2024/4/27 第3回「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

 

人気イベントが3度開催

本日,山口県下松市で開催された「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」に,筆者も足を運びました.このイベント,人口5万人の下松市において3万名以上の動員を誇る大規模イベントで,基本的に,日立製作所で海外向けの高速・特急型車両を大量に製造していないと企画すらなされず,当日も,日立製作所・LOSISTEED社(旧:日立物流)・下松市役所・下松商工会議所・山口県警察など,官民合わせて多くの事業所が協力しないとまず開催できない,非常に貴重なイベントです.関係各所に,この場を借りてお礼申し上げます.

 

しかし,それでも本日で3回目の開催を迎えることができました.今回は台湾鉄路に納入される「EMU3000系」の車両を2両,日立製作所〜下松駅を往復するという,これまでと異なるイベントに仕上がりました.

 

10:00ごろに,日立製作所の車両通用門を通過しました.今回使用された車両は,EMU3000系の最終ロットである,第50編成の1号車「45ED3501」と,第49編成の12号車「45ED3492」です.強引に国鉄・JRの形式で書き下すと,それぞれ「クハ453-150」「クハ453-249」あたりになります(実際の国鉄453系とは関係ありません).ただし,EMU3000系は交流60Hz・25,000Vの電力で,1,067mm軌間を走行する性能であり,残念ながら日本国内では使用できません.

パレード的要素が強いこのイベントですが,途中の県道は旧国道188号線であり,交通量は多いです.車両は道路を,想像よりずっと早く進んでいきます.

筆者が歩いて下松駅に到着した際には,1両目が下松駅のロータリーを回転していました.あくまで未完成の仕掛品を用いたこのイベント,もちろん車体を他の車両・構造物にぶつけることは許されず(*),神業的な運転技術が披露されます.

(*):実際に事故を起こして納入が遅れた事例が複数存在します.

これまでの「道路を走る鉄道車両見学見学プロジェクト」と異なり,両先頭車両が同じ方向で並ぶというシーンが見られました.この位置で,関係者によるセレモニーが数十分間行われました.

セレモニー終了後,2両目もロータリーを回りました.誘導員も設置され,慎重かつ手慣れた様子で回転してきます.

このイベントのために,徳山〜下松で臨時列車が設定されました.その臨時列車には,所定の運用を崩して「瀬戸内色」であるN-04編成が充てられ,イベントに花を添えました.もちろん,筆者もイベント終了後に乗車しており,筆者にとっては初の「瀬戸内色」乗車となりました.

交差点で曲がるシーンはこのイベントのハイライトです.これまでのイベントと異なり,このシーンが見られる回数は4回に増えていました.

この周辺ではイベントグッズ販売,ドクターイエローを模ったトランポリン,キッチンカー,近隣企業の技術紹介などの関連イベントが行われました.

日立製作所においても,新調なった資料館が公開されるなど,大いに賑わいました.資料館には「522-1」が展示されており,車両メーカーらしく車両の構造を中心にわかりやすく展示されていました.資料館内部どころか,事業所構内で撮影・web掲載が認められた画像はこのアングルの画像のみでした.

 

このイベントはやはり動画でご覧いただくのがわかりやすいのではと思いますので,先に動画を作成しました.ご覧いただけると嬉しいです.

 

 

 

(後ほど埋め込みに変更します)

 

日本の新幹線車両でこのようなイベントを行おうとすると来場者を増やしすぎてしまい,事故などの危険が一気に高まります.次に日立製作所が海外向けの高速・特急型車両(台湾高鉄向けのN700S系のぞく)の大型案件を仕掛けた際,このイベントが再度行われることを楽しみにしています.子供をはじめとする多くの方々に夢と希望を与えたイベントでした.

 

4/28追記:このイベントには5万名の方々が駆けつけたようです.人口5万人の下松市においては非常に大規模なイベントであり,雑踏事故などが発生しないように,警察・警備員が慎重にコントロールしていたことが印象に残っています.