報道陣の問いかけに一言も話さず、憮然とした表情だけ残し日本を後にした朝青龍。相撲ファン、特に朝青龍ファンに何の挨拶もなくモンゴルに帰国した彼の態度に失望を隠せないのはわたしだけだろうか。
彼にとってみれば仮病疑惑が発覚した後の日々はまさに針のむしろだったと思う。母国での静養が必要と精神科医から判断が下され、やむなく相撲協会がそれに妥協した形となったが、高砂親方の心境は穏やかではない。
相撲界の権威を失墜させ、あらゆる方面からのバッシング。朝青龍自身より高砂親方の方が相当大きなプレッシャーとストレスを感じているのではないだろうか。建前としては心の静養とひじの治療だが、疑惑だけ日本に置き去りのままモンゴルに帰っても、横綱としての治療が行われる訳ではない。
モンゴルは国を挙げて朝青龍を守ると言う。警察や軍隊まで動因して日本の報道陣をシャットアウトするつもりらしい。日本のマスコミもやり過ぎな部分はあるだろうが、ここまで来ると日本対モンゴルという、国同士のいざこざに発展する恐れもある。
母国から見れば朝青龍はやはり英雄でかわいい子どもと同じなのだろう。これもひとつの愛国心なのか…。これだけ相撲界のみならず世間を騒がせておきながら、朝青龍の口から謝罪の言葉が聞かれないのは非常に残念に思う。
モンゴル出身の力士は自分だけではない事を自覚しているのなら、後輩力士たちへのメッセージがあってもよい筈。朝青龍とモンゴルと日本の三つ巴の勝負は今始まったばかりである。