船場吉兆に現代日本の縮図を見た。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

あやつり人形 食文化を支えるものの一つに伝統がある。伝統の味という言葉に弱いわたし達は、その言葉の持つ魅力に負けてイメージだけで信用してしまう弱点を持っている。
船場吉兆は日本料理の最高峰に位置する宮廷料理をメインとし、短期間で高級料亭としてその名を世界中に知らしめるまでに成長した。
先日、吉兆の女将が「暖簾にあぐらをかいていた」と反省の弁を述べていたが、そうではなく暖簾の重さに耐え切れなくなり、自ら潰れたのだろう。
頂点を極めた者がその場から転げ落ちるのは実に早い。それも内部崩壊という形で世間を欺き続けた結果なのだが、創業者である湯木貞一が作り上げたからくり人形に歯止めを掛ける人間がいなかったことに船場吉兆の悲運は定まったいた。
操り人形の如く常習化した食への裏切り行為は、見て見ぬ振りをする「傍観者」を作り出し、反論する勇気すら奪われ、雇われる者の自由を束縛する。
皮肉にも日本経済を支える日本社会の裏の顔が、船場吉兆に凝縮されているような気がして残念である。
突然の解雇を言い渡され、路頭に迷う従業員たちから怒りの声も上がっているが、彼らと元経営者との闘いは幕を切ったばかり。
それよりも団結して、小さくても良いから本当の高級料亭再建の道を探って欲しいものである。