亀田一家とTBSの野望 | プールサイドの人魚姫
ボクシングをK1の様な人気格闘番組にしたい。TBSのディレクターはそう考えていた。しかし、それには主人公であるスターが必要。そこに現れたのが亀田一家、父と三人の息子達がボクシングに打ち込む姿は誰が見ても感動するに違いない。ディレクターはそこにボクシングを通して培われていく父との絆を演出しようと考えた。これなら行ける、そして亀田一家の密着取材が始まった。亀田興毅、大毅ともTBSが想像する以上にボクシング界に頭角を現し、勝利する度に彼らのカリスマ性が広がって行き、多くのファンの心を捉えて来た。亀田一家がTVに登場する機会が増すに連れ、ファンは急激に増え続けて行く。ディレクターの思惑通りのシナリオが徐々に完成して行った。そして迎えた2006年8月2日に行われたWBAライトフライ級タイトルマッチ、相手は王者ファン・ランダエタ。この試合は亀田興毅の為にTBSが全力を注いで作った晴れ舞台でもあった。どうしても亀田興毅に勝って貰わなければならない試合でもあり、ここにTBSが長年作り上げて来たタレントボクサー「亀田興毅」の姿があったのである。しかし、大きな落とし穴が待っていたのも事実で、おそらく予想を遥かに超えてシナリオは歯車が狂い始めていったのである。「八百長」と言うもっとも恥じるべき展開。誰もが信じ難い結果が待ち受けていた。この試合が仕組まれた物だったかどうかは分からない、だが疑惑の判定として、ボクシング界に一つの汚点を残したのは事実である。その影響は先日行われた亀田大毅のプロ6戦目になる試合に大きく響いた。世界ボクシング界の権威者を招いた試合はバッシングの嵐で会場は大揺れ。またも微妙な判定で亀田大毅が勝者となったが、その内容に納まりきらない観衆と亀田ファンとの間でリング外の乱闘騒ぎに発展してしまい、日本ボクシング界の醜態が浮き彫りになってしまったのである。深夜に行われた放送にも関わらず10%近い高視聴率を得たこの試合に対する関心度が如何に高かったかが、伺える。本来ならばゴールデンタイムに放映したかったTBSだったが、兄の世界戦の状況もあり、異例の深夜放送となった。10月18日に予定されていたファン・ランダエタとの再戦は亀田興毅の怪我により12月20日に延期となった。プロボクサーであれば、初めから負けると分かっているリングには上がらない。ただ、大きなファイトマネーが絡むような試合に於いてはこの限りではない。

