トトロと言えば猫バス(動画) | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

猫バス 誰にでも在った子ども時代。それは好奇心の塊、果てしない想像力が宇宙の隅々を駆け巡る。となりのトトロは昭和30年代を舞台にした失われつつある自然の美しさ、子どもたちだけの不思議な世界が織り成すファンタジーである。一人っ子だった私は大きな自分の家が怖かった。骨董屋を営んでいた時代があったのでその名残が家の至る所に存在した。黒く煤けた神棚が沈黙の夜に私を見下ろしている。天井裏は高く昼間でも外の明かりが小さな壁の裂け目からさす程度。ネズミの足跡がうるさく、睡眠を妨げるので必死で捕まえようと幼い頭をひねりながらネズミ捕りを敢行したが、勝負はすばしっこいネズミの勝ち。だが、もっと怖ろしい怪物がそれをいとも簡単に退治してくれた。家の主「青大将」2mはあろうかと思うほどの巨大な蛇である。父はこの蛇を何の躊躇もなく手玉に取り、腕に巻きついた青大将を私に見せる。細く紅い舌が炎の様に見えていた。庭も広く樹齢400年以上の大木が多く聳え立っていた。梟が夜中に来ては啼いていた。そんな夜はトイレに行けなくて我慢した。商売柄庭の入り口にはお稲荷さんが祭られており、その後ろは戦時中防空壕だった。身近なところで多くの冒険と不思議なもののけたちに出会った少年時代。バス停で1年間父の帰りを待ち続けた僕のところに、ある日猫バスが父を乗せてやって来た。僕は懐中電灯を照らし父の顔を確認する。一年前突如消えたその時の姿のまま一言「とし坊、ごめんよ」と僕の肩を抱きしめた。「父ちゃん、もう何処へも行かないで」と心で呟き一年振りとなる父との再会に涙が潤んだ。