざるを得ない。

 資金難に喘ぐクマ牧場は事実上経営破綻寸前であり、劣悪な飼育環境の中にいたクマたちの姿を見ると、被害者は射殺された6頭のヒグマではないだろうかという疑問さえ抱いてしまうのである。

 十分な食料も与えられず、餌欲しさの余り必死に物乞いするかのようなクマのポーズは、人間の目から見ればユーモアに溢れた愛嬌のある仕草と映っていただろう。

 動物をこよなく愛するわたしたちは、自然の中で生きる幾多の動物の姿を目にする事はない代わりに、動物園や水族館といった場所で、様々な動物の生態を観察し、楽しむ事が出来る。

 そこでは飼育員たちが24時間体制で動物たちの極め細かい健康管理や体調維持などに気を配り、ありったけの愛情を動物たちに注いでいる。だからこそ、その場所は『動物たちの園』なのである。

 逃げ出したヒグマは確かに危険な存在ではあるが、そのクマたちには何の罪もないではないか。射殺した猟友会の人たちは、殺して当然だと言わんばかりに何の躊躇いもなく猟銃の引き金を引くが、殺す以外にも選択肢はある筈で、麻酔銃を使うなりして生け捕りにし、その後は何処かの動物園にでも引き取って貰う事も出来たのではないだろうか。

 自然界に生きる動物は人間も含め、全てが地球と言う星の宝物である。人間が齎した環境破壊が進む中で、生き難くなっている動物たちの悲鳴にも似た鳴き声が、この星の至る所で聞こえて来る気がしてならないと思うのはわたしだけではないだろう…。