福島第一原発事故の事態収束に向け、東電からロードマップ(工程表)の発表があった。勝俣恒久会長の会見内容によれば、1~3号機の原子炉を安定的「冷温停止状態」に6~9ヶ月程度の時間が必要とし、「放射線量の着実な減少」に3ヶ月、「放射性物質の放出管理と線量の大幅抑制」に3~6ヶ月とう、2ステップの工程表を明らかにした。
これにより原発事故の見通しとして一歩前進という評価はあるにしても、原発周辺の人々の不安が払拭出来るものではない。
工程表の作成は東電と政府によるものであるが、事故発生からこれまでの彼らの対応を省みれば、不信感は依然として根深く、青写真のようにそれを素直に受け入れる事は容易でない。
巷の声は既に工程表の目標達成に危機感を抱いており、裏づけとなる根拠が脱落した工程表はその場凌ぎの電子レンジでチンしたレトルト食品とも受け取れる。
工程表作成に現場の声が反映されているのかと言った疑問もあり、現場無視という安全圏の中で議論を交し、事務的に処理された内容を見せられてもそれには何の説得力もない。
東電社員による記者会見を見ても切実な筈の緊張感すら伝わって来ず、ある社員は笑みさえ浮かべながら書類に目を通している。
東京電力がどのような社員教育をしているか知らないが、その場の空気すら読めないようでは、事故の収束どころか、社員教育から始めて行かないと「東電」と言うブランドは原発と共に廃炉の道を辿ることになるやも知れぬ。
ロボット大国である筈の日本が、アメリカから遠隔操作ロボット「パックポット」を借り入れなくてはならないというのも皮肉な話しである。
東京電力の最も致命的なミスは、福島第一原発着工の時点で既に明確になっていた。想定外の津波を考慮していたとは到底思えない海側への非常用設備の設置、そして外部電源が無ければ非常用発電機が稼動しないと言う、どう考えてもこれは設計ミスとしか思えないのである。
これから季節は雨の多い梅雨を迎え、更には台風といった自然の猛威が待ち構えている。気温が上昇すれば、現場の作業員たちは高濃度の放射線に加え、暑さとも戦わなければならない。作業着の上に防護服を纏い、防護マスクで呼吸がままならないし、雨が降れば更にゴム合羽も必要になるだろう。
そうなれば去年の猛暑時のように熱中症で倒れる人も出るだろう。机上で淡々と設計図を作るのとは訳が違う過酷な現場に本当の春はいつ訪れるのだろうか。
敢えて、東京電力に通信簿をつけるとしたら、皆さんは何点さし上げますか?まあ、これは東電に限ったことではなく、役立たずの民主党や保安院にも言えることなのだが。
