愛猫タラは♀なので「吾が輩」ではないですが、このわたしにとっては5人目の家族がいるお陰で随分と救われたと思っている。
読者の方々には随分と長い間待たせてしまい申し訳なく思うと同時に、励ましのコメント等を頂きありがとうございました。
心臓病の方は薬が効いて浮腫みが取れれば、通常の生活に戻れるのだが、心の方はそう簡単には行かないようで、それは長年に渡り経験済みであったから出来るだけ焦らず、気長にトンネルの先が見える日を待つつもりでいても、一ヶ月以上も仕事を休み、下界から遮断された生活(引き篭もり)を続けていると、自分自身を完全に見失ってしまうものである。
飼い主が病気で元気がなかったり、精神的に落ち込んでいたりすると、それが一緒に生活しているペットにも伝染するようで、タラもいつになく元気がなかった。
お腹が空き餌をくれとわたしの寝ているベッドの横に座り込み、わたしの顔をじっと見つめて、訴えてくるが、わたしは起き上がる気力すら失せていた。しかし、餓死させてしまう訳にはいかないし、自分は食べなくとも、何とかこの子にはご飯を上げないといけないし、わたしだけが頼りのこの猫に申し訳なく思ったりもして…。
ベッドとトイレの往復の日々が続き、危険信号の点る毎日は実に酷であった。食欲はあっても食べる元気もないのである。ある意味義務感のみで味すら受け付けなくなった口の中にレトルト食品を放り込んでいた。
心を痛める原因は色々あるが、「うつ」と言うものはある日突然に全く予兆もなく回復するものだ。薬の効果でセレトニンが増えたと医学的に説明してしまえば簡単なことであるが、心と脳はもっと複雑で奇々怪々な部分が多くあり謎だらけである。
本日はあいにくの雨であったが、午前中から忙しく、三井記念病院の歯科外来へ行き、その後江東区大島にあるメンタルクリニックへ。
一週間前に処方された抗うつ剤の「リフレックス」が功を奏したと主治医に笑顔で報告した。そしてまた秋葉原に戻りヨドバシカメラに寄り、息子から頼まれていたギタースタンドを買って帰宅した。
人はやはり外に出るべきである。外はあらゆるエネルギーが渦巻いている。それを吸収し、自分の活力とするのだ。人の声、電車や車の音、電話のベル、食べ物の香り、空、雲、雨、太陽、連立するビル群、山や川、そして海など等。
全ては宇宙のエネルギー、そして自分自身の中にも存在する「生」そのものである。