福島第一原発事故発生から4ヵ月余りが経ち、事故の収束に向けて日夜懸命な作業が続いている。事故の影響で、日本各地に点在する電力会社の保有する原子力発電所は再稼働のメドが立たずその殆どが停止状態にある中で、降って沸いた様な九州電力の玄海原発『やらせメール問題』が列島各地に波紋を広げている。
電力会社は文字通り電気を売って利益を上げており、その一端を担っている原発停止は企業にとって致命的要因になり兼ねない。
原発の稼働・停止に関わらずそれに掛る費用は莫大な金額であり、そしてまた原発周辺に暮らす地域に与えるメリットは地域の雇用と活性化を生みだすものとして、その恩恵を授かって来た地域住民から見れば、『原発様さま』であった訳だが、事故の発生により安全神話が脆くも崩れ去った現在、原発を巡る様相は一変した。
そのような中で発覚した九州電力のメール問題は次々と明るみに出る内容で組織ぐるみに行われた公算が強まり、悪質な企業体質の恥部を曝け出す結果となってしまった。
原発再開を有利に進める為、九電の各子会社に『国民の立場から、佐賀県民の共感を得るような意見や質問を発信して欲しい』といった県民向け説明番組を九電のでっち上げたシナリオで事が進むよう九電幹部自らが指示、更に悪質極まりないのは、九電関係者と分らないよう自宅などのパソコンを使用するよう指示していた事である。
このやらせ問題の背景にあるものは、手段を選ばず是が非でも原発再開を推し進めたい電力会社が置かれている立場である。
彼らから言わせれば原発停止は宝の持ち腐れであり、利益を生まないものは無用の長物でしかなく、単なる重い足枷にさせておく訳にはいかないという切羽詰まった台所事情も見え隠れするのである。
更に追い打ちを掛けたのが空気を全く読めない『あっけら菅総理』の唐突なストレステスト(耐性検査)である。
その場当たり的な思い付きで政府自身が混乱を増幅しているようでは、原発の安全性を云々いう前に総理自身の身辺整理を優先した方がよっぽど国の安全性は保たれるのではと思ってしまう。
『悪妻は百年の不作』という諺があるが、それをそのまま『悪政は百年の不作』に置き換えて本日の記事を締め括ろうと思う。
