鳥から馬へ、インフルエンザは何処までも。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


競馬 中央競馬界に激震が走った。厩舎から聞こえるのは馬の悲鳴、高熱を発し次々と倒れていく馬たち。獣医が慌てて駆け寄る。「これは、もしかして…」数十年前の悪夢が再び蘇った。馬インフルエンザ。死に至るほどの事はないにしても、非常に強い感染力。まさか鶏のように馬を処分し、厩舎を焼き払う訳にはいかない。
鶏と馬を比べる訳ではないが、馬には膨大な金が掛かっている。そして何より金を大量に生む動物。こうなるとそう簡単に処分できる訳がない。ギャンブル好きな人間の本音が垣間見えるようだ。感染源がいまだ特定出来ていない状況で、インフルエンザは地方の競馬場に飛び火して行く。
レースが開催出来る競馬場と出来ない所とでは、明らかにその差が顕著な数字として現れている。
いつもなら閑散とした地方のそれほど有名でない競馬場が人の波で溢れている。馬券を握る手が熱く残暑の青い空に伸びて行く。勝負の行方より今はレース見たさに競馬ファンが集まっているのだ。しかしながらこの馬インフルエンザ、終息にはまだ時間がかかるだろう。ワクチンが大量摂取され一時的には凌げても、また新たな新種ウイルスが蔓延する。人間と動物とそして眼に見えない難敵との戦いは始まったばかりである。