四国の新型一般型気動車の詳細が告知 | 金屋代かずおのお部屋

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(四国から国鉄車がほぼ一掃か??)

 

4/3に,JR四国は「ハイブリッド式ローカル気動車」を58〜70両調達すると,日本・EU・イギリスに向けて入札公告しました.「JR東日本キハE131系500番台(八戸線)」の例がありますが,鉄道事業者がこのような形で車両の調達を公開することは稀であり,筆者も気がついたのは本日,従って記事化が遅れたという形になります.

詳しくは以下をご覧ください(URL無効にご注意ください)

 

https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/shizai/pdf/tender_announcement.pdf

 

公告によると,最初に投入する量産先行車は2025年内に納入,量産1次車は2028年1月に納入し,おそらくは2028年3月ダイヤ改正でのデビューになるのではないかと思います.この入札に参加できる企業は極めて限られており,鉄道車両を従前から製造しているような大企業でなければ応じられません.アメリカ大陸の企業は対象になっていませんが,カナダ・ボンバルディアはフランス・アルストムに合併されています.

 

  何が変わるのか?

JR四国において,新型車両の導入は近年立ち向かうことになる重大な課題であり,「長期経営ビジョン2030」「中期経営計画2025」などですでに触れられています.おそらくは,以下の現在JR四国で使用されている一般型気動車を置き換えるものと思われます.

  • キハ40型 9両・キハ47型 2両
  • キハ32型 21両
  • キハ54型 12両
  • 1000型 38両
  • キハ185型3100番台 6両
計88両
(出典:wikipediaの各形式のページ)
 
新型の気動車は2両編成となる予定であり,1200型・1500型のより閑散線区への配転・一部列車の減便・減車,場合によっては一部線区のバス転換・廃線も考えられます.この「バス転換」には現在牟岐線で行われている,高速バス末端区間のJR乗車券での利用も想定できます.
また,今回は「ハイブリッド式」ですので,おそらくは今後7200(121)系・7000系・6000系電車の置き換えも見据えて開発されることも考えられます(5000系の置き換えはJR西日本と歩調を合わせる必要があり,筆者としては225・227系ベースの新型車両の投入を予想しています).
いずれにしても言えることは,「『しまんトロッコ』を含む予土線の各種ラッピング列車」「JR四国の各種『ものがたり』列車」へのご乗車はお早めに,ということです.『ものがたり』列車は全車キハ185系ですが,他の国鉄型気動車が引退してしまえば整備もままなりません.
 
JR四国においてはその経営体質の脆弱さから,国鉄型車両が比較的長く残るのではないかと思いましたが,比較的早い段階で全廃へのロードマップがはっきりしたという印象を受けました.しかし,今回の入札公告で調達した車両を投入する頃には,国鉄型車両はすでに経年40年を迎えてしまっているのも事実です.
個人的には,新造車の一部に「イベント対応車」として,車内での本格的な飲食に対応した車両が登場することに期待しています.
 

  気動車以外でも

  • 朝日新聞の報道によると,JR四国で唯一運用可能な機関車「DE10 1139」において,2023/3/31を持って引退したとのことです.
  • 「乗りものニュース」の報道によると,「THE ROYAL EXPRESS」の行き先が今回松山方面であるのは,JR貨物からの機関車の手配が「電気機関車」のみ可能であったためと報じられています.JR貨物においてもDE10は置き換えの最終盤を迎えていますが,DF200は車体が大型で軸重が16.0tと重く土讃線・高徳線への入線できるかどうかは不明であり,DD200は両数が少なく運用範囲が広いためまだ手配がつかないのも自然と言えます.軸重もかつて活躍した「DF50」より重くなっています.