OLYMPUSは軸が大きくぶれている。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-オリンパス

 ニコン、キヤノンと肩を並べるカメラの名門オリンパス。最大の事業分野となった医療関連に於いては内視鏡分野で世界シェア75%を誇るなど、医療用の光学機器、顕微鏡分野で世界最大手となっているが、その背景にはオリンパスの物作りに拘る執念と高い技術力そして社員一人ひとりの並々ならぬ努力があったからである。

 今年10月1日にテレビ朝日系列で放映された『光る壁画』をご覧になった方も多いのではないかと思う。世界初の胃カメラ開発に情熱を傾け、最後まで諦めない日本人のその姿に勇気と希望を見出し、感動を頂いたばかりであった。

 それ故にオリンパスの『粉飾決算』という社会的事件は残念でならない。物作りの王道をそのまま真っ直ぐに歩み続けていればよいものを、強欲な経営陣の更なる利益追従の手段として金融商品までに裾野を拡げその結果バブル崩壊と共に数千億円の巨額損失を生みだす事となった。

 その損失隠しに利用した企業買収は、オリンパス自らが社長として迎えいれたマイケル・ウッドフォード氏の告発によって明るみになったが、その巧妙な損失隠蔽の手口はいまだ全貌解明までには至っていない。

 損失隠しが20年という長期にわたっているため、それに関わった複数のファンド、アドバイザー(助言会社)の存在が障壁となり細部の仕組みに至っては実に複雑であり、オリンパスの最終的ゴールが何処にあったのか謎はバブルのように膨らむばかりである。

 何れにせよ、オリンパスの行った不正経理はマネー・ロンダリング(資金洗浄)に間違いない事は確かであり、金融商品を投資ファンドに移し替える『飛ばし』も判明している事から、虚偽の情報開示が日本企業の在り方に世界が不信感を露わにしている事は、低迷する日本経済に追い打ちを掛ける大きな痛手となっている。

 企業経営のリスク管理について今更詳しく述べるつもりもないのだが、バブルの後遺症に悩み続けている企業はオリンパスだけではないだろう。

 その悩みを打ち明ける企業努力と勇気、そしてその適正な受け皿となる第三者機関や、コーポーレート・ガバナンスの確立が良質な企業運営や育成にとって絶対条件である事は言うまでもない。

 オリンポスの山々に住む神たちは人間に嘘を付く事を教えていない筈であるし、その名に相応しいオリンパスであった頃に立ち返って再スタートを切ってくれる事を真に望むところである。