池袋パルコ発、頭上の脅威。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


飛び降り

街中を安全に歩くことさえままならないような事故だった。空から落ちて来るものは雨や雪など、自然のものばかりでなく、建物の看板や、航空機の破片という、危険物もある。一番恐ろしいものは、放射能に汚染された雨だろう。
まさか自分の頭に人間が降って来るとは想像すらしていなかったが、それが現実となってしまった池袋パルコからの飛び降り自殺。そしてそれに巻き込まれた男性が命を落とした。
当日のパルコ前は午後の昼時で人通りが最も多く混雑していた。自殺した女性が何故このような場所を選んだのか、考えなくとも誰かに当たる確立は非常に高い訳で、それを計算しての飛び降り自殺だったとしたら犯罪になるが、当人が死亡している為なんともやり切れない事件となった。
国内の自殺者は統計を取り始めてから9年連続して3万人を超えている。このような事態に厚生労働省やNPOも自殺者の数を減らす為の方針などを積極的に打ち上げているようだが、日本が自殺大国になってしまった背景には孤立する人間関係や教育、経済、子育て、将来に対する不安、医療問題などが複雑に絡んでいると思われる。
これらの病巣を抱えたまま日本経済と政治が腐敗を続けて行く中で、人間を個人として捉え、尊重する意識が薄れつつある現代に、希望や夢を持てない人間が益々増えて行くのは全てが「他人事」と捉え「傍観者」になってしまう自分がいるからである。
自分の存在が否定されたり、或いは居場所が見つからない羅針盤を見失った幽霊船のように、孤独の大海原を漂うような現実から逃避しようと、自殺という道を選び、この世に自分が存在した証拠を残す為、敢えて人の波に吸い込まれて命を落とす行為。
仮に彼女が病気だったとしても、それはこの事件を知った貴方の明日の姿かも知れないと言うことをここに記して置きたいと思う。