埒が明かない拉致問題。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


プールサイドの人魚姫-拉致

 天気が良く澄み切った空気と波の静かな日には、新潟の海岸から北朝鮮を眺望する事が出来る。それほど近い国でありながら、拉致被害者にとっては蜃気楼のように遠くて儚い国なのだろう。

 自力で拉致問題を解決出来ない日本及び日本政府は、韓国やアメリカに協力要請をしているものの、諸外国から見れば、他国の揉め事に付き合うほど余裕はなく、対岸の火事は火の粉が飛んで来なければ重要課題として捉える事はない。

 特赦により「死刑」を逃れた「大韓航空機爆破事件」の実行犯である元北朝鮮工作員「金賢姫」が、韓国の計らいにより、日本を訪問した事から、拉致ニュースが連日報道されている。

 こんな事でもない限り、拉致問題が表舞台に出てくる事もないほど、この現実が時間とともに風化していることを横田夫妻の白髪が物語っている。

 金賢姫のVIP待遇が気に入らないらしく、野党から批判が相次いでいるが、政府は拉致被害者より元北朝鮮工作員の方が大切だと思っているのだろう。

 自分たちの力だけでは、消息不明の「横田めぐみ」さんなど、拉致された人たちを探す手立てが見つからないのだ。

 実に情けない話であり、マニフェストに「拉致問題解決に全力を挙げる」と高らかに叫んだ政党或いは政治家がいただろうか。

 「このような国を国家などと呼ぶのも虫酸が走る」と言ってしまったら「それは言いすぎ」と咎められそうだが、十数年経った今もなお、解決の糸口は見つからない。

 自分の子ども、友人、親類縁者が同じような目に合わなければその痛みや苦痛は分からない。おそらく、日本国の殆どがそのような状態だろう。

 せめて横田夫妻が生きている内に、金正日が健在な内に拉致は解決しなければならないほど、国家の重要課題であることに気がついて貰いたい。