東欧の歴史は繰り返す | 新・発動機とともに

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4.4.8 (金)☀ 21℃

やっと、暖かな春の一日となりました。

東欧の現実は他人事ではなく、もしも、アジアに第二戦線が展開されれば米国の戦力は分断され、NATOやらEUは欧州に釘付けとなるでしょう。G7は日米のG2となり、場合に依ってはG1になるかも知れませんわね。

婦女子をも巻き込む戦禍は、かっての日本も同じでした。
南方も大陸も北方もです。
本土は空襲により焦土と化し、77年前の今頃、南西諸島は正に鉄の暴風の最中にありました。
現地の住民は否応なく、戦禍に巻き込まれます。

昨今の映像を見ていて、ふと疑問に思うことがありました。
何故に街をあれ程までに破壊するのかと?

かっての独ソ戦の記録を少し見てみました。
露は陸が主ですから、物騒な戦車、野砲、多連装ロケット砲、機体下面を鉄で覆ったような地上襲撃機、更には犠牲を厭わない縦進突破の人海戦術、兵站が途切れて攻勢限界点に達していた独を押し返します。
米英からの供与もありましたが、ウラルの後方には、大生産力を有した工業国の一面がありました。

上空では数に勝る空戦が展開され、地上では事前の十分な準備砲撃の後に、戦車や歩兵、空地協同の襲撃機が地上の独を攻撃します。
新鋭T-34が登場し、独も同じく少数ながらパンツァ〜🐆が現れ、1両が次々とT-34を60両も擱座させたと言う記事もありました。

最初に述べた、映像を見ての疑問に戻ります。
無差別に街を破壊したのは、戦車を進出させるためではないかと。
戦車砲はビルの上階には撃てないので、そのまま街に入れば上や物陰から狙われます。

設計思想の一番の目的は、相手の戦車を倒すことにあり、建物の破壊が主ではありません。
プロではないので、乗ったこともありませんが・・・

待ち伏せとか色々とあるようですが、東西冷戦下では数百、数千の大戦車戦を想定していました。
仮に距離三千から始まれば、弾道はほぼ水平であり、砲の迎角は必要最小限でよしとなります。
高所の目標を相手に造ってはいません。

映像にはT-72が出て来ますが、登場したのは半世紀前で、多くの国へと輸出され、多数の派生型もライセンス生産されています。
中東やイラク等々、キナ臭い場所には必ず登場し、時にボロ負けをしています。
コンパクトで低姿勢の車体、国に依っては、西側の射撃管制を装着したものまであるそうで、とうの昔に弱点はお見通しのはずです。
しかし、空冷ディ〜ゼルによる航続能力は優れ、500〜600kmは走破出来る特徴があり、言われている様な燃料不足では無いと感じます。街に入れば先鋒、次鋒と次々に倒されたのではないかと。
砲塔が見事に吹きとんでいる映像もありました。

日本の74も半世紀前の同世代で、当然に設計思想は相手を意識していたことでしょう。西側の各国もまた同じです。
間もなく引退のようですが…




現在の新型↓


そして、車輪のみに変化へ↓


似て非なる、自走榴弾砲↓


これらが通った跡は、凄まじい轍でした。↓


露は伝統的に準備砲撃を重点としており、高価な誘導ミサイルではなく、遠方から榴弾砲、多連装ロケット砲で街を破壊したのでは?
戦車と歩兵を侵攻させるために…

正面が一番強固なのは、昔も今も変わらずでしょうね。


硬度の高い、タングステン弾とか劣化ウラン弾が、分厚い装甲をぶち抜きます。
現代は装甲に貼り付いて、高温を発して装甲を溶解する粘着榴弾とか成形炸薬弾、砲から直接発射するロケット弾などもあるようですが…
車内の乗員にとっては、恐ろしい光景となります。

接近しないと当たらず。
今も昔も余り変わらない様な気がします。
エンジンの発する熱は赤外線を発するため、昼夜も悪天候も分かたず容易に捕捉されます。
熱は画像となります。
今や発射すれば命中まで、自律的に追従する機構なんでしょうね。
補足して撃てば急所に命中か?

半世紀前は有線誘導

報道では対戦車ロケットが、遠方からバタバタと倒している印象を受けますが、実際はかなりの接近戦ではないかと…?
大平原ならいざ知らず、森や遮蔽物もあり、双方共にお互いの弱点は分かっているはず。

鉄の塊のような昔の米国製


反撃する速射砲が有れば、まだましな方で、残るは人間対戦車の非情なものでした。
撃てば位置を暴露して、次には反撃されるため、必中か迅速な陣地変換が必要になります。
かの国の現状と感覚的に近い感じがします。

今までは不敵の戦車やヘリも、携行型のミサイルやドロ〜ンがあれば不要と言う話しも出てますが、決して不要とはならないでしょう。
昔から不要論が出ては消えますが、人間に比べれば機動力も防御力も全く違い、分厚い装甲は放射線下でも一定の行動が可能です。
西側に戦車を送れと要望しているのが現実です。

そして、兵器の進化には、次に必ず対抗手段が出て来ます。
やがては、ドロ〜ンや無人機も簡単に落とされるかも知れません。

欧州での拡大は欧州戦ですが、アジアに波及すれば、三度目の大戦となります。
資源の争奪、社会の混乱、不景気、恐慌、またも世界は軍拡の時代に舵を切り始めました。
条約や約束事は、簡単に破棄されます。

この先どうなるのでしょう。
欧州が平穏となり、ジイ様の時代に戻らないことを願って止みません。