名門、時津風が消える日。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


時津風 昭和の大横綱「双葉山」が創設したと言われる「時津風部屋」が風前の灯火となっているが、これはひとつの相撲部屋だけの問題ではなく、日本相撲界全体の威信と名誉が大きく崩れ去る前兆といえる。
朝青龍の不祥事で既に相撲協会の指導不足が指摘されているが、今回の事件は一人の若い力士の命が不条理な形で奪われたことに尽きる。将来は横綱という大きな夢を抱き弟子入りした17歳の少年に一体何が起こったのか。
序ノ口力士・時太山こと斉藤俊さんを待ち受けていたのは、師匠である時津風親方の有り得ない仕打ちだった。稽古が辛いのはスポーツに限った事ではないが、逃げ出したくなることは幾らでもあるだろう。
自宅に戻った斉藤さんを父が励まし再び送り出したのも親の情というもの。辛い稽古を積んで一人前の力士になって欲しいと親は願っていた筈。本人もまた不甲斐ない自分を責めていたかも知れない。
時津風親方の行動が報道記事で言われている通りであるならば、まさしくこれは集団暴行、リンチ殺人ではないのかと疑いの眼を向けられても仕方ない。金属バット、ビール瓶で頭を殴るなどまるで暴力団同士の争いである。相撲道を目指す大人のやる行為ではない。
北の海理事長は現役時代から腰が重かったが、文化省から異例の指示を受け更に重くなった腰を漸くあげた。今回の件について理事会がどのような処分を下すのか定かではないが、時津風部屋の廃業も充分に有り得るだろう。