久遠の約束(17Fデイルームにて)。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

プールサイドの人魚姫-デイルーム

 

 
 

かあさん かあさん

かあさん かあさん

病棟中に老人の呼ぶ声が響き渡る

明けても暮れても

かあさん かあさん

隣人は

うるせえ このクソじじいと

小声でののしるが

老人の耳はかあさんで一杯だ

そのかあさんは

午後3時

飛び切り上等の笑顔を土産にやってくる

病室を 自分の家だと思い込み

寝ても覚めても

かあさん かあさん

腰が曲がって小さくなった

自慢のかあさんは

それでも笑顔を忘れない

この老いたる夫婦に

久遠の約束あり

わたしは小さく頷いて

カーテンを閉めた